“基本法”成立―伝えられなかった「後退」 (2)

全国各地の入所者や支援団体等への説明では、法案の柱のひとつとして「医師、看護師、介護員の確保を義務付ける」とされていたが、上程された法案では「努める」に後退していた。他に「後退」について触れた報道はない。

 

2008.06.11 共同通信の解説 

入所者の希望後退も

 【解説】国立ハンセン病療養所の地域への開放に道を開く、ハンセン病問題基本法が議員立法で成立した。将来に不安を抱く入所者らが、昨年夏からの署名活動で集めた約八十三万通が国会を動かしたとも言える。

 ただ、厚生労働省などの抵抗もあり、入所者らが望んだ項目がすべて盛り込まれた訳ではない。医療体制の確保は、国の「義務」から「努力」に後退。療養所の統廃合には国会の同意(法改正)が必要となるよう、十三カ所の療養所の名称をすべて法律に明記するとの要求は退けられた。

 入所者の間には、妥協に慎重な声もあったというが、平均年齢が八十歳に迫る入所者の将来をにらみ、今国会での成立が優先された。法の理念である「隔離政策による被害の回復」を踏まえ、国や自治体は療養所の将来構想を積極的に後押ししなければならない。

 

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