ダイスを振って楽しむ『カルカソンヌ ダイス』を買ってみました ……の巻

ボードゲームの傑作『カルカソンヌ』については、
当ブログでも何回か取り上げてきた。
詳細についてはこちらのエントリなどをご確認いただきたいが、
カンタンに説明してしまうと『カルカソンヌ』とは、
街道だとか都市、修道院などが描かれた
地形タイルを組み合わせ、より広い領土獲得を目指す
一種の“陣取りゲーム”である。

 ←タイルを組み合わせてプレイする本家『カルカソンヌ』。

オリジナルの『カルカソンヌ』自体、
運と戦略が絶妙にバランスしたゲームシステムと、
「いかにも欧州のゲーム！」といった風情の
洗練されたコンポーネントにより、
いまやボードゲームを代表する“不朽の名作”となっているわけだが、
この『カルカソンヌ』をベースに、
新たに“ダイス・ゲーム”として作り直した
『カルカソンヌ ダイス』という作品が存在する。
先日、某ゲーム・ショップをひやかしていたところ
この『カルカソンヌ ダイス』が売られているのを発見したので
すかさず購入。さっそくプレイしてみた。

この『カルカソンヌ ダイス』、
タイトルからも分かるとおり基本的には
各プレイヤーが「最大9個のダイスを振る」ことで競い合う
“ダイス・ゲーム”となっている。
6面体ダイスには、それぞれの面に「都市のパーツ」が描かれており、
各プレイヤーは（条件の許す範囲で）
それぞれのパーツを有効に組み合わせ、
大きな都市を完成させることを目指す。
完成させた都市の大きさによって得点が決まっており、
いちばん早く「42点」を獲得したプレイヤーの勝利となる。

 ←こんな感じでパーツを合わせ都市を作っていく。

もちろん、ダイスの各面には
都市のパーツ以外に“カタパルト”と“騎士”が描かれており、
これらの要素が、ゲームに複雑な変化を与える仕組み。
その反面、オリジナルの『カルカソンヌ』にあった
都市以外の要素、具体的に言えば
“街道”“修道院”、さらには“農地”といった概念は
ばっさりカットされており、ここらへんの割り切りが
本作『カルカソンヌ ダイス』に、新しい魅力を付け加えている。

ちなみに書くと、オリジナルの『カルカソンヌ』がそうだったように
『カルカソンヌ ダイス』においても、鍵を握っているのは
“騎士”だったりする（余談であるが、『カルカソンヌ』というゲームでは
“騎士”として、ヒト型をした木製のコマ＝ミープルを用いるのだが、
『カルカソンヌ ダイス』というゲーム、この“ミープル”の形をした
アルミ缶に収納されており、このBOXが実にカワイイ出来なのであったｗｗｗ）。

 ←ミープル型のBOXにゲーム一式が収納できる仕組み。

この『カルカソンヌ ダイス』というゲームの醍醐味は
「いったい、どこまで欲張るか……？」という、そのサジ加減にある。
広い都市を完成させようとどんどん拡大していった挙句、
最後の最後で「都市を完成させる」１コマを用意できなかった場合、
その都市は「まったく点数にならない（！）」。要するに“ドボン”である。
また、ダイスで“騎士”の目が出た場合、都市のパーツとしては
利用できないものの、“騎士”の目を3つ揃えてしまえば、
次の手番で完成させた都市の得点が「2倍になる」仕組み。
高得点を狙う場合、積極的に“騎士”を出したいところであるが、
ダイスで“騎士”が出た分、使える“都市のパーツ”は減ってしまうわけで、
ここらへんのバランスが、ゲームに奥行きを与えてくれるわけだ
（ちなみに書くと、“カタパルト”の目が出たダイスは“ハズレ”！
もう、そのダイスを振りなおすことはできない。要するに「打ち止め」である）。

本作『カルカソンヌ ダイス』のプレイヤーは、上記のごとく
複雑に絡み合った要素を考え合わせ、
さてさて「もう1回ダイスを振りなおすか、どうか」……決断するのである。
手堅くチマチマやっていたのでは「高得点は望めない」し、
ドーンと大きく欲張って「すべてを失うこともある」と（笑）。
ここらへんのジレンマ、バランスは実に見事なモノで
ついつい今宵も「あと、一戦！」となってしまう、ブログ主なのであった……。

 ←以前購入しておいたダイス・トレイが大活躍！ の巻。

PS.
ちなみに書いておくと……。
その昔、『GREED（グリード）』という名前の
ダイス・ゲームがあったのであるが、
本作『カルカソンヌ ダイス』のテイスト、
かなりの部分で、この『GREED』に似ているような気がする。
ま、当ブログをお読みの方で
『GREED』を知ってる人って、限りなくゼロなんだろうけど……（笑）。