このイラストは私のblogの読者様であり、
イラストレーターでもあられる
snowdrop様に描いていただいた作品です。
#13イラストのリクエスト〜『板垣退助』 - snow drop~ 喜怒哀楽 そこから見えてくるもの…
(snowdrop様のblogリンク先)
Snowdrop様
素晴らしいイラストをありがとうございました。
心から感謝いたします。
第45話 最終回
同1891年(明治24)、
退助は立憲改進党、大隈重信と会談、
民党連合を形成、連携した。
その後の民党連合と政府の官吏党は、
議会運営で対立を深める。
第二議会に於いて自由・改進両党は
多数派を形成した。
そして政府提出議案を悉(ことごと)く否決、
対抗する政府は直ちに議会を解散する。
そして品川内務大臣が政府系機関を動員、
民党に対する選挙干渉を行う。
買収、暴漢を使った警察官による脅迫、
政府と関係する銀行、商社員、
取引ある商工業者への投票妨害、
選挙投票所前での暴漢奔走の威嚇行為。
この結果、多数の有力民党議員が落選した。
それでも妨害にめげず、
依然として多数派を形成する。
その後も民党への干渉は続き、
自由党のみならず、立憲改進党も深手を負う。
結果立憲改進党は求心力を得るため
立憲革新党・大手倶楽部や国権派と合同し
進歩党を結成した。
進歩党は政府に近づき、次第に自由党は
孤立化する。
1896年(明治29)自由党はついに
第二次伊藤内閣に協力する道を選んだ。
退助は内務大臣として入閣する。
そのことが世間の批判を浴びた。
内務省とは、警察など治安維持を含む
統制を職務とする部署でもあり、
自由党などの民党は
その弾圧を受ける立場だった。
当然退助の入閣は
裏切り行為にしか見えない。
但し、退助のその選択は
決して裏切りを企図したものではない。
むしろその逆であった。
思い出して欲しい。
退助は土佐藩時代、
当時失脚中だったが、
弾圧を受け、逮捕された
土佐勤王党の武市瑞山を助けるため、
ワザワザ審理する役目の
大監察 (大目付)に復帰しているのだ。
退助は決して土佐勤王党の過激な行為を
支持してはいなかった。
だが同じ尊王攘夷思想を持ち
命がけで戦った彼らを
何としても守ってやりたい。
彼らを国の宝として考えた。
だから自分が失脚した身であろうが
藩の方針に逆らおうが、
守るべき者たちは何としても守る。
それが退助の生涯を通じての
姿勢であり、人柄である。
だから今回も自由民権運動を守るため、
自ら取り締まりの本丸に飛び込み、
彼らを守る。
それは退助にとって当然の行為。
だが、そんな退助の本心を
見抜けない世間は、
退助を批判、攻撃した。
『板垣退助は政府が施す
内務大臣という飴に喰らいつき、
自由を奉ずる者たちを売った。』
曰く、
「自由死すとも、板垣死せず」と。
当時の新聞等での退助は、
伊藤博文、大隈重信と共に
風刺界の大スターであった。
無責任な風刺に晒された退助。
けれども、
一切の言い訳をしていない。
真意を自らの行動で証明する。
余計な言い訳は見苦しい。
内務大臣として退助は善戦した。
だがアウェーでのその努力は、
所詮「独り相撲」に過ぎない。
第二次松方内閣でも留任したが、
その辺が限界だった。
次第に立場を失い内務大臣を辞任、
真意を理解されないまま、
1897年(明治30)無念にも
自由党総理も辞任した。
だが退助はそれだけでは終わらない。
信念を持ち、命がけで行動してきた者とは
そんな軽い存在ではない。
彼の存在はあまりにも大きく
抜けた穴は誰も埋められないのだ。
1898年(明治31)
今度はそれまで対立していた
進歩党と合同し、
憲政党を立ち上げた。
この時退助は、
総理大臣就任を打診されている。
しかし、彼は
「それはワシの柄じゃない。」
と云って断っていた。
何とも勿体ない話である。
政治家の誰もが目指す
総理大臣の地位を蹴るなんて。
しかし退助にとって
そんな名誉の地位に興味はない。
自分の主義を通すための立場を確保し、
道具として利用する。
何としても彼らを守る。
その目的を果たすために
またしても内務大臣に就任。
弾圧阻止に執念を燃やした。
この時の内閣を有名な
『隈板内閣』(わいはんないかく)と呼ぶ。
日本初の政党内閣であった。
(それまでの内閣は、表向き政党を装うが
藩閥組織の域を出ていない。)
しかし、所詮水と油。
国権派が牛耳る旧進歩党と
旧自由党は内紛に明け暮れ、
たった4か月で崩壊、総辞職した。
そして1900年(明治33)
立憲政友会設立を見届け、
退助は政界を引退する。
引退後は機関紙を発行したり、
華族の世襲禁止の活動に従事するなど、
最後まで自由と平等と人権の確立のため
戦い続けた。
