(仮)日本共産党 松戸市議会議員 うつの史行のブログ

日本共産党松戸市議団 電話:047-366-7403 メール:utuno@wine.plala.or.jp

新年度予算・・・しっかり調査・審査します。

2011-02-18 22:49:34 | 議員活動
3月定例会に向けて配られた新年度予算書です。
これに、ほぼ同じくらいの厚さの予算資料ファイルが追加されます。しばらくはこれと「にらめっこ」です。

次回のブログ更新以降、少しずつ新年度予算案の中身を紹介していきたいと思います。


横にタバコか何かを置けばよかったですね。(吸わないですけど)

「住宅ローン」引き下げられます。

2011-02-17 20:25:58 | お知らせ
今日、「あしたの風」2011年1月号に掲載の「住宅ローンが安くなる」という記事について、市民の方から問い合わせがありました。
この問題について、あらためて整理したいと思います。

09年12月に成立した「金融円滑化法」では、「金融機関は、中小企業者又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合には、できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置をとるよう努める。」旨が規定されるとともに「対応措置の状況及び体制整備等の措置の概要に関する事項等を記載した説明書類を作成し、営業所等に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならないこととする」とされています。
つまり各金融機関には、ローンの借り手などから申し込みがあった場合、貸し付け条件の変更などにできる限り応じる努力義務が課せられているとともに、相談を受けた場合の対応マニュアル・説明書類を、利用者に分かるように用意しておかなければならないということが規定されています。
また金融機関はおおむね6ヶ月に一度は、国に対して相談への対応状況を報告する義務があり、「虚偽の報告」をした際の罰則(1年以下の懲役または 300万円以下の罰金)まで用意されています。
仮に住宅ローンの軽減を申し込んだ結果、「門前払い」されたとすれば、金融機関の努力義務違反となる可能性があるとともに、門前払いしたことを報告書に書かなければ、「虚偽の報告」となる可能性があると考えられます。
行政からのこうした指導に対しては金融機関もかなり気を配らなければならず、その結果として全国で「ローンが安くなった」という経験につながっているのだと思います。

もし住宅ローンが残っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ挑戦してみてください。(そしてぜひ結果報告の情報をお寄せ下さい)


(日本共産党千葉県委員会のビラ)

この問題については「しんぶん赤旗(日曜版)」で、年末年始と特集を組んでお知らせしていました。
「知らなかった」ではあまりにももったいないこうした情報がときどき掲載されますので、ぜひこれを機会にご購読されてはいかがでしょうか?


【お問い合わせ先】
日本共産党 松戸鎌ヶ谷地区委員会 047-349-1544 
しんぶん赤旗 日刊紙:2900円/月 日曜版:800円/月

松戸市立病院建替計画検討委員会(第8回)

2011-02-16 22:21:25 | 議員活動
松戸市立病院建て替え計画検討委員会(第8回)を傍聴しました。委員会自体はあと2回あるそうですが、市長への答申をまとめる作業があるため、実質的な審議はこの第8回が最後のようです。

冒頭、市立病院が果たしている6つの機能・・・第3次救急、小児救急、ガン連携拠点、脳卒中研修、災害指定、第2次感染症指定・・・が確認され、その機能の維持の重要性が確認されました。
その上で、前半では今後の高齢化と患者予測などを含めた病院規模の問題を、後半では東松戸病院の重要性と活性化について議論がおこなわれました。

まず、コンサルタントのアイテックから資料提示と説明がありました。
【600床規模の市立病院現地建て替えについて】
○概算事業費 173億2450万円
内訳
(1)建設費・・・・・・・・・137億9000万円
(2)設計・監理委託費・・・6億8950万円
(3)機材整備費・・・・・・・・・・・・・25億円
(4)諸雑費・・・・・・・・・・・・3億4500万円
※建設費には、土壌汚染対策費、電波障害対策費、アスベ
スト調査および処理費、近隣対策費、各種負担金、ヘリポート設置費等は含まない
※機材整備費については、医療機器で約7割、備品で約5
割は現在のものを移設・継続使用する

