在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ボーカ 1985” カンティーナ・デイ・カステッロ・コンティ

2008-06-21 02:07:39 | Piemonte ピエモンテ
“Boca 1985” Cantine dei Castello Conti –Piemonte
ボーカをもう一つ。
ラベルの写真も撮れなかったし、品種もわからずだが、ベースはもちろんネッビオーロ。
ヴィンテージが1985年。バローロでもなくバルバレスコでもないピエモンテのネッビオーロがどれだけ持つか。。という興味深いワイン。

色は、当然ガーネット色だが、かなりきれい。透明感があり、輝きのある色合い。オレンジがかった感じはまだ出ていなく、かなり若く見える。
香りは、これも当然だが、変化がかなり大きい。臭みが出ている。野菜、豆の煮物風??ミネラル、ヨード、鉄、キーナ、柑橘、丁子とオレンジ、ブラックのカカオ、バルサム臭などなど。でも、決して疲れていない。
味は、酸がかなりすごい。タンニンはすでにまろやかになっているし、そうでなくても隠れてしまうくらいの酸。後味は割と長いが、最後まで酸味が残る。
もともと酸味が多いワインだし、想像するより長く持つのだと思う。まだ全然疲れていないし、あと5年くらい、または、それ以上たって飲んでみても面白いと思う。
こういうマイナーなワインでこの出来というのは嬉しいし、ピエモンテの偉大さの違う一面が垣間見えたような気がする。

”ボーカ 2004” レ・ピアーネ

2008-06-21 02:00:05 | Piemonte ピエモンテ
“Boca 2004” Le Piane –Piemonte
ゲンメ、ガッティナーラ周辺の北のネッビオーロの産地の中では一番北に位置するボーカ。
DOCGではなく、DOC。
ネッビオーロは45-70%使用可、と言うことは、ネッビオーロ100%では造れないということである。
他、ヴェスポリーナを20-40%、そして、ウーヴァ・ラーラを加えることができる。

なのに、何故かこれはネッビオーロ85%、ヴェスポリーナ15%という。
まあ、あまり細かいことは気にしないようにしよう。。
色は、かなり濃いめで、しっかりしたルビー色の印象。やや暗めの色調はガーネットに近い。
香りは、オレンジ。オレンジ。オレンジジュース。シチリアのブラッドオレンジという感じ。ピエモンテのこんな北のワインからシチリアのオレンジの香りが感じられるなんて、ワインは本当に不思議なものである。。
それから、なんとなく、トイレの香り、と言ったらかなり失礼だが、柑橘系の芳香剤を思わせる感じがあった。(生産者さん、ごめんなさい。。)それから、何とは言えないが野菜系の香り。他は、花と薬草、革、腐葉土など。
味は、思ったよりするっと入り、しかし、酸が際立つ。タンニンが隠れるくらいである。後味は割と長くきれい。
30ユーロ以上の値段はちょっと高いが、それだけの価値はある個性的なワイン。