そして1919年(大正8)7月16日
肺炎のため薨去。
享年83(満82歳)であった。
ここであるエピソードを。
退助は一切の財産を投げ打ち、
自由民権のために供じたため
次第に追い詰められ生活苦に陥る。
1911年(明治44)
維新の功により拝領した
備前長船盛重の名刀を
人を介して密かに売ろうとした。
「これはどこで手に入れたのか?」
とその刀を持ち込んだ人に問うと、
最初はためらったものの
その者は、
「実は板垣伯から君(茂丸)を名指しで、
『買い取ってもらうように』
と頼まれて持参した」と打ち明けた。
驚いた杉山茂丸は、
「この刀は伯が維新の際にその功により、
拝領したものだと聞いているが…」
と嘆息する。
この後、
「板垣ほどの者が
これほど困窮しているのだから」
と山縣有朋に説いて、天皇や元老から
救援金が出るようはからった。
(Wikipediaより)
何処までも頑固で決して信念を曲げない男。
弱い者に慈愛の心をみせ、
強い者を決して恐れない。
(ただし、女性には弱かったが。)
生涯、この国に自由と平等と人権を
確立させるため、戦い続けた。
国会議事堂中央広間には、
議会政治の功労者である板垣退助、
大隈重信、伊藤博文の銅像が鎮座する。
だが、台座はその3つだけではない。
(画像は参議院様より借用)
銅像がおかれていない
台座がひとつ存在する。
空席の台座。
それは、退助や重信、博文の
志を継ぐ者のためにある。
志を持ったあなたを待っているのだ。
「こりゃ!〇〇!!」
幼い頃、そうやって叱られまくったあなた。
そして私。
銅像を建てて貰うという
地位や名誉のためではなく、
自分の戦いに志と信念を持つ。
その生き様に誰もが共感する。
そんなあなたの行動を待っている。
空席の銅像には、
そうした願いが込められていると思う。
最後に退助が受けた
『自由死すとも板垣死せず』
の風刺を、自分流にこう理解している。
即ち、
『今、そして今後に於いて、
自由を圧殺する者が出てきても
ワシ(退助)が撒いた種により
意思を継いだ者が必ず現れる。
自由が何度死んでも、
必ず不屈の意思で復活させる。
ワシが死んでも
ワシの意思は死なん。』
天国で先に逝った象二郎たちと、
あの世のお菊の店から見ています。
おわり
銅像がおかれていない
台座がひとつ存在する。
空席の台座。
それは、退助や重信、博文の
志を継ぐ者のためにある。
志を持ったあなたを待っているのだ。
「こりゃ!〇〇!!」
幼い頃、そうやって叱られまくったあなた。
そして私。
銅像を建てて貰うという
地位や名誉のためではなく、
自分の戦いに志と信念を持つ。
その生き様に誰もが共感する。
そんなあなたの行動を待っている。
空席の銅像には、
そうした願いが込められていると思う。
最後に退助が受けた
『自由死すとも板垣死せず』
の風刺を、自分流にこう理解している。
即ち、
『今、そして今後に於いて、
自由を圧殺する者が出てきても
ワシ(退助)が撒いた種により
意思を継いだ者が必ず現れる。
自由が何度死んでも、
必ず不屈の意思で復活させる。
ワシが死んでも
ワシの意思は死なん。』
天国で先に逝った象二郎たちと、
あの世のお菊の店から見ています。
おわり
板垣退助さんのお話し、とても勉強になりました。最近ブログ始めたばかりで、途中からの投稿しか拝読してませんが、少し難しい話と絹子さんとの話は、興味深く読ませて頂きました。次なる連載投稿、楽しみにしてます。
こんにちは😃
とうとう最終回❗
結成、対立、解散
目まぐるしく様々なことが起こり
自由党が孤立化し
火に油を注いだわけじゃないけれど
退助は、伊藤内閣に協力する道を選んで
内務大臣になったことが
裏切り者と見られてしまって😱
なんですね😣
退助の働き、人物を考えるなら
素晴らしいよね〜
失脚中であっても、逆らうことになっても
守るべき者たちを守ろうとする姿勢❗
自由民権運動を守るために
本丸に飛び込んでまで守ろうとする
でも世間は
退助の行為を見抜けず
>『板垣退助は政府が施す
内務大臣という飴に喰らいつき、
自由を奉ずる者たちを売った。』
曰く、
「自由死すとも、板垣死せず」と。
そんな酷いことを言ったんだね😣
マスコミも悪いよね😫
でも言い訳せず
>真意を自らの行動で証明する。
余計な言い訳は見苦しい。
なんと素晴らしい❗
だけど
>第二次松方内閣でも留任したが、
その辺が限界だった。
次第に立場を失い内務大臣を辞任、
真意を理解されないまま、
1897年(明治30)無念にも
自由党総理も辞任した。
残念な結果に、なってしまったんだね😫
勿体ない気がする‥
世間を恨みたくなるよ😣
おまけに総理大臣の地位を蹴るとは(@_@;)
せっかくのチャンスだったかもしれない!
