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ブドウ樹の雌雄

2013-01-21 | Essay

野生のブドウ樹は雌雄異株、すなわち雌株と雄株が存在する。したがって、虫などが雄株の花粉を雌株に運んで受粉しない限り繁殖することはできない。台木のリパリア、ルペストリスなどは全て野生種を栽培したものなので、全て雌雄異株だが、シャルドネ、カベルネ、ピノなど殆どすべてのヴィティス・ヴィニフェラの殆どは雌雄同株である。たまに、退化した雌株や雄株が出てくるそうである。また、コンコードなどは、ヴィニフェラとラブルスカの自然交配品種で、ヨーロッパ人がアメリカ大陸に持参して繁殖させようとしたヴィニフェラがハドソン川周辺で自生しているラブルスカ種と自然交配してできたもの。元のヴィニフェラは数年間のうちにフィロキセラなどに駆逐されてしまっているが血は残しているので、真田幸村のようだ。(幸村は大坂夏の陣で自分の敗戦を覚悟して、娘を伊達藩の群に引き取ってもらった)

しかし、栽培されたブドウ(ヴィニフェラ)では、雌雄同株となり、同じ花に雌蕊と雄蕊が共存するので容易に受粉が可能となる。DNAの分析技術が向上し、ブドウ樹の交配記録をたどると、驚くほど近親交配が多いそうだ。そのためか、遺伝子的に不安定で、突然変異が容易に生起してしまう。もっとも一般的なのが、ピノ・ノワール(黒ブドウ)の枝の途中からピノ・グリやピノ・ブランができることがよくあるようだ。そして、突然変異したところより先は全て、突然変異後の遺伝情報を蓄えていて、接ぎ木すると突然変異後の品種が生成されるというから生命体の神秘でもある。殆どの色に関わる突然変異は黒→白・グリだが、例外的にピノの場合、白・グリ→黒の突然変異も発生しているそうだ。

ブドウ樹は、遺伝的には不安定ではあるが、自分ひとりでも子孫を増やせるので、生命力は増しているのかもしれない。蛇足だが、充分の花とは受粉しない高な等な植物(自家不和合性)も結構あるそうだ。アブラナ、ダイコン、ハクサイ、ナス、バラ、ケシ、ナシ、、一方、自家受粉(概ね)するものは、イネ、小麦など。

主な出典:UC Davis Viticulture text、ウィキペディア(自家不和合性)

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