雑談の達人

初対面の人と下らないことで適当に話を合わせるという軽薄な技術―これがコミュニケーション能力とよばれるものらしい―を求めて

カルチャーの違う人材を使いこなせない日系企業

2009年10月19日 | 中国の雑談
日本企業は、アジアの優秀な人材には、なかなか相手にしてもらえないらしい。

筆者が暮らしている、ここ中国においても、さもありなんという感じがする。

中国企業の経営層は、上から「総経理」、「副総経理」、「経理」などと呼ばれるのだが、日系企業の現地法人の場合、ほとんどが本社から出向でやってきた日本人で占められている。

では、そういう日本人たちが優秀かというと、微妙なところである。能力的なところはともかく、仕事へのモチベーションがいま一つな方々が多い。だいたい、人事のローテーション上、渋々来ているケースが多い。3年ぐらいの任期が過ぎるのを、指折り数えて待っている。最大のエネルギーを注いでいるのが、本社からのVIP出張者のおもてなしである。

中国人スタッフも、その辺りを見透かしていて、一時日本人に面倒なことを言われても、3年もすればいなくなるのだから、と、適当にやり過ごす術を心得ている。日本人は「あまり頼りにできるスタッフがいない」と、嘆きがちだが、昇り龍の中国のマーケットに深く浸透できているかというと、やっぱり微妙である。おもに、日系企業同士、グルグルと仕事を回し合って、輸出品を製造するのがよくあるパターンだ。

結局、日本企業は、人材をその企業特有のカルチャーに染め上げた上でないと使えないのである。それぞれの人材が持つ特有のカルチャーを活かし、新たなビジネスの領域を広げるのは苦手なようだ。「使える人材」よりも「使いやすい」人材が重宝されるのである。その企業特有のカルチャーを撹乱するような抜擢人事をするぐらいだったら、日本人にとって把握可能な範囲で小さくまとまっていたい、というのが本音なのだろう。



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