もし総理大臣になってたとしても
世間で煽られたこと考えると
やはり難しかったかもしれないね😖
退助としては、名誉ある地位よりも
自らの信念を押し通すを選んで
内務大臣になり
それが
日本初の政党内閣
『隈板内閣』と呼ばれるものが
誕生したのですね😲
でも、上手く行かず‥
政界を引退することになった😞
しかし
退助の心は諦めず
引退後は別のかたちで
自由と平等と人権のために
戦い続けた❗
最後まで‥❗
退助という人物
困窮して名刀を売ろうとした
そこまで自由民権運動に身を捧げてた
板垣退助の情熱❗
駆ける思い❗
凄いね〜\(◎o◎)/!
興味深いのは
台座❗
空席の台座😲
>それは、退助や重信、博文の
志を継ぐ者のためにある。
志を持ったあなたを待っているのだ。
「こりゃ!〇〇!!」
銅像を建てて貰うという
地位や名誉のためではなく、
自分の戦いに志と信念を持つ。
その生き様に誰もが共感する。
そんなあなたの行動を待っている。
空席の銅像には、
そうした願いが込められていると思う。
なるほどね〜
志を受け継ぐ者のためにある❗
作者の言葉
>最後に退助が受けた
『自由死すとも板垣死せず』
の風刺を、自分流にこう理解している。
即ち、
『今、そして今後に於いて、
自由を圧殺する者が出てきても
ワシ(退助)が撒いた種により
意思を継いだ者が必ず現れる。
自由が何度死んでも、
必ず不屈の意思で復活させる。
ワシが死んでも
ワシの意思は死なん。』
天国で先に逝った象二郎たちと、
あの世のお菊の店から見ています。
素晴らしい🙌🌸✨🎵
その志、強い意志
貧しい民に自由と人権を❗❗
失ってはいけない
何世代に渡っても継ぐべきもの
ですね🎵
退助は最後まで、その意志を貫き通した❗
名前は知ってたけれど
どういう人物だったか、までは
全然知らず
凄い人なんだろうな〜という感じだけ
捉えてきてたけれど
こうして読み解いていくと
改めて、また凄い人物だと思います❗
uparupapapaさん
最後まで書き上げてくださって
お疲れ様でしたm(_ _)m🌸✨🎵
最後まで楽しく読ませていただきました😆❗
ほんと良かったです❗
お疲れ様でした〜☕🍺🍹🎂🎉🎊
こんにちは😃
最後までご覧頂き、ありがとうございました😊
ようやく肩の荷が降りた様な気がします。
連載方式でスタートしようと思った時は、
最終回まで漕ぎ着ける事ができるか不安でした。
誰からも見向きもされず、心が折れてしまい、
自然消滅するかもしれないという危機感がありました。
でも途中で放り出さず、必ず最後まで描き切ると心に決めました。
今まで応援していただいた皆様には、心より感謝しております。
もちろん、snowdrop 様には、
毎回力の源になる様なコメントまで頂き、
足を向けて寝られない思いです。
この御恩は決して忘れません🙇🏻
感謝の気持ちを込めて
いつかイラストのご依頼をさせていただきたいと思います。
と言っても、人様に依頼できる程、
立派な作品に取り掛かれるかは
お約束できませんが。
この物語のタイトル〜自由死すとも退助死せず〜のフレーズは、
既にスタートさせる前の構想にありました。
最初から最終回で意図を表そうと決めていました。
『退助死せず』が『板垣死せず』に変わっていますが、
それもこの物語の最初の設定上、想定内の割り切りでした。
物語の最後に言いたい事を書けてよかったです。
次回作は全くの未定で、
この最終回の周知期間を終えた後は
暫くはこのblogも放置状態になります。
でも、一日一回は足跡やコメントのチェックはするつもりですので、
もし良かったらこれからも何気ない日常の事など
コメント頂けたら幸いです。
私もsnowdrop 様のblogに時々お伺いしますので、
これからもどうぞ宜しくお願いします😃
いつもありがとうございました😊
コメントありがとうございます😊
歴史物はどうしても内容が難しくなる傾向がありますので、
できるだけ硬くならない様、苦心しました。
途中からと言う事ですが、
最終回までお付き合いいただき心より
感謝いたします。
