もちろん家計は火の車

読書と映画、クルマにゲーム……いろんなものを愛しつつ、怠惰な日常を送るオッサンのつぶやき。

「2012」は別にいいけど、いまさら“ノストラダムス”ですか……

2009年12月23日 | 日常

ご覧になった方も多いかもしれないが、昨晩、
日テレで『2012 ノストラダムス 最後の大予言SP』なる
番組がオンエアされていた。
これがまぁ、何というか、
“商魂たくましい”にも「ほどがある」……って内容で、
オカルト好きを自認する私も、さすがにちょっと驚いた。

番組的には、いま、いろんな意味で“旬”の
2012年 地球滅亡説」を引き合いに出しつつ、
“隕石落下”や“巨大火山の大噴火”などなど、
人類滅亡につながる、さまざまなパターンを検証する……
といった路線でまとめられていたのだが、
何がスゴイって、番組を通して呼び水として使われているのが、
あの“ノストラダムス”だった、という点。

ノストラダムスといえば、言うまでもなく
「1999年7の月、地球滅亡説」の、あのオッサンである。
解釈にさまざまな余地が広がる「四行詩」を用いて、
さまざまな予言を残した……と言われるノストラダムスが、
実は「カードに描かれた絵を用いて、(別の)予言を残していた」
事実が発覚した、と。要するに、そういう話であった。
で、その新たに発見された予言が、
やはり「2012年 人類滅亡説」を唱えているんだそうで……。
(なんでも、そのカードとやらは最近になって、
イタリアで発見されたんだとか……。みんな、知ってた? w)

こうなると、まず気になってしまうのが
そもそも「1999年に滅亡する(はずの)人類が、
どうして2012年まで生き残ってんのよ?」という点である。
予言が「当たる」「外れる」といった話の前に、
まずは、この矛盾がどう説明されるのか?
少なくとも、ノストラダムスの中では
「1999年~2011年までの世界」は、
どう位置づけられていたのか……?
ごく当たり前に考えて、何よりも
そこをハッキリさせてほしい、というのが人情であろう。
で、こちらも期待して番組を見ていたわけだ。

ところが……。
なんと、みごとに外れたノストラダムスの「1999年滅亡説」に関しては、
番組の中で、“まったく”触れられなかったのである!
文字通り、「華麗にスルー」ってヤツ。
これはさすがに、ないんではないでしょうか!?
説明自体は、いくらでも考えられるわけだ。
例えば「暦の解釈に誤りがあり、そもそも1999年説は唱えてなかった」とか
「1999年に滅ぶのは“あくまでも人類の大部分”であり、
2012年に全人類が絶滅するのだ」とか……。
(ま、苦しい言い訳ですけどねw)
ところが、そういった努力を完全に放棄して、
番組は「ノストラダムスは、とにかくスゴイ預言者。
その彼が、“2012年に人類が滅亡する”と言ってます!」と、
涼しい顔して言い切るのみ。
(「1999年滅亡説? そんなの、ありましたっけ?」
「アンゴルモワの大王? 知りませんなぁ……」ってな感じw)
まさに“正面突破”の強行策。
これをやられたんじゃ、さすがに
ノストラダムスの言い分、信じる気にはなれないでしょう……。
スタジオには、作家の荒俣宏も
ゲストとして姿を見せていたが、
“博覧強記”で知られる荒俣センセイには、
そこらへんに突っ込んで欲しかったなぁ……という気がしている。

で。全体としてつまらない番組だったのかと言うと、
実は、最高に面白いシーンもあった。
司会を務める谷原章介
「地球滅亡のそのとき、あなたは何をしてますか?」って質問を、
ぶつけたときのこと。
スタジオゲストが“ありがちな答え”を返す中、
「僕は、地球滅亡のそのときも、誰かを笑わせていたいですね」
……などと、
カッコよく決めた劇団ひとり。
(その顔は、明らかに「何カッコつけてんですか!」的ツッコミを期待している)
そんな劇団ひとりに対し、
「あぁ、すごいですねぇ」
素直に拍手する、谷原章介……。
そこに“芸人殺し”のカガミを見た!
突っ込んでもらえない劇団ひとりこそ、いいツラの皮である。
スタジオに、微妙にスベった空気の立ち込める中、
「ウソです。その日まで“食っちゃ寝”してまーす!」などと、
仕方なく、自分で落としていた……。
要するに、オツムの回転の悪い二枚目ほど
コワイものはないと、ま、そういう話である。


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