爆笑問題の太田光が「太宰のなかで一番カッコイイ」と絶賛してるんで、再読してみました。というのも、「そんなにカッコよかったっけ?」と思ったから・・・。
一応、言っておくと、わたし、若~いときは太宰が好きだった時期があって、作品は一通り読んでるけど、年をとって再読するたびに評価は下落。今では、いまいち好きになれない作家の代表格になってしまいました。
好きになれない理由は、
その①
「斜陽」や「女生徒」に代表される女性の一人称に入り込めなくなった。特に「斜陽」のヒロインはキモイ。
その②
後期作品に顕著な、ぐうたら男を似非キリストみたいに描く手法が鼻につく。
で、「右大臣実朝」はどちらかというと「その②」の作品なんですが、改めて読むと、この作品はそこそこ抑制が効いていますね。
有能な青年政治家の憂鬱という意味では、バイエルンの国王ルードヴィッヒ2世を連想させる面もあるし・・・。ただ、実朝を暗殺する公暁を嫌味な奴に描いているくだりは、ちょっと抑制をなくしていて、太宰風デカダン・キャラではありますけどね~。
というわけで、巧いとは思いました。戦後作品ほど大仰じゃないしね。
なお、最近太宰作品を再読してみて思ったのは、このひと、読者が思っているほど自分を語っていないなということ。たぶん、三島の方が自分を語っていると思いますよ。三島より、大人のずるさを感じるんですよね~。
因みに、「女が読む太宰」で推薦されていた「眉山」という短篇、再読して大いに笑い、ほろっときました。こういう名作っぽくないものがよいんじゃないかな?わたしが大好きなのは初期の「雌について」だけど・・・。
一応、言っておくと、わたし、若~いときは太宰が好きだった時期があって、作品は一通り読んでるけど、年をとって再読するたびに評価は下落。今では、いまいち好きになれない作家の代表格になってしまいました。
好きになれない理由は、
その①
「斜陽」や「女生徒」に代表される女性の一人称に入り込めなくなった。特に「斜陽」のヒロインはキモイ。
その②
後期作品に顕著な、ぐうたら男を似非キリストみたいに描く手法が鼻につく。
で、「右大臣実朝」はどちらかというと「その②」の作品なんですが、改めて読むと、この作品はそこそこ抑制が効いていますね。
有能な青年政治家の憂鬱という意味では、バイエルンの国王ルードヴィッヒ2世を連想させる面もあるし・・・。ただ、実朝を暗殺する公暁を嫌味な奴に描いているくだりは、ちょっと抑制をなくしていて、太宰風デカダン・キャラではありますけどね~。
というわけで、巧いとは思いました。戦後作品ほど大仰じゃないしね。
なお、最近太宰作品を再読してみて思ったのは、このひと、読者が思っているほど自分を語っていないなということ。たぶん、三島の方が自分を語っていると思いますよ。三島より、大人のずるさを感じるんですよね~。
因みに、「女が読む太宰」で推薦されていた「眉山」という短篇、再読して大いに笑い、ほろっときました。こういう名作っぽくないものがよいんじゃないかな?わたしが大好きなのは初期の「雌について」だけど・・・。
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