
以前、BSマンガ夜話でも取り上げられたことがあるカルトな漫画家・諸星大二郎の代表作。読み逃していたので気になっていたんだけど、このたび文庫化されたので読んでみました。しかし、怖くて、シュール!!
あの手塚治虫をして、「諸星大二郎の絵は描けない」と言わしめた、ヘタウマ的な画力なんだけど、この絵柄じゃないと感じない不気味さが確かにあります。
つげ義春チルドレンだというのは語りつくされているにしても、オカルト系としての楳図かずおとの違いは、楳図作品がある種の"過剰さ"を特徴としているのに対して、諸星作品が"孤独"を基調にしているという点にあると思う。そのことが、逆に集団生活を舞台にしたり、放課後や路地裏という舞台設定を登場させているんだと思う。
ディテールでいえば、表題作の三本煙突の使い方やフリオの嘘をつくときの態度、「鎮守の森」の冒頭の鬼ごっこの場面のさりげなくこどもたちの着る物が変わっているところなど、微妙な形で異世界に引きずり込んでいく手法が、小説でいうなら内田百の「東京日記」の巧妙さを思いださせてくれる。(他だと、漱石の「夢十夜」あたりか。)
個人的には、表題作や「鎮守の森」、ラストのせりふに意表を突かれる「流砂」、臓器移植の扱い方が予言的な「蒼い群れ」なんかが印象的かな。
グロいの敬遠気味でも、孤独な魂をもっているひとにはおすすめです!
あの手塚治虫をして、「諸星大二郎の絵は描けない」と言わしめた、ヘタウマ的な画力なんだけど、この絵柄じゃないと感じない不気味さが確かにあります。
つげ義春チルドレンだというのは語りつくされているにしても、オカルト系としての楳図かずおとの違いは、楳図作品がある種の"過剰さ"を特徴としているのに対して、諸星作品が"孤独"を基調にしているという点にあると思う。そのことが、逆に集団生活を舞台にしたり、放課後や路地裏という舞台設定を登場させているんだと思う。
ディテールでいえば、表題作の三本煙突の使い方やフリオの嘘をつくときの態度、「鎮守の森」の冒頭の鬼ごっこの場面のさりげなくこどもたちの着る物が変わっているところなど、微妙な形で異世界に引きずり込んでいく手法が、小説でいうなら内田百の「東京日記」の巧妙さを思いださせてくれる。(他だと、漱石の「夢十夜」あたりか。)
個人的には、表題作や「鎮守の森」、ラストのせりふに意表を突かれる「流砂」、臓器移植の扱い方が予言的な「蒼い群れ」なんかが印象的かな。
グロいの敬遠気味でも、孤独な魂をもっているひとにはおすすめです!
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