バルトュス展
クイリナーレのスクーデリエにて
クイリナーレ、正確にはスクデリーエつまりクイリナーレ宮殿(現大統領官邸)の元厩舎となる建物で、10月からバルトュスの展覧会が開かれている。
クイリナーレで行われる展覧会はかなり質が良い。場所もゆったりしているし、見応えがあるものが多いので有名である。
実はこの展覧会は2カ所に分かれての展示というのが触れ込みで、もう1箇所はローマのメディチ家の別荘、つまりスペイン階段の上からすぐのところ、現在のフランス・アカデミーとなっている建物。
こちらはまだ行っていないので、終わるまでに行かなくては。
ちなみに、ヴィッラ・メディチのフランス・アカデミーはバルトュスが生前所長を務めていたというところでもある。
ローマでこれだけ大々的なバルトュスの展覧会が開かれたのは初めてではないかと思う。
バルトュスは、フランスの画家として知られているが(と思っていた)父親はポーランドの貴族、母親はロシアのユダヤ人らしい。
そして、日本と馴染みがあるのは、日本の女性と結婚していたということかもしれない。
50代で20歳の女性と出会い結婚、子供(娘)もいて、年の差婚のハシリらしいが、2001年、夫の死後も夫人はまだ健在。
クイリナーレは10のテーマに分かれ、見応え十分。
ルーブル美術館でほとんど独学で絵を模写していたというバルトュスの、マサッチョ、ピエロ・デッラ・フランチェスカのコピーから作品が展示されている。
さらっと写した作風がいい。
「道」は、1929年と33年の2枚があり、面白い比較ができる。何人かの登場人物は同じで、脇役に結構な変化が見られ、興味深い。
そして、今回のポスターにもなっている「忍耐」。圧巻。
いよいよ猫の登場。「猫の王様」「地中海の猫」、そして、ポルノか少女愛か、と思わせる作品多数、デッサン、習作も多く展示されている。
風景画も多数あり、色の使い方が心に安定を、静寂が心に響く。
浴室での裸の少女。決していやらしくはない。
イギリス風の縦線の壁紙、ソファー、鏡、窓などがキーワードか。
登場する人物は概して頭が大きく、上半身が小さく、足が長いところから、マンガチックと思えなくはないのだが、違う。これが均整取れている人物であるなら印象が全く違ってくる。一瞬デフォルメされている、しかし、その色使い、そして、遠近法はとても正確で安心して見られるところなど、天才、の文字が頭に浮かぶ。
少女が片足を折ってソファーに座っている絵など、足元から見ればパンツ丸見えだが、ポルノではない。
地面に肘をついて四つん這いになっている少女も、同じ角度から見ればやはりパンツが見えそうだが、いやらしくはない。
この年頃ならパンツが見えることなんて気にしない、だから、堂々とこんな格好ができてしまうし、そういえば私も、何も考えずにしていたかもしれない、と思ったり。
ただし、今ならスカートを履かない少女も多いと思うので、ズボンやジーンズでは絵にならないよね、と思ったり。うーん、きっと魅力半減。(それ以前に絵にならない?)
ある意味、少女も含む女性が、スカートを捨てズボンを履き始めたというのは、アート的に取り返しのつかない大きな損害かも知れないと思ったり。
2016年1月31日まで。ぜひ。
クイリナーレのスクーデリエにて
クイリナーレ、正確にはスクデリーエつまりクイリナーレ宮殿(現大統領官邸)の元厩舎となる建物で、10月からバルトュスの展覧会が開かれている。
クイリナーレで行われる展覧会はかなり質が良い。場所もゆったりしているし、見応えがあるものが多いので有名である。
実はこの展覧会は2カ所に分かれての展示というのが触れ込みで、もう1箇所はローマのメディチ家の別荘、つまりスペイン階段の上からすぐのところ、現在のフランス・アカデミーとなっている建物。
こちらはまだ行っていないので、終わるまでに行かなくては。
ちなみに、ヴィッラ・メディチのフランス・アカデミーはバルトュスが生前所長を務めていたというところでもある。
ローマでこれだけ大々的なバルトュスの展覧会が開かれたのは初めてではないかと思う。
バルトュスは、フランスの画家として知られているが(と思っていた)父親はポーランドの貴族、母親はロシアのユダヤ人らしい。
そして、日本と馴染みがあるのは、日本の女性と結婚していたということかもしれない。
50代で20歳の女性と出会い結婚、子供(娘)もいて、年の差婚のハシリらしいが、2001年、夫の死後も夫人はまだ健在。
クイリナーレは10のテーマに分かれ、見応え十分。
ルーブル美術館でほとんど独学で絵を模写していたというバルトュスの、マサッチョ、ピエロ・デッラ・フランチェスカのコピーから作品が展示されている。
さらっと写した作風がいい。
「道」は、1929年と33年の2枚があり、面白い比較ができる。何人かの登場人物は同じで、脇役に結構な変化が見られ、興味深い。
そして、今回のポスターにもなっている「忍耐」。圧巻。
いよいよ猫の登場。「猫の王様」「地中海の猫」、そして、ポルノか少女愛か、と思わせる作品多数、デッサン、習作も多く展示されている。
風景画も多数あり、色の使い方が心に安定を、静寂が心に響く。
浴室での裸の少女。決していやらしくはない。
イギリス風の縦線の壁紙、ソファー、鏡、窓などがキーワードか。
登場する人物は概して頭が大きく、上半身が小さく、足が長いところから、マンガチックと思えなくはないのだが、違う。これが均整取れている人物であるなら印象が全く違ってくる。一瞬デフォルメされている、しかし、その色使い、そして、遠近法はとても正確で安心して見られるところなど、天才、の文字が頭に浮かぶ。
少女が片足を折ってソファーに座っている絵など、足元から見ればパンツ丸見えだが、ポルノではない。
地面に肘をついて四つん這いになっている少女も、同じ角度から見ればやはりパンツが見えそうだが、いやらしくはない。
この年頃ならパンツが見えることなんて気にしない、だから、堂々とこんな格好ができてしまうし、そういえば私も、何も考えずにしていたかもしれない、と思ったり。
ただし、今ならスカートを履かない少女も多いと思うので、ズボンやジーンズでは絵にならないよね、と思ったり。うーん、きっと魅力半減。(それ以前に絵にならない?)
ある意味、少女も含む女性が、スカートを捨てズボンを履き始めたというのは、アート的に取り返しのつかない大きな損害かも知れないと思ったり。
2016年1月31日まで。ぜひ。