◆「判決は紙くず」と切り捨てる恐ろしさ
オランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海における中国の主権を否定した。
中国が岩礁を埋め立てて造成した
人工島周辺の排他的経済水域(EEZ)や大陸棚も認めなかった。
中国の完全な敗北である。中国はこれから、どんな行動に出るのだろうか。
中国は6月13日、判決について「無効で拘束力がない」とする白書を発表した。
外務次官は「判決は紙くず」と酷評している。
判決前も戴秉国・前国務委員が同じ言葉を使って批判していたので、
中国はどうやら「判決は紙くず」論で片付ける作戦のようだ。
日本や米国、オーストラリアなどは
中国に判決受け入れを求める声明や談話を出している。
こちらも予想通りの展開である。
主権の主張や人工島建設がいくら国際法無視の行為であっても、
だからといって日米などに法を守らせる強制力はない。
あくまで違法行為を非難する国際包囲網を築いて、中国に圧力を加えていく。
米国は軍が南シナ海を定期的にパトロールして、中国の主張を実態的に崩していく。
これに日本など各国も海と空から支援していく。当面はこれ以外の方策はない。
先にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議では、
フランスも欧州連合(EU)加盟国に対して
南シナ海に海軍艦艇を派遣するよう呼びかける考えを表明した。
欧州はこれまで距離を置いてきた感があったが、
ここへきて南シナ海問題は他人事ではない、と懸念を強めているようだ。
欧州勢の参加が実現すれば、日米欧豪が対中包囲網で協調する展開になる。
加えて直接の当事者であるフィリピンやベトナム、マレーシア、シンガポールなど
中国に距離を置く東アジア各国も対中圧力を強めていくだろう。
―中略ー
◆ヤクザと同じ発想
習近平政権は発足直後から一貫して太平洋、東シナ海とその上空、
南シナ海と縄張りの確保と拡大を目指してきた。
当初は「新型大国関係」というキャッチフレーズの下、
米国と合意の上での縄張り分割を持ちかけたが、
それに失敗したので、実力で南シナ海を奪いにきたのだ。
こういう経緯を見れば、
習政権が仲裁裁の判決が出たくらいで簡単に引っ込むと期待するほうがおかしい。
縄張り拡大こそが習政権の本質といっていいからだ。
なぜ、それほど縄張り拡大に執着するのか。そこは諸説がある。
ー中略ー
単純に彼らは「自分の縄張りを大きくしたいのだ」
と理解すればいいと思っている。ようするに、ヤクザと同じである。
ヤクザは縄張り拡大が即、利益拡大と思っている。
それと同じで、習政権も「縄張り拡大が国益拡大」と信じているのだ。
こういう考え方は、私たちとはまったく違う。
日米欧をはじめ民主主義国は世界が相互依存関係にあることを理解している。
自分の繁栄は相手の繁栄あってこそ。
自国にとって貿易相手国の存在が不可欠であり、
逆もまた真なり、と信じているから、
互いの平和的関係を強化していく。
そこでは平和と繁栄は一体である。だが、中国はそう考えていない。
「オレはお前の縄張りを尊重するから、お前もオレの縄張りを尊重しろ」。
中国はそれが共存共栄と考えているのだ。
けっして相互依存関係にあるとは思っていない。
相手に隙あらば自分の縄張りを拡大したい。
いま南シナ海で起きているのは、本質的にそういう事態である。
米国が南シナ海で航行の自由を完全に維持しようと思えば常時、
空母を2隻は現地に派遣しておかなければならない、と言われている。
だが米国にそんな余裕はないので、
間隙を突いて中国はせっせと人工島に滑走路を建設してしまった。
◆かつての日本がそうだった
ヤクザに法の順守を説教しても始まらないのと同じように、
中国に「法を守れ」と叫んでみても何も変わらない。
相手の考え方、信じている生存の原理が根本的に違うからだ。
習政権が信じているのは、法規範ではない。文字通り「力」に他ならない。
思い起こせば、かつての日本もそうだった。
満州事変の後、
日本は国際連盟が派遣した現地調査委員会(リットン調査団)の報告に同意できず
1933年9月、国際連盟を脱退した。
ー中略ー
国際連盟は各国に法の支配に従わせる力を欠いているので、
いずれ世界戦争は不可避である。
そうだとすれば、中国はいずれ列強の草刈り場になるから、
日本も次期大戦に備えなければならない。
そういう考え方が満州事変後の連盟脱退、2.26事件、
さらに盧溝橋事件から日中の全面戦争へと発展していったのだ。
これは、まさにいまの中国ではないか。
法の支配などといっても、
中国を国際法に従わせる強制力や権威は仲裁裁にはもちろん、
日米欧にもない。そうであれば、やはり力がモノをいう。
習政権はそう信じているのだ。
いまや中国は自国も批准した国際海洋法条約などどうでもいい、
紙くず程度にしか考えていないのではないか。
そうであれば、一方的に条約の枠組みから脱退する可能性だってありえなくはない。
そうなれば、まさにかつて国際連盟から脱退した日本と同じである。
その先にあるのは何だったか。
最初は小さな武力衝突がやがて本格的な戦争に発展したのだ。
日本の新聞やテレビはおずおずとして、
はっきり言わないから、私がこのコラムで言おう。
いま中国は戦争への道を走り始めたのではないか。
まさに「歴史は繰り返す」である。
そうならなければいいが、ならない保証はどこにもない。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49175
-現代ビジネス 2016年07月15日(金) 長谷川 幸洋-
