お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

なんたってクマさん

2011-03-04 | my Anthology
カンフー・パンダならぬカラテ・ベア。ん~、やっぱりカワイイ!

クマは子どもに大変人気のある動物キャラクターです。犬や猫のようなファミリーペットではありませんが、でも、たとえば「ぬいぐるみ」といえば、なんと言ってもクマさんがダントツの人気ものではないでしょうか? 実際には野生のクマはかなり獰猛で、時には人間を襲うこともあるということを考えると、これはなかなかに興味深い現象です。ともあれ、クマさんの人気は根強く絶大! ぬいぐるみだけでなく、絵本やテレビやラジオにもしばしは登場し、またゲームにもたくさん出てきて活躍しています。

カリフォルニアの旗にはグリズリーベアがいますし、カリフォルニア大学のマスコットはクマなので、UCバークレーの学生のニックネームはベア(Bear)。卒業生には卒業年次をつけてたとえば「Bears 09(2009年の卒業生)」と呼びます。そんなアメリカの日常生活とクマとのかかわりを、昨年5月に『クマさんは世界のアイドル』と題してご紹介しました。そこで、今日は絵本に出てくるクマさんをラインナップしてみましょう。

思いっきり両手を広げてギュッと抱きしめるのを「ベアハグ(Bear Hug)」といいます。心からの親しさや同情を表す時、また小さい子への愛情を思いっきり表現するとき、気さくなアメリカ人はこの大きなハグをします。子どもはこれをしてもらうのが大好き! だから、みんなにやさしくしてあげよう!と思った女の子は、みんなにこの大きなハグをしてあげました……という絵本『Hug a Bug』の表紙で女の子がぎゅっと抱きしめているのは、いかにもやわらかそうな大きなクマのぬいぐるみです。ぬいぐるみのクマと言えばまっさきに思い浮かぶのが『コーデュロイ(Cordury)』でしょう。誰か買ってくれないかなぁ……とデパートで待ちくたびれていたコーデュロイを買ってお家に連れて帰ってくれたのも女の子でした。

日本では動物園でしか見たことがなかったアライグマも、カリフォルニアでは野生で走り回り、住宅街にも頻々と出没します。いたずらで庭や畑あるいは納屋を荒らしたり、ペットの水を飲んでしまったり、雑食の大食漢でゴミ箱もあさったりするので結構嫌われ者。でも、家族仲が良く、親子で一列になって歩いているのを見ると、やっぱり「あら、かわいい!」。絵本にもしばしば家族で登場します。たとえばぐずる子どもをお母さんが学校まで送ってくれるお話『お母さんのキス(The Kissing Hand)』や、『さぁもう寝る時間ですよ(Bed Time for Frances)』とお父さん、お母さんに言われる「まだ眠くない」子どものお話は、アライグマが主人公です。

クマさんが家族で登場する絵本の古典はといえば、ロシア民話の『さんびきのくま』。あまりによく知られている絵本なので、このブログではご紹介する機会を逸しましたが、日本語や英語だけでなく世界中で出版されています。

赤ちゃんが最初に出会う絵本でもクマさんが大活躍です。日本発絵本の永遠のヒット作、松谷みよこさんの「いないいないばあ!」も表紙はクマさんですし、アメリカの赤ちゃんのベストフレンドといえば『こぐまちゃん(Little Bear)』。”動物紹介”絵本にも、クマさんがセレブ動物の一員として表紙に登場しています。『赤ちゃんのための動物の絵本(My Big Animal Book)』。比較的新しくて誰でも知っているのは……というと、きっとビル・マーティンのくまさんでは? 娘と私の愛読書だったのは「はたらくクマさん」のシリーズです。『ゆうびんやのクマさん(Teddy Bear Postman)』「せきたんやのクマさん」「パンやのクマさん」「うえきやのクマさん」は、どれもいかにもイギリス風に古風に律義にはたらくクマさんのお話。何度も繰り返して読んだなつかしい絵本です。

さて、エキゾチックなクマと言えばパンダです。映画『カンフー・パンダ』が人気ですが、子ども相手に禅を説くユニークなパンダも人気者です。『だんZen楽しめる 禅(Zen Shorts)』。一方、地球温暖化などの影響で絶滅が心配されているシロクマは、今や環境問題のシンボル。環境問題を子どもに解説する絵本には、シロクマが表紙に登場しています。

最後に私が一番好きなクマの絵本は……。子どもたちがお父さんと空想のクマ狩りに出かけるお話『音響効果満点のアドベンチャー(We Are Going On A Bear Hunt)』 です。作者のマイケル・ローゼン自身が朗読のパフォーマンスをYouTubeにアップしています。子どもならずとも、ちょっと聞き入ってしまいます。お試しください。






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