としのブログ

大工の とし の日々の出来事

続・裏金

2015-07-21 22:22:34 | 日記
先日簡単な治具で研ぎ直した宗秋の裏金でいつもの杉を削ってみました。
色々な実験で深く掘れた逆目部分を削ってみるも、



まだわずかに新しい逆目を掘っているようです。



削っていて、鉋屑が裏金の2段刃部分の土手を乗り越えている感触があります。

裏金の事は今まできちんと考えたことがなく、今回頭の中を整理してみました。
まずは現状の確認から(笑)。

仕込み勾配は、



ん?俺この台8分5厘勾配で打ったみたい。んん?
まあそれはそれで良しとして、裏金の治具に当たる面。



ん?ということは45度から75度の角度で研がれている2段刃の角度は、台下端に対して120度!
これって台下端に対しては30度のオーバーハングですよね?
切れ刃裏に対しては80度。
んんん?なんかあまりにも無理やり鉋屑を曲げすぎてないかい?
つーかここまで曲がらんのじゃなかんべえか?

kuniさんからは角度はあまり重要ではないとはアドバイスを頂きましたが、どうにも気になります。
ということで、簡易治具を45度に作り直して、2段刃が台下端に90度になるように研ぎ直してみました。
(台下端に対して90度が良さそう、というのではなくて基準としてわかりやすいのでね)



宗秋の実験はまだですが、(現場で切れ刃をだいぶ欠いてしまったのさ。涙)
現場使いの小鉋で杉の集成板の木端削りをした結果は非常に良好。
たまたまなのか?逆目も起こさず艶も上がってます。
出てくる屑もきむけんさんに出された課題、虹のような鉋屑になってますよ~。

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4 コメント

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Unknown (きむけん)
2015-07-21 23:12:49
としさんお疲れ様です(^^)
先日はお節介な事をしてしまいすみません(^-^;
自分がやっている事を送っただけですので、角度がどうとかは解りませんが、虹屑は削るスピードとかにも左右されますが、虹が立てば完璧?のような気がします。
もちろん逆目を止めるのが目的ですが…(笑)
私的な意見なので、自分も追求していきます(笑)
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Unknown (kuni)
2015-07-22 20:23:47
 前にも書きましたが、裏金で逆目を止めるというのは鉋屑をぐにゃりと曲げることで圧縮をかけて先割れを防ぐので台シタバからの角度ではなくあくまで裏との角度=裏金先端自体の角度でいいのです。60度か75度程度の範囲で間違いではないですよ。ただあまり角度が大きくなってくると圧縮が強過ぎて仕上がりが悪くなってはきます。
 逃げ角2~3度でいいのは杉白太や杢の場合で全般においてそれでいいわけではないのです。杉白太を完璧に仕上げて削れる距離って数十尺でしょう?どうせそれしか仕上げられないのなら長く削るためのセッティングではなく、とにかく逆目を止めてかつ粉も吹かずに削れる様にというのが逃げ角数度ということです。
 でも一般的な削りにおいては逃げ角は10度程度は有った方がいい。それは逃げ角があまりにも少ないと刃が摩耗して行った時に刃先の逃げ面側が材表面を大きな面積で摩擦していまうので結果引きが重く、上から押さえつける力も必要になるので引き心地が悪いんですね。
 逃げ角が10度程度あると長い距離において「カカリ」がいい訳です。

 
 
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Unknown (とし)
2015-07-22 20:55:21
きむけんさん、おせっかいなんてとんでもないです。ものすごく参考になりますよ。
気が向いた時でいいので、ぜひまた動画お送りください。
動画、俺も挑戦して送りますので添削お願いします(笑)。
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逃げ角 (とし)
2015-07-22 21:16:21
kuniさん、こんばんは。
裏金の土手の角度についてですが、承知しました。あくまでも切れ刃裏からの角度を考えれば良いわけですね。75度では圧縮が強すぎると考えたのは下端からの角度を基準に考えてしまった為ですが、現場使いの寸4鉋ではかなり裏の効きが良くなっています。(恐らく土手の幅を増やした効果が大きいのだと思います。)
それから言葉足らずでしたが、鎬の角度を起こすのは対杉用の刃だけのつもりです(笑)。自分の研ぎでは杉のシラタが完全に切れてくれるのは20尺ほど(涙)。
現場での研ぎでは研ぎ時間短縮のため刃先だけを研ぎ進めていくので2段刃の部分が研ぐたびに幅広になる研ぎをしてしまっています。(翌朝早起きして刃の形をリセットするのが大変です。)
杉のシラタ・杢板以外の逃げ角の考え方はやはり10度程度は必要なんですね。
掛かりの悪化や鉋台の浮き上がり(突き上げ?)感は実感したことがあります。

kuniさんのお話を伺うと、自分の考察の浅はかさに気が付きます。
木を削るということ、完全に自分の物にするのはまだまだ先が永そうです。
楽しみが長く続くのは良いんですが、早いとこごまかしなしでどんな材でも仕上げられるようにならなくちゃまずいですね(笑)。
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