次回作がいつになるかわかりませんが、
その時はまた宜しくお願いいたします。
本当にありがとうございました😊
これだけ難しい文章を書けるなんて、頭の中はどうなっていらっしゃるのか…スゴイですね〜(@_@;)
退助の、まわりに言い訳というか、何も言わないで自分の信念に従って、周りがなんと思おうと、方向性などが違う人でも助けが必要と思えば助ける方法を見つけ出してまで助け…そういう、損得考えず自分の意志で行動するところ共感します。
というのも、私がそういうタイプなので(*´ェ`*)しょっちゅう損してるので(笑)…でも、わかるわ〜と思ってしまうんです。
まあ、私の事はともかくですが、やっぱり、世間にばかり融合する人達が浅はかだと思う私にとっては、こちらの小説が、退助のような人が格好いということを証明してくれているような気がするので嬉しいです。
ただ最近は、少しは自分を守るようになりました。年齢かな(笑)
また、退助と女性のやり取りが面白くて引き込まれました♪
出来る人は恋愛もたくさんするとか…そういうのもありますよね?
多すぎますが(-_-メ)でも、やっぱり、そういう場面があると楽しくて読んでしまいました!
文庫化なったら買いますね。
楽しみにしてます♪
コメントありがとうございます😊
ようやく最終回にこぎつけました。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございます😊
私は頭の回転が遅く、気が利かない性格ですので、
ジックリ考えて描く文章は、性に合っていると思います。
しかし、『難しい文章』は、ネットの資料(主にWikipedia)を
参考にしているので、それ程苦労はしていません。
むしろ創作の会話やエピソードを捻り出す方が苦心しています。
特に退助と登場する女性達とのやり取りには、
ワンパターンにならないよう工夫しました。
それでもお菊の店でのシーンなど、私の力不足を痛感しています(^ ^;
この物語で一番言いたかった事は全て網羅できたので、
作品の出来栄えはともかく、
やり続けた意義は達成できたものと自負しています。
物語はこれで終了しましたが、
usagi-nikki様の blogには
今後も引き続き時々お邪魔させていただきたいと
思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
こんばんは。
素晴らしい長編!
お疲れ様でした。
とても勉強になりました。
新しい展開を楽しみに致します。
コメントいただき、ありがとうございます😊
また返信が遅くなり申し訳ございませんでした。
次回作はまだ考えてもいませんが、
面白い発想や題材が見つかったら
取り掛かろうと思っています。
現在『小説家になろう』という投稿サイトに
『こりゃ!退助!!』と、
前作の『シベリアの異邦人』を出品しています。
もしよかったらこちらも覗いてみてください。
私の作品以外にも力作がたくさん見つかると思います。
今までご訪問くださり、誠に有難うございます。
コメントいただき、ありがとうございます😊
また、返信が遅くなりました。
申し訳ございませんでした。
第一話から、最終話の全45作。
最後までお付き合いいただき、
誠に有難うございます。
私は今、小説投稿サイト『小説家になろう』に
『こりゃ!退助!!』と、前作の『シベリアの異邦人』
を出品しています。
もしよかったら、こちらも覗いてみてください。
私の作品の他にも力作がたくさん出ています🤗
既存の出版物に負けない意欲作が見つかると思います。
尚、因みに私の作品のURLを貼付しても、
たどりつけない仕組みになっているようなので、
このコメントコーナーからはこれ以上ご紹介できません。
検索エンジンから『小説家になろう』と入力していただき、
サイト内検索で小説のタイトルを入力していただくと、
たどりつけます。
今までお付き合い頂き、ありがとうございました😊
次回作はまだ着想にも至っていませんが、
そのうちまた始めようと思っています。
その時はまた、是非よろしくお願いいたします。