もちろん家計は火の車

読書と映画、クルマにゲーム……いろんなものを愛しつつ、怠惰な日常を送るオッサンのつぶやき。

明るい“シングルライフ”賛歌……コミック『毎日がおひとりさま。』

2009年12月27日 | 

12月18日に発売されたばかりのコミック、
『毎日がおひとりさま。~ゆるゆる独身三十路ライフ』を読んだ。
実は、作者の“フカザワナオコ”は
これまで知らなかったマンガ家さん(失礼!)なのだが、
新聞で読んだ書評記事が面白そうだったので、
買って読んでみたのである。

内容は、とにかくタイトルを見ればわかるとおり。
要するに「三十路、独身、彼ナシ、貯金ナシ」という
マンガ家(=作者)の日常をつづった、コミックエッセイだ。
(作風は、“毒気を抜いた”西原理恵子というか、
あの“さくらももこ”にも通じる、下手ウマタッチである)
そういう意味では、わりと“ありがちな作品”……
にも思えるのだが、これが断然、面白い。

朝は編集者の電話で起こされ、
食事はコンビニや弁当屋で済ませ、
仕事を終えた後のビールと
飼っている3匹の金魚が“心の友”……
作者の生活は、そんな
「半径100mで収まってしまう」、ささやかなものだ。
しかし、そんな生活の中に小さな喜び&さりげない希望、
そして、ちょっとした哀しみがある。
(どうも、この作者さんは
本書の執筆中に、失恋も経験しているらしい……)

フリーランス特有の、お金をめぐる苦労
(生活費のため、秘蔵の「金八先生DVD-BOX」を
売りに行くくだりなど、ちょっと泣ける!)、
三十路・独身の娘のことを遠くから不安そうに、
しかし暖かく見守っている実家の両親との関係など、
読み手の心を、どこかせつなく、
しかし確実に勇気付けてくれる。
まさに「コミックエッセイの王道」……といった感じだ。
(個人的には、要所要所に登場しながら
「エサくれ~!」というセリフしかない金魚がツボだったw)

この手の作品は、「絵のうまい・下手」ではなく、
やはり作者のキャラクターが命だと思う。
その意味で、フカザワナオコというマンガ家は
十分に魅力的だと思う。
この作者は、たまにヘコんでも
めげない。いつでも「元気よく立ち直る」。
作者の人間的な魅力が、作品に
自然に反映される……これって、とっても幸せなことだと思う。

私は、このマンガ家さんのことを知らなかったけれど、
「今後ブレイクしてほしいな」と、素直に思う。
その意味では、朝日新聞に書評記事まで載った
今回の『毎日がおひとりさま。』、
まさに“勝負の一冊!”かもしれない。
頑張れ、フカザワナオコ!

PS.
三十路、独身、彼ナシ……といったフレーズが並んだが、
この本、男性が読んでもぜんぜん面白いです、マジで。
誤解のないように、それだけは書いておきます、はい。


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