A Book of Sleep
作者から「お母さん、お父さんへ」という献辞のついた絵本です。作者のイル・スン・ナ(Il Sung Na)はあまり寝ない赤ちゃんだったのでしょうか?
暗い夜に、ぱっちり大きな目を見開いているフクロウの絵が表紙になっている絵本「眠りの本(A Book of Sleep)」は、日が暮れて、夜になったところからお話が始まります。
空が暗くなり、月が輝きを増して、みんな眠っています…
でも、ひとりだけ、フクロウはパッチリ目覚めています。
静かに眠っているのもいれば…
大きないびきをかいて眠っているのもいます。
立ったまま眠っているのもいれば…
眠ったまま動いているのもいます。
なかには目を開けたまま眠っていたり、まばたきもしないのも…
ひとりで眠っているのも、大勢一緒に眠っているのもいます。
でも、朝になって、空が青くなって太陽が輝くと、みんな目覚めます。
……いえいえ、ひとりだけ例外が…
お話はここでおしまい。おしまいですが、でも、1日が終わって、また夜になると……と言って、最初のページに戻って読みなおせば、何度でも繰り返して読めそうな絵本です。
夜の情景の描写のせいか色味を抑えた幻想的な色調ですが、全体にのどかで明るい感じさえするのは、動物たちが皆おだやかで優しい表情をしているからでしょうか。
見開きいっぱいに描かれたイラストに、ごくごく短いテキストだけ。小さい赤ちゃんと一緒に、ベッドタイムに眺めるのに(読むと言うより、眺める感じ)最適です。繰り返して読めるという点でも、おやすみなさいの絵本にぴったりではないかと思います。
そうそう、この絵本。いくつかバージョンがあるらしく、表紙の絵がそれぞれに違っています。アマゾンで紹介されている絵本は、フクロウが左を向いていて、おまけに頭の上に「ZZZZ…」と書かれているデザインで、このブログの今月の絵本にリストアップしている表紙なのですが、私の持っている絵本はフクロウが右向きに描かれていて、頭の上の「ZZZZ…」は、なし。作家もいろいろイタズラするんですね。