赤ワインは、熟成を重ねるほどに舌触りは滑らかになり、秀逸なものは「ビロード」とさえ形容されます。これはタンニンが鎖状に長く連なり、滑らかが生じると聞かされたことがありますが、ここ数年間の研究でこれらの説明は覆されつつあるようです。UC Davis のクラスでの説明をもとに解説します。
タンニンは、フェノール類、フラボノール、カテキン、アントシアニンなどが重合したものです。アントシアニンは色素となることでも有名ですが、重合すると色素は安定します。これらの重合体は、その大きさに応じてSPP(short-chain polymerc pigment)とLPP(long-chain polymeric pigment)に分けられます。LPPは熟成とともに澱となって沈降しますが、SPPはワイン中に残りビロードを演じるようです。
なぜ若い赤ワインは渋く、粗さがあるのか?LPPは、唾液中の蛋白質と結合するので渋さが生まれる、というのが最近の説明だそうです。
2006年にAJEVに発表されたUC DavisのDouglas Adams等の研究により、タンニンの重合体中のLPPとSPPの含有率が計測可能となり、近年のタンニンなどに関わる研究がめざましく発展を遂げたとのことです。
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