ニュースソースの原稿が長かったので途中
何か所か省略した。
私は何度か対中国のコラムを日記にアップしているが、
長谷川 幸洋氏の意見と一致しているので、この記事も
敢えて取り上げてみた。
自分と全く同じ見方をする人をみつけると嬉しくなる。
内容が内容だけに、手放しで喜べる訳もないが、
日本人全体が同じ危機感を共有し、
事の大きさに対し、真剣に対処すべきと思う。
私の言いたいことは、すでに日記で何度も紹介している。
更にこの記事でも、余すことなく伝えられているので
敢えてまた繰り返すことも無いだろう。
要するに中国と云う国家は『ヤクザ』であり
正論による説得など無意味だ。
かつて日本も同じ道を歩んでいる。
ただし日本は『ヤクザ』と云うより
当時の列強からの脅迫感が招いた暴走と理解すべきだろう。
歴史の教訓が年表に残した事実を
中国は盛んに批判し、反日を貫いている。
しかし現状の中国の姿勢と行動は、かつて日本がたどった
戦争に繋がる危険な道を
今度は中国自身がが再現しようとしている点で
愚かさを丸出しにしたヤクザ国家の本質を
全世界に晒しているではないか。
日本は戦後、戦争を引き起こし、
周辺国に多大な迷惑をかけたことを反省し
生まれ変わった。
そして憲法前文が謳った
「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思ふ。」との言葉通り、
世界中に名誉ある地位を築きあげてきた。
それは、ただひたすら日本人が努力したからだけではなく、
日本人の素養・民度が成せるワザでもあった。
しかし中国人にはそれが無い。
戦争の恐怖と危険性の他、
戦後の中国人の扱いを考えても、いつまでも、いつまでも
ただ手を焼かせるだけのチンピラ界から抜け出せぬ
低素養の民族を、世界は持て余すことだろう。
中国の2チャンネル、百度(パイドゥ)や微博(ウェイボー)で
日本人の素養に対し、「学ぶべきである」とのコメントを度々見るが、
一向に向上している様子が見られない。
多分、いくら真似ようとしても無理だろうと思うオヤジが一句。
元々の 素養無くして 真似は無理
お粗末。
オランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海における中国の主権を否定した。
中国が岩礁を埋め立てて造成した
人工島周辺の排他的経済水域(EEZ)や大陸棚も認めなかった。
中国の完全な敗北である。中国はこれから、どんな行動に出るのだろうか。
中国は6月13日、判決について「無効で拘束力がない」とする白書を発表した。
外務次官は「判決は紙くず」と酷評している。
判決前も戴秉国・前国務委員が同じ言葉を使って批判していたので、
中国はどうやら「判決は紙くず」論で片付ける作戦のようだ。
日本や米国、オーストラリアなどは
中国に判決受け入れを求める声明や談話を出している。
こちらも予想通りの展開である。
主権の主張や人工島建設がいくら国際法無視の行為であっても、
だからといって日米などに法を守らせる強制力はない。
あくまで違法行為を非難する国際包囲網を築いて、中国に圧力を加えていく。
米国は軍が南シナ海を定期的にパトロールして、中国の主張を実態的に崩していく。
これに日本など各国も海と空から支援していく。当面はこれ以外の方策はない。
先にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議では、
フランスも欧州連合(EU)加盟国に対して
南シナ海に海軍艦艇を派遣するよう呼びかける考えを表明した。
欧州はこれまで距離を置いてきた感があったが、
ここへきて南シナ海問題は他人事ではない、と懸念を強めているようだ。
欧州勢の参加が実現すれば、日米欧豪が対中包囲網で協調する展開になる。
加えて直接の当事者であるフィリピンやベトナム、マレーシア、シンガポールなど
中国に距離を置く東アジア各国も対中圧力を強めていくだろう。
―中略ー
◆ヤクザと同じ発想
習近平政権は発足直後から一貫して太平洋、東シナ海とその上空、
南シナ海と縄張りの確保と拡大を目指してきた。
当初は「新型大国関係」というキャッチフレーズの下、
米国と合意の上での縄張り分割を持ちかけたが、
それに失敗したので、実力で南シナ海を奪いにきたのだ。
こういう経緯を見れば、
習政権が仲裁裁の判決が出たくらいで簡単に引っ込むと期待するほうがおかしい。
縄張り拡大こそが習政権の本質といっていいからだ。
なぜ、それほど縄張り拡大に執着するのか。そこは諸説がある。
ー中略ー
単純に彼らは「自分の縄張りを大きくしたいのだ」
と理解すればいいと思っている。ようするに、ヤクザと同じである。
ヤクザは縄張り拡大が即、利益拡大と思っている。
それと同じで、習政権も「縄張り拡大が国益拡大」と信じているのだ。
こういう考え方は、私たちとはまったく違う。
日米欧をはじめ民主主義国は世界が相互依存関係にあることを理解している。
自分の繁栄は相手の繁栄あってこそ。
自国にとって貿易相手国の存在が不可欠であり、
逆もまた真なり、と信じているから、
互いの平和的関係を強化していく。
そこでは平和と繁栄は一体である。だが、中国はそう考えていない。
「オレはお前の縄張りを尊重するから、お前もオレの縄張りを尊重しろ」。
中国はそれが共存共栄と考えているのだ。
けっして相互依存関係にあるとは思っていない。
相手に隙あらば自分の縄張りを拡大したい。
いま南シナ海で起きているのは、本質的にそういう事態である。
米国が南シナ海で航行の自由を完全に維持しようと思えば常時、
空母を