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としのブログ

大工の とし の日々の出来事

欠ける刃

2015-10-08 20:44:49 | 日記
先日から行っている、天然砥石の上での天然の砥粒を使ったラッピングもだいぶ慣れてきました。
上手くいくと、



こんな風に刃返りの少ない刃に仕上がるんですが、刃によっては、



こんな風に欠けが入ります。
裏刃だと、



こんな感じ。
錆びのピンホール跡による欠けとは違うようなので、少々追及していました。
研いでみたのは、



これと、



これと、



これ。
どの刃も少しずつですが、必ず欠けが出ます。



こんな風に。
どの段階で欠けが出ているのか?工程ごとにマイクロスコープを覗くこと数回。
どうやら最終仕上げの前の段階で欠けが出ているようでした。
具体的には8000番での返り取りの段階で。
いろいろ試すとどうやら中砥の段階の傷の深さなのかと思いつき、
欠けの残る刃を8000番で欠けが無くなるまで2段研ぎ。



裏は、



欠けも収まり新たな欠けの発生もなし。
無双、薫壽は以前から欠ける刃だとわかっていたので(どちらも一裏使っていない新品だからね)
新しい刃にありがちな刃毀れだと思ったんですが、キ運壽は今まで調子が良かっただけに謎です。
キ運壽の裏は、



先端だけが当たるように中砥で先から1ミリほどの所まで漉き取るように研いで、
裏の当りも良くなっているはずなんですがねえ。



この刃はやっぱり欠けることなく研げているんで、明日からは良い印象を持っている刃を順番に研いでいきます。
ちなみにWAの粉で刃先を強制研磨するとあの程度の欠けはすぐに無くなり新たな刃毀れもないです。
天然のラッピングであの欠けを落とすほど研ぎこむと刃先がダレて刃線は揃っても厚い刃になるようです。
刃の性質とあきらめて、欠けの出やすい刃は人口の砥粒で強制研磨、そうでない刃はより繊細な刃付ができる天然、と切り替えた方がいいのかなあ。
えっ、あきらめるのが早いって?(笑)

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kuni)
2015-10-11 12:40:29
 一枚目の写真の刃の切れ味はどうだったんでしょうね?よく研げているように見えますが。
 研ぎ上がりが欠け気味の刃って結局は薄削りのような場面では、あまり深追いしても意味がないように感じます。別な用途での活用法を探った方がいいようですよ。この辺はほんとに難しい、いまだに完全解明出来ていません。
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一枚目の (とし)
2015-10-12 07:40:37
kuni さん、
アドバイスのお蔭で一枚目の刃のように研げる割合が増えてきています!
あの刃ですが、紙コバへの刺さりも非常によく、欲をかいて久々に米ヒバを出して数値狙いをしたのですが、、、。
材の狂いがひどく、この刃でならし削りをしてしまったため(バカです)、6ミクロン程度まででした。
仕込みの甘さもあって刃が材に潜った感もあり、台の調整も必要みたいです。
(刃は薫壽銘の炭素鋼です。)

細かい欠けの出る刃ですが、原因の内でも単純な一つはハッキリわかりました。
(今度の記事でアップします。)
その他の原因はサッパリなので、kuni さんの言うように薄削りとは違う用途で使おうかと思います。
同じように研いでも欠けない刃もあるので、刃物選びも技術の内なのかも?ですかねぇ(笑)。
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薫壽 (イェンセン)
2016-10-01 08:26:58
初めまして、イェンセンと申します。友達から鉋の刻印について調べて欲しいと頼まれたのですが、専門ではないのでかなり困っています。調べている鉋はここのページに載っている3点です:

https://hillbillydaiku.com/2016/09/29/kanna-blade-identification-can-you-help/

そこで「薫壽」を検索してみたところ、このページにたどり着いたのですが、上記のリンクにある鉋について何かお分かりでしたら是非教えていただけますか?

よろしくお願いします。

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薫壽について (とし)
2016-10-07 19:14:29
イェンセンさん
はじめまして。
私の知識では三木で作られた刃のように感じますが、
それ以上はわからないです。
ごめんなさい。

すべて金物問屋のつけた名前の鉋刃の様ですので、
販売に関係した方でないと詳細はわからないかもしれませんね。
お力になれずすみません。
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Unknown (イェンセン)
2016-11-01 13:19:43
お返事ありがとうございました。助かりました。
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