○工事中の減収予測
工期一期~三期の75ヶ月間の減収額
・・・31億9034万2124円(これはケース4まで試算した最低額で、最高額は約62億4000万円)


この説明について委員からは、「工事中の減収予測分32億円については借金ということになり、元利償還の合計は45億円くらいになる」という指摘や、「現地建て替えに反対する医師の離職による減収(医師1人あたり年間約1億円)も織り込まなければならない」といった意見が出されました。
また、市立病院のとくに重要とされる3つの機能・・・第3次救急、小児救急、ガン連携拠点・・・の維持には600床規模が必要であるというこれまでの議論に対しては、「平成18年の地域保健医療計画推進協議会の答申では、新市立病院を450床規模としている」「入院の日数(在院日数)を減らせば、ベッド数が少なくてもすむし、収益性がアップする」という声も出されました。

看護師不足の解消については、市立病院事業管理者より「採用年齢基準の緩和や奨学金制度の拡充、院内保育所の充実などで、ここ2-3年は増加傾向にある」ことが紹介され、「新病院開設の3年後には現在の10:1看護体制を7:1(※)に改善できると思う」といった展望が語られました。
(※)患者7人に対して1人の看護師がつくことで、診療報酬がアップする。
***

本郷谷市長は、市長選挙の際に「移転新築はお金がかかりすぎる。現地建て替えなら64億円で可能」というマニフェストを掲げ当選されました。
しかし、今回あらためて示された現地建て替えの案の建設費約138億円という金額は、市長が批判をした移転新築の建設費135億円よりも高くなる計算です。
さらに現地建て替え工事中の減収予測が約32~62億円で、それが新たな借金になるとすれば、「現地が安い」という市長の言葉は丸ごとひっくり返ります。
また、建設工事期間についても新築の2年あまりと比較して、現地建て替えの75ヶ月(6年3ヶ月)というのは長すぎる、と指摘する声もあります。
あと2回の委員会で、市長への答申がまとまることになりますが、その後は答申を受けた市長が新病院の建設計画案を議会に提案し、われわれ議会がその案を審議することになります。
これまでの委員会の議論を見ると、答申内容は何となく予測がつくのですが、それを受けて市長がどのように判断するかは現時点では全く予測がつきません。
市長も、そしてわれわれ議会も、様々なこだわりやしがらみは脇において「市民のために必要な市立病院づくり」という原点に戻り、この問題の議論をしていかなければならないと思います。
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後半は東松戸病院についてでした。
川井前市長の時代に「平成24年に東松戸病院と梨香苑を機能停止する」という提案がされ、私は地域の皆さんとともに存続を求める運動を続けてきました。私の市議選の公約の1つで2010年12月議会でも質問しました。(←クリックすると議会質問中継が再生されます/06:53~)
委員会では、東松戸病院を見学した委員から「東松戸病院は古くて汚いかと思っていたが、本当にきれいだった。手入れされているし、働いている方々もいきいきとして自信と誇りを持って患者に接している病院だと思った」といった感想が語られました。
同時に「回復期リハビリテーションは、松戸市を含む東葛北部医療圏では必要数の半分しかなく、東松戸病院にはそうした機能が求められている」「急性期と慢性期の役割分担により、市立病院の収益改善にもつながっていく。今後の高齢化を考えれば病床数を増やすことも必要」などと、東松戸病院の必要性・重要性を訴える意見が相次ぎました。
***

東松戸病院については昨年12月議会の質問で機能停止提案を白紙撤回させましたが、今日の委員会でも充実を求める意見こそあれ、縮小・廃止という声は出ませんでした。
今後とりまとめられる答申の中で、どのように書かれ、それを市長がどのように受け止められるかは分かりませんが、今後も住民の皆さんと一緒に存続の訴えを続けていきたいと思います。

「あしたの風」2011年2月号

2011-02-15 21:38:17 | あしたの風
活動ニュース「あしたの風」の2月号が完成しました。
「あしたの風」は議員に立候補すると決めた2002年1月からほぼ毎月発行しているニュースで、お宅への投函をご了解いただいた方に発行のたびにお届けしています。
今号からは、お届けする「あしたの風」とは別に「ブログ公開版」を作成しました。内容は同じものですが、ブログ公開という性質上、個人名は伏せさせていただいております。(Aさん、Bさん等)
いつもは裏面に議会報告などを載せるのですが、今回は間に合いませんでした。



