日頃、オヤジ向け自己啓発本コーナーをバカにしているわたしだけど、たまたま電車移動中に読む本がなくなってしまって、勢いで買ったしまったのがこの本。(しかし、どこでも売ってるってところが凄いな。斉藤孝、恐るべし!) 簡単に言うと、「天才」から人生のヒントを学べっていう、この手の本のお決まりの展開なんだけど、宮沢賢治とココ・シャネルのくだりがやけに面白くて、拾い物だったって感じ。値段も安かったしね~。
宮沢賢治が法華経に肩入れして、日蓮宗系の団体「国柱会」に関わっていたことまでは知っていたけど、東京での貧乏暮らし時代に、毎日午前中は仕事(バイト?)をして、午後から夜まで国柱会の奉仕活動をやってたって話ははじめて知った。なんか、どっかの在家信者みたいな熱心ぶりだけど、これで夜中に執筆活動をして一ヶ月約三千枚の原稿を書いてたんじゃあ、体を壊すのも無理はないって感じ。でも、こういう「活動」の話って、子供の頃に読んだ伝記には書いてなかったような気がするなあ~。
次に、ココ・シャネルの交際範囲がとても広かったってことは、ヴィスコンティの映画界入りのきっかけをつくったのが彼女だってことで知っていたけど(彼女がヴィスコンティを映画監督ジャン・ルノワールに紹介した。)、ジャン・コクトーやレイモン・ラディゲについて辛らつなことを言っているのは知らなかった。
「コクトーは育ちがよかった。自分のことはけっして語らなかったわ。ブルジョワなのよ。自分が才能がなかったので、懸命に吸収していたのよ…。新しいことを盗むことしか頭にない、まったくのプチブル…」
「ラディゲ、干した果物ね。だから早死にしたのよ」
この二人に対してここまで辛らつな人をはじめて知ったけど、念のためにフォローしておくと、シャネルとコクトーは友人であり、ラディゲの葬式を取り仕切ったのも彼女。つまり、知り合いだろうと、一切迎合しない人ってことで、前述の発言が取り上げられてるんですね。
さらに念のために補足しておくと、コクトーは詩人で小説家で映画監督と、マルチに活躍した人物。実験映画『詩人の血』や『オルフェ』なんて名作もあったし、映画にもなった小説『恐るべき子供たち』は24年組の少女マンガの少年愛に多大な影響を与えた。個人的には、澁澤龍彦が24歳(!)のときに翻訳した『大胯びらき』っていう青春小説がとても好きなんだけど。
一方、ラディゲは20歳で夭折した作家で、彼の『ドルジェル伯の舞踏会』(堀口大學・翻訳版)は三島由紀夫の愛読書で、三島の文体はまんま堀口訳の影響から来ていることはとても有名。
さて、話をココ・シャネルに戻すと、孤児院で育ったという過去を持つ彼女が、一切妥協せず、人に飲み込まれないで成功していった話がなかなか痛快なんですよね。
おかげで、図書館やブックオフでココ・シャネル関連の本を集めてしまったんだけど、「皆殺しの天使」と呼ばれた彼女の話はなかなか興味が尽きませんね。(わたしも、「皆殺しお富」としてがんばらないといけないか?)
最後に、シャネルの極めつけの名言をとりあげましょう!
「実際にどう生きたかということは大した問題ではないのです。大切なのは、どんな人生を夢見たかということだけ。なぜって、夢はその人が死んだ後も生き続けるのですから」
ウ~ん、かっこいい!しばらく、こころだけはシャネル・ブームかな。(慎ましく暮らしてますから。)
因みに、この本で取り上げられてる他の「天才」は、ピカソとイチロー。でも野球負けちゃったから、イチローの話はいいですよね!
ところで、わたしの紹介なんかでは、「人生のヒント」なんか見つかんないですよね。わたしもそういうことを求めて読書してないし…。
宮沢賢治が法華経に肩入れして、日蓮宗系の団体「国柱会」に関わっていたことまでは知っていたけど、東京での貧乏暮らし時代に、毎日午前中は仕事(バイト?)をして、午後から夜まで国柱会の奉仕活動をやってたって話ははじめて知った。なんか、どっかの在家信者みたいな熱心ぶりだけど、これで夜中に執筆活動をして一ヶ月約三千枚の原稿を書いてたんじゃあ、体を壊すのも無理はないって感じ。でも、こういう「活動」の話って、子供の頃に読んだ伝記には書いてなかったような気がするなあ~。
次に、ココ・シャネルの交際範囲がとても広かったってことは、ヴィスコンティの映画界入りのきっかけをつくったのが彼女だってことで知っていたけど(彼女がヴィスコンティを映画監督ジャン・ルノワールに紹介した。)、ジャン・コクトーやレイモン・ラディゲについて辛らつなことを言っているのは知らなかった。
「コクトーは育ちがよかった。自分のことはけっして語らなかったわ。ブルジョワなのよ。自分が才能がなかったので、懸命に吸収していたのよ…。新しいことを盗むことしか頭にない、まったくのプチブル…」
「ラディゲ、干した果物ね。だから早死にしたのよ」
この二人に対してここまで辛らつな人をはじめて知ったけど、念のためにフォローしておくと、シャネルとコクトーは友人であり、ラディゲの葬式を取り仕切ったのも彼女。つまり、知り合いだろうと、一切迎合しない人ってことで、前述の発言が取り上げられてるんですね。
さらに念のために補足しておくと、コクトーは詩人で小説家で映画監督と、マルチに活躍した人物。実験映画『詩人の血』や『オルフェ』なんて名作もあったし、映画にもなった小説『恐るべき子供たち』は24年組の少女マンガの少年愛に多大な影響を与えた。個人的には、澁澤龍彦が24歳(!)のときに翻訳した『大胯びらき』っていう青春小説がとても好きなんだけど。
一方、ラディゲは20歳で夭折した作家で、彼の『ドルジェル伯の舞踏会』(堀口大學・翻訳版)は三島由紀夫の愛読書で、三島の文体はまんま堀口訳の影響から来ていることはとても有名。
さて、話をココ・シャネルに戻すと、孤児院で育ったという過去を持つ彼女が、一切妥協せず、人に飲み込まれないで成功していった話がなかなか痛快なんですよね。
おかげで、図書館やブックオフでココ・シャネル関連の本を集めてしまったんだけど、「皆殺しの天使」と呼ばれた彼女の話はなかなか興味が尽きませんね。(わたしも、「皆殺しお富」としてがんばらないといけないか?)
最後に、シャネルの極めつけの名言をとりあげましょう!
「実際にどう生きたかということは大した問題ではないのです。大切なのは、どんな人生を夢見たかということだけ。なぜって、夢はその人が死んだ後も生き続けるのですから」
ウ~ん、かっこいい!しばらく、こころだけはシャネル・ブームかな。(慎ましく暮らしてますから。)
因みに、この本で取り上げられてる他の「天才」は、ピカソとイチロー。でも野球負けちゃったから、イチローの話はいいですよね!
ところで、わたしの紹介なんかでは、「人生のヒント」なんか見つかんないですよね。わたしもそういうことを求めて読書してないし…。
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