お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ここにもふたご!そこにもふたご!

2011-03-09 | from Silicon Valley


エクスプロアラ―・プリスクール(Explorer Parent Participation Preschool)のコニ―先生は、例えば「ひとつ買ったら、ひとつタダ(Buy One, Get One Free!)」なんてバーゲン広告が大嫌い。「たとえジョークでも、二つのものを『ひとくくり』にするなんて、絶対ダメ!」と固く信じています。それもそのはず、受け持ちの4歳児クラスには、ふたごの生徒がいるからです。それも1組ならず、全部で6組、12人! クラスは全員で25人ですから、なんと!クラスの半分がふたご!

「もちろんふたごだからって、取り違えたり呼び間違えたりなんて絶対にしません。だって、子どもたちひとりひとりときちんと向き合って、ひとりひとりの個性をしっかり理解するのが私の仕事ですもの!」とコニ―先生はこともなげに言います。さらに「両親も、ふたごたちの個性を尊重して、きちんと別々に対応しなければならないはず。それを助けるのも私の仕事です。私の方が、子どもたちの個性や違いを理解しやすい立場にいると思いますから」と自信に満ちて言いそえます。さすがプロ!("One Teacher, Six Sets of Twins" San Jose Mercury News 2011年2月15日)

確かにアメリカでは、ふたごもひとりずつの個性を尊重し、独立した人格を主張させるように育てます。このブログでもそんな絵本をご紹介しました(ブログ記事:『それぞれにユニーク』)。

シリコンバレーはしばらく前からベビーブ―ムです。このブログにも書きましたが、「貧乏人の子だくさん」なんて揶揄されたのは今は昔。年齢もやや高いかわり、両親とも高学歴で、お金にも時間にも余裕がある、そういうカップルが続々と子育てを始めています。一昔前には、統計的にも実感的にも「ひとりっこ」が多かったのですが、最近は統計的にも3人以上のきょうだいが主流だと言われています。(ブログ記事:『シリコンバレーはベビーブーム』)。また妊娠・出産のエンジニアリング:不妊治療の進歩も子だくさんに拍車をかけていて、ふたご、年子の出産も増えていますし、実子がいても養子をもらう家庭も少なくありません。(ブログ記事:『…されど家族』)

こんな21世紀のベビーブーマーたちの両親は、そろって教育熱心。評判の良いプリスク―ルがあると聞けば赤ちゃんが生まれた途端に申し込み、1歳にならないうちから毎日のようにさまざまなおけいこごとに通うのが、最近の常識です。

さてエクスプロアラ―・プリスクールで、同学年に6組ものふたごが集まったのは、必ずしも偶然ではありません。6組のふたごの親子たちは、実は、早くから地元の「ふたごクラブ」などで一緒に子育てしてきた仲間同士なのだそうです。

アメリカは、何によらず民間NPOの活動が盛んな国ですが、子育て支援のNPOもたくさんあります。たとえばふたごの場合、The National Organization of Mothers of Twins Clubs(全米ふたごの母の会)があり、全国475の地域支部(いわゆる「ふたごクラブ」)に2万人以上のメンバー(親たち)をたばねています。会のホームページから自分の家に近いクラブを探すこともできますし、また会のサポートで新たに支部を起こすこともできます。HPの冒頭には『ふたご?みつご?よつご?いつつご?もっと?』の問いかけとともに「素晴らしいマルティプルズ(Multiples 多胎児)の子育てにようこそ!」と題した明るい歓迎の辞が掲げられ、「ふたごだって‥‥どうしよう‥‥上手に育てられるかしら?」と心配しながらホームページを開いた親も、一挙に明るい気持ちになって「ふたご!二倍嬉しいかも!」と感じられそうです。(http://www.nomotc.org/)





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