Vino Masa's Wine Blog

Weekly notable wine update.
毎週、気になったワインをアップデートします。

やまぶどうの観察

2015-08-30 | Viticulture

ブドウ畑候補地には、野生のやまぶどうが生育している。観察するといろいろなことがわかり、栽培計画を立てることにも役に立つ。

この写真は、畑候補地から周囲の雑木林を撮影したもので、中央に写っているのが栽培候補地の脇の木に絡みつくやまぶどう。ブドウには蔓(つる)があり、針金や草木に絡みついて、それを支えに上に伸びてゆく。イタリア南部では、木にぶどうを絡みつかせて栽培する方法があるというが、この生理的特性をそのまま生かしている。

 

やまぶどうは、ヴィティス・コワニテに当たるが、この中でも種類が別れているようで、同じ庄内地方南部の大網地区で栽培されている葉とは大きさが異なっているようだ。下の写真は大網地区で農家が栽培しているもの。葉柄の色、葉の裏の色、葉の形は似ているが、ここの葉は大きい。栽培されている影響があるかもしれない。

これが酒田市湯ノ台地区の野生のやまぶどう。酒田市湯ノ台地区(候補地)の写真のものはかなり小さい。

この湯ノ台のやまぶどうの葉をよく見ると、葉の周囲が白くなり、また一部赤茶に焦げたようになっている箇所もある。UC Davisのテキストに突き合わせると、周囲が白いのは、マグネシウム成分の欠乏。赤茶は亜鉛、若しくは、リンの欠乏によると考えられる。この写真は地上から2mの高さの樹を撮影しているが、実際、幹を高くすると顕著に現れるようだ。畑の地質調査結果とも一致している。この結果はそれほど珍しくもなく、対応も容易なようだ。人間がサプリを摂るように、それらが混じった改良剤を撒くだけで対応可能とのこと。堆肥の施肥によっても賄われる。

 

ブドウは、もともと雄花の樹と雌花の樹に別れていたが、栽培の過程で両性花になった。やまぶどうは今でも別々である。畑周囲に確認できただけで、雄花の樹が3本、雌花の樹が1本ある。当面これらは切らずに残し、観察を続けたい。

このやまぶどうを台木に使いたいのだが、この上にヴィティス・ヴィニフェラの樹が付くのか否かは不詳。とりあえず、試験的に枝を10本程度切り、根が付くか試験中。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 火山灰土壌 | トップ | Rotundone ーー シラーの日... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Viticulture」カテゴリの最新記事