在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ピン 2004、 2000” ラ・スピネッタ 1

2009-04-07 23:23:29 | Piemonte ピエモンテ
“Pin 2004, 2000” La Spinetta –Piemonte (点数8.5+、8-)
もう、モダンなワイナリーは個人的にあまり好きではないが、ラ・スピネッタは許そう。
ジョルジョ・リヴェッティ氏は、結構好きである。
その昔、リヴェッティ氏の試飲会に参加した時からすると年をとったわけだが、ラ・スピネッタらしいフィロソフィーは一応まだ健在である。もっとも、有名になりすぎで、一時ほどのエネルギーは見られないように思うが。

ラ・スピネッタの試飲会に行った。と言ってもお金を払わなかったのだから、招待していただいた方が近いかも。
リヴェッティは遅れてくること50分。日本なら、主催者は真っ青になるところだろうが、イタリアではまあこれもあり。初めてましょ、ということで、30分遅れで試飲会は始った。

今でこそ、ラ・スピネッタというと、バルバレスコ、バローロで有名だが、もとは、モスカートを造っていたワイナリーである。それを知っている(知識ではなく感覚と経験で)人の方が少ないような気がする。
そのころ、モスカート・ダスティ、アスティ・スプマンテ=スーパーで売っている安くて甘い発泡性ワインのイメージで、クリスマスに飲む定番だった。(今でもだが。。)
ところが、リヴェッティ氏のモスカートは、こんなにおいしいモスカートが存在するなんて!という感じだった。
発泡はやや弱め、甘さと酸味が心地よく、何種類か出ているうち、ブリッコ・クァリアが一番好きだったが、一番手に入りやすかったビアンコスピーノはよく飲んだものだ。
そして、ピン。そのころは、値段も安く、よく友達のお呼ばれに持っていったものだ。
値段も手ごろ、持って行って、気を使わず、しかし恥ずかしくない値段、そして、ローマの人は、トスカーナワインを飲むことの方が多いので、そうでなくピエモンテ、しかし、バローロのように気取らず、モダンで、誰もがおいしいと納得できる味と香り。
そう、当時は、品質、値段、知名度、受けなどなどを総合すると、個人的にかなり上位にランクされていたワインだったのである。
ところが、ラ・スピネッタがどんどん有名になり、ユーロ導入の値上げ(便乗値上げ?)により、あれよあれよという間に、高根の花になり、お呼ばれに持っていくにはちょっと高い?という値段になってしまった。(現在40ユーロ程度?)

というわけで、久々に飲んだピン。(ただし、古いのがまだ家にあるような気がする。。)
2004年.
色はピンらしく濃い。香りはかなりきれいで華やか。これもピンらしい。よく熟したフルーツの甘さ、森の木の実、ブルーベリー、マラスカ(ブラックチェリーの一種)、バラ、スミレのドライ、バルサム臭、鉄分、甘いスパイス、リコリースにユーカリ風の緑の香り、薬っぽい香りも少々あり。味はまだ若い感じで、まろやかな中に繊細なタンニンがしっかり。そして、酸がきれいである。ボディもあり、最後はカカオ風でバルサム臭がかなり残り、華やかさの王道を行く感じ。
2000年.
バルベーラの割合が多いそうな。
色はまだガーネット色できれい。やや閉じている感じだが、そこはかとなく野菜臭。そして、フルーツのコンフィ。アニマル臭もやや目立つ。タンニンはまろやかで、ボディもあるし、華やかさもあるのだが、2004年と比べるとだいぶ控え目。

ところで、昔はネッビオーロ、バルベーラ、カベルネ・ソヴィーニンのブレンドだったが、今はカベルネは入っていない。また、ブレンド比率も毎年微妙に変わっている。

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