なお、今日の予算案説明の中身などについては後日、報告したいと思います。

JAとうかつ中央松戸南支店との懇談

2011-02-14 20:46:45 | 議員活動
今日、みわ由美県議と一緒にJAとうかつ中央松戸南支店との懇談をおこないました。農協側からは支店長が対応してくださいました。



いま政府主導ですすめられているTPP問題(環太平洋戦略的経済連携協定)について、JA全中(全国農業協同組合中央会)から3月末に向けて「TPP交渉に参加しないよう要請する署名」を集めることになっているとのことです。
支店長は「JAがTPPに反対することについて自分たちの組織を守るためではないか、という見方をされる方もおられますが、決してそうではありません」「農業は一度壊されたら再生できません、TPPは環太平洋戦略的経済連携協定という名前ですが、何よりアメリカ経済の為の戦略で、問題は農業だけでなく、医療や金融分野にもおよびます」と話されました。
また「とくに都市農業は固定資産税が高く、1反(991.74平米)で40万円近くになります。農作物がそれだけ売れればよいですが、現状はとても厳しい」「肥料・農薬・機械など様々なコストなどを考えると年間2000万円くらい収入が上がらなければキツイが、実際は1000万円くらいで、ほとんど所得がない」といった実態が語られました。

現在、輸入品に関税がかけられているのは、端的に言うと「国内産業を守るため」です。とくに農業は、国産と輸入農産物との価格差に大きな開きがあるため関税の撤廃は国内農業に壊滅的な打撃を与えると言われています。

2009年の先進諸国の食料自給率は
オーストラリア 173%
カナダ     168%
アメリカ    124%
フランス    111%
スペイン     82%
ドイツ      80%
オランダ     75%
イギリス     65%
イタリア     63%
韓国       44%
日本       40%

・・・です。これがTPP参加によって13%にまで下がるという試算もあります。この試算には様々な見方がありますが、少なくとも「自給率は下がっても上がることはない」ということは言えると思います。

温暖化などによる天候不順や大規模災害・・・オーストラリアではフランスとドイツをあわせた広さの一大穀倉地帯で大規模洪水があったばかり・・・や中国などの経済発展と食料需要増大、投棄マネーによる穀物の価格高騰、さらに今後予想される「円安」が重なれば、「円を積んでも食料が買えない」という時代も・・・。
輸出に頼った経済発展を頭から「問題だ」と言うつもりはありません。しかし、ただでさえ疲弊し危機に瀕している国内産業・農業を犠牲にしてまで突き進むべき道であるとは思えません。
松戸市議会では12月議会で、「日本農業の再生、TPPへの不参加を求める意見書」が賛成多数で可決されています。これは農協の支店長も喜んでおられました。

この問題・・・「さて今日のニュースは、日本がTPPに参加することが決まりました。それではTPPとは何でしょうか、私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか・・・。」などと、「決まってからニュースで詳細を知る」というお決まりのパターンにハマるのないよう、参加前のいまこのタイミングでの国民的議論が必要だと思います。

*****

・・・何だか書き始めると、いろいろな問題に言及しなければならなくなるので、簡略化してしまいました。「今後予想される円安」なんて書きましたけど、これだけでも論文が一つ書けますよね。いずれもっと問題が差し迫ってくると思いますので、またその時に触れたいと思います。キリがないので今日はこのへんで。

志位和夫委員長の予算質疑が話題に

2011-02-12 22:04:57 | 日記
日本共産党の志位和夫委員長が2月2日におこなった衆議院予算委員会での質問が話題を呼んでいます。
日本航空の整理解雇問題について、「経営改善について人員削減についてすべてを否定するものではないが、空の安全を確保することについては、政治が責任を負うべきである」との前置きから質問が始まりました。(ビデオは日航問題の部分です)



