切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『関東大震災』 吉村昭 著

2017-09-01 23:59:59 | 超読書日記
小池百合子に読めと言いたい。それだけ。

関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼文取りやめ 小池知事

関東大震災を克明に描き出した菊池寛賞受賞の一冊なんですが、そういうことより、流言飛語の広がっていく状況を精緻な取材で描き出しているところが凄いですね。

小池百合子が卑怯なのは「様々な歴史書の中で述べられているところだ。様々な見方があると捉えている」とか「歴史家がひもとくものだ」などといって、あったともなかったとも言わないこと。信念があるんならはっきり言うべきなんじゃないでしょうか。政府、軍部、警察関係者、報道、騒擾を好む一部の日本人の責任を問うている吉村昭の姿勢についても一言言ってほしいものですね。

というわけで、またわけのわかんない人が寄ってくると迷惑なんで、この辺で。(でも、事なかれ主義が一番よくない「日本風」なんで、わたしは徹底的に抵抗しますけどね。しかし、いったいいつからネット社会って、スナックに嫌がらせに来るヤクザみたいな連中を気にして、あたりさわりのない「いいね!」だけする空間になったんだろう?)

新装版 関東大震災 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本日、納涼歌舞伎(第一部)... | トップ | NHK杯 生中継 森内九段VS藤... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Eテレ (fortheday)
2017-09-05 21:15:16
100分de名著は『全体主義の起源』でした。
昔のように情報がなくても混乱するし、現代のように情報があふれていても混乱しますね。
両方とも正確な情報がないといけないのは共通していますが。
防災の日で秋の夜長で読んでみようかと思います。
返信する
コメントありがとうございます。 (切られお富)
2017-09-07 00:30:58
forthedayさま

コメントありがとうございます。

確かに、100分de名著のハンナ・アーレントはタイムリーかもしれませんね~。

それと、個人的には、大正時代のクチコミも現在のネットの情報もじつはあまり変わらないんじゃないかというか、もっといえば人間の本性って、良くも悪くも土壇場になると変わらないんだろうなあ~と、この本や再読中の大岡昇平『野火』&『俘虜記』を読んでて感じます。

ま、いずれにしても怖いですね。
返信する

コメントを投稿

超読書日記」カテゴリの最新記事