お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

お母さんのキス

2009-02-19 | about 英語の絵本

The Kissing Hand

アライグマのチェスターは学校に行きたくありません。おうちにいたいと、お母さんに駄々をこねて泣いています。

親なら、誰でも一度は経験したことがありそうな、よくある光景。親の方が時間に追われていたりすると、つい「何をぐずってるの!さっさと行きなさい!」なんて叱ってしまいそうな場面です。

でも、チェスターのお母さんは叱りません。

「いやでも、やらなきゃいけないことっていうのがあるのよ。それに、最初はいやだと思っても、案外、だんだん好きになれるものよ」と諭すように言いながら(この「静かに諭す」というのは、アメリカの親が常に理想とすべき、とわれている対応のしかたです)、チェスターの手をとって指を大きく広げさせると、掌の真ん中にちゅっとキスをして、さらに言いました。「さみしくて、おうちが恋しくなったら、この掌を頬っぺにあててね、『お母さんは僕が大好き!』『お母さんは僕が大好き!』って自分に言い聞かせてごらん。そうしたら、もう寂しくないわよ。」

お母さんはチェスターの掌をギュッと握らせて「お母さんのキス、なくさないように気をつけてね!」と茶目っ気たっぷりに言い、それから急いで「食べ物を洗う時には掌を開いても、お水にぬれても大丈夫よ」と言い添えました。手を洗わなかったら大変!洗えないからってごはんを食べなかったら、もっと大変ですもの!

チェスター?もちろんその夜から学校に行きましたとも(夜行性なので、アライグマの学校は夜なんです)。それだけではありません。学校まで送って行ったお母さんに、行ってきますを言う前に素敵なプレゼントまでくれたんですよ。さて、そのプレゼントって・・・?

日本では動物園でしか見たことのなかったアライグマですが、シリコンバレーでは住宅街でも町中でもときどき野生のアライグマを見かけます。春から初夏にかけての子育ての時期には、特によく「家族づれ」に行き会います。

以前住んでいたアパートでは、深夜、人気のないプールでアライグマの一家が泳いでいるのを見てびっくりしました。大学に勤めていたころは、残業で遅くなるたびに、駐車場でアライグマの親子連れを見かけました。いつも家族一緒で、一番大きい、お父さんと思しき姿を先頭に、真中に3匹の子どもをはさんで、最後尾にお母さん(お父さんよりちょっと小さいので、勝手にお母さんでは・・・と想像)がつき、5匹が一列に並んでいつも整然と移動していました。あれって、もしかすると、学校に行くところだったのかもしれませんね。



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