この質問については多くの視聴者から反響があっただけにとどまらず、大手マスメディアが志位委員長の質問を高く評価する論説もいくつか見られました。
とくに毎日新聞のコラムでは、以下のように述べられています。

「経済財政危機と雇用不安の濁流渦巻く中で、経済再生と人間の幸福をどう調和させるか。歴史的な課題に一石を投じる質問だった。」(引用 毎日新聞2月7日付 風知草:効率と幸福の間=山田孝男)

質問のこうした視点は、実は日航だけの問題に限りません。
企業が経済効率最優先に走る、ということは当たり前のことであり、どこか一部の企業にのみ「労働者の権利を守れ」と言ったとしても、実現はできません。それ以外の「労働者の権利を守らない」企業との競争に負けてしまうからです。
そこで政治の役割が問われてきます。「労働者の権利を守る枠組み」をつくり徹底をはかること、そしてその枠組みの中で企業の自由な競争を保障すること、これこそが政治の役割であり、同時に日本共産党が主張する「ルールある資本主義」「資本主義の枠内での民主的改革」の一端でもあります。

閉塞した日本社会・経済のなかで、自民党、民主党とも打開の方向性を示せない中で、日本共産党は国民生活および日本経済を立て直す、積極的提案を引き続き展開していきたいと思います。

秋山駅にエレベーターができました。

2011-02-11 22:38:19 | お知らせ
北総鉄道の秋山駅にエレベーターが設置されました。
思ったよりも豪華な装備で、スロープが2つも用意されています。



乗ってみて気づいたのは、「入り口と反対側のドアが開きます」とアナウンスがあるのですが、下がる際は右側、上がる際は左側の扉が開くので不正確です。
ちなみに、松戸駅東口のデッキに上がるエレベーターは、当初アナウンスがなかったのですが、数年前に私が委員会で提案してアナウンスがつきました・・・松戸の場合は「入り口と反対側のドアが開きます」で正解です。

松戸駅西口とホームへのエレベータ、八柱駅、新八柱駅のエレベータ・・・大所がまだ残っています。引き続きがんばります。

↓ 昨年配布したビラです。題名「駅物語」






バイク復活

2011-02-10 16:56:49 | 日記
昨年11月に、力尽き倒れたバイク(駐車してスタンドを立てた場所の土がえぐれて倒れただけ)がようやく復活しました。
夏の暑さ、冬の寒さにも負けず、仕事でもプライベートでも使っていますが、とにかく修理に出しに行く時間がなく、そのままになっておりました。
ようやく復活です。ただ今晩から雪で、しばらく乗れそうにないのが残念です・・・。

もう少し暖かくなったらツーリングに行きたいなぁ、誰か企画していただけませんか?




議員合同研修会に出席しました。

2011-02-09 22:15:19 | 議員活動
今日、柏のさわやかちば県民プラザで「千葉県市議会議長会第4ブロック議員合同研修会」に参加しました。
研修会は毎年この時期に行われており、今回の講師は前高知県知事の橋本大二郎氏でした。

お題は「地方議会の役割~地方から国を変える」です。



橋本氏は冒頭、現在の地方政治が基礎とする「二元代表制」(※)について触れ、その重要性を語りました。
(※)「二元代表制」とは、首長も議会も市民から直接選挙選ばれる制度のことで、首長と議会はその意味において対等の関係であると言えます。
***以下、要約***

国政では衆参で与野党が逆転する「ねじれ国会」であり、当時の福田元首相が「参議院にいじめられている」と嘆いていたが、地方議会ではねじれは常日頃から存在している。
いま一部の地方政治の場において、二元代表制を否定し、首長が主導した「地域政党」を組織して首長の言うことを聞く議会をつくり、地方政治を事実上の「一元代表制」にしようとする動きが進められている。
これが進むと確かに首長にとっては仕事がやりやすくなるが、本来の議会が果たすべき行政の監視機能などが不全に陥る。同時に、カリスマ性を有した首長がポピュリズム選挙(いわば人気投票)によって誕生した場合、その首長が必ずしもすべての分野に長けた人物でない場合、その政策に盲目的に従うだけの議会では歯止めがかからなくなってしまう恐れがある・・・その点において、地方議会において民主主義のためには「二元代表制」がよいと考えている。
***

