在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”クェルチェゴッボ 2001-2006” ペトラ 1

2009-04-18 17:49:36 | Toscana トスカーナ
“Querciegobbo 2001-2006” Petra 1 -Toscana

超モダン、超ド派手なワイナリーのペトラ。南米の神代の昔の神殿を思わせる、と言ったら言い過ぎ??何段あるのか知らないが、一番上からはきっと畑の全貌が見えるのだろう。
フランチャコルタの有名なベッラヴィスタの、トスカーナのワイナリーである。1997年創設、トスカーナでは新興産地にあたるスヴェレートに位置する。
ボルゲリのガヤのワイナリーもそうだが、何もない所に十分な資金をつぎ込み、計算されつくした箱を造るので、条件の悪いところで頑張っているワイナリーにはうらやましい話だろう。

ワイナリーは清潔が第一、もちろん、不潔なワイナリーはご免だが、古くて伝統のあるワイナリーには良い家付き酵母が付いている。ペトラのような新しくて、モダンで、超清潔なワイナリーに良い家付き酵母が付くようになるのはいったいいつのことか、と思うが、むしろ、良くも悪くも家付き酵母がワインについてもらったら困る、と思っているのだろうから、根本のコンセプトが違うということがわかる。。。

メルロー100%のクェルチェゴッボ。
色はどれも、もちろんかなり濃い。爪に若干透明感がある年もあるが、モダンできれいな色。
2001年(点数7)
ひたすらモダン。熟したフルーツ、赤と黒の木の実、ドライプルーンなど。タバコ、葉巻、カルダモンに加えて、コケ風の緑と、鉄分、錆びの香りがある。
ボディは当然あり、タンニンは柔らかくなっている。そして、強烈な塩味。かなり塩辛い。
初リリースの年とのこと。樹はまだ若い。

2003年(点数7+)
香りがやや弱め。バルサム臭、ミネラルにミントの香り、花の香り、香草など。
ボワっと口の中に入る。2001年と違って酸味がかなりあり、タンニンもある。そこで、全体のバランスがとれているのだが、最後若干消えてしまう。
2003年はひたすら暑い年で、そこにこれだけの酸味。添加を疑うが、まああまり突っ込まないことにしよう。。。

2005年(点数8)
ボディがあり、緑の香りが強くエレガントでもある。ヴィッショレ(酸味の強いサクランボ)、鉱物的香り、バルサム臭、キーナ、コケ、血、ブラッドオレンジが少々。複雑性があり、とても良い。
やわらかく、しかし、程よい酸味を持ち、タンニンの存在感もあり、持続性もよい。そして、何よりも、今まさに飲み頃です!と言っている感じ。

2006年(点数8-)
甘く、サクランボの香りが際立ち、ちょっと甘すぎ。ミント、ミネラル、香草などもある。お披露目されたばかりのヴィンテージと言うが、まだ若すぎ。
塩味が先に出て、他を隠してしまう。深見は感じるし、良いのだが、バランスが取れる状態になるにはまだもう少しかかるだろう。

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