大阪府や名古屋市がまさにその例であり、松戸でも市長選挙後その危険性が指摘されていましたが、とりあえずは大丈夫そうです。(直後の市議選では、市長は自分を支持する候補者をだいぶ集めたようですが)

考えれば単純なことです。先の松戸市議選でも「本郷谷市長を全面的に支持します」などと宣伝カーを走らせる候補者(当選)がいましたが、「行政の監視機能という議員の役割を放棄します」といって立候補するようなものです。

同時に橋本氏はこう続けました。
***以下、要約***

議員も、自分の選挙区や支援業界、支持者だけに目を向けた活動ばかりしていてはいけない。そうした政治に対して市民のフラストレーションが溜まり、それが爆発することが名古屋や大阪のような結果をうみ、民主主義そのものがおかしくなってしまう。
狭い視野だけの議員活動ではなく、地域全体、日本全体ひいては国際社会の中での地域政治を考えられる議員になるべき。
***

確かに、大阪や名古屋でおきていることは必ずしも「正常な民主主義」とはいえない事態です。
しかしそうした事態を引き起こした根底には、一人のカリスマ性をもった首長が誕生したというだけにとどまらず、議員が広く市民ではなく、自分の周りにしか目を向けない活動を続け、それが市民から見限られつつあるという深刻な課題が横たわっていることを直視しなければなりません。

橋本氏は、日本はいま幕末、第2次大戦後に続く「第3の開国」が迫られており、その中で地方政治が果たすべき役割として、国が地方を縛る中央集権ではなく、地方がそれぞれの実情にあった創意工夫をこらす「地域自立の社会、イノベーション(革新・刷新)の気風を高めること」が必要であると述べました。

2000年の地方分権一括法の施行以来、地方自治体の自主性が求められるようになりましたが、依然として国の縛りはきつく、これにより何か大きな変化が地方にもたらされた、というものではありませんでした。(松戸市では、議会基本条例づくりなどの影響がありましたが)
確かに橋本氏の言うとおり、地方の自主性を重んじることは大切です。私も議会の中で、自主財源の確保としての法定外税の導入(09年9月議会/06:50~)や、上乗せ条例の検討(08年12月議会/03:45~)など、地方の自主性発揮を求める質問を展開しています。(↑クリックすると、議会質問中継が再生されます)

しかし現在の民主党政権が進める「地域主権改革」は、必ずしも地方の自主性を尊重することが目的ではないことに注意する必要があります。
小泉首相の「三位一体改革」では、国が果たすべき責任をどんどん地方に押しつけ、国民の社会保障に対する国の責任は後退しました。民主党が進める「地域主権改革」は、地方自治体が果たすべき責任を今度は「地域」へ押しつけようとするもので、小泉改革の延長上にある改革です。
実際、「地域のことは地域で決める」としていち早く「地域主権改革」を取り入れた自治体では、「これまで行政が担ってきた福祉サービスなどは、地域がボランティアを組織して担い、主な財源は寄付で」などとワケの分からない改革が進められています。

少し前から「自己責任」という言葉が使われ始めましたが、「福祉も自己責任」「地域の福祉が悪いのは地域の責任」という発想が「地域主権改革」の根底に流れています。
「地域主権改革」は、積極面をとれば「地域の創意工夫をいかした政治」と言えますが、反面では「国や自治体の社会保障責任の後退」という危険を孕んでいることに目を向ける必要があります。
「自己責任論」とは、日本国憲法第25条に定められた「生存権」を国が保障して初めて、その上に成り立つ論であり、国が社会保障を放棄して「すべて自己責任だ」という理論は、日本国憲法の上では認められていません。

その点では橋本氏も、「子どもの医療費無料化など、地方間で格差が生じるべきではないものは国が一元的に管理すべきである」と述べていましたので、大きな意見の隔たりははないと思います。

あらためて地方議会の役割・・・とくに「今後の役割」について、現実課題を突きつけられた感じの研修会でした。
橋本大二郎先生、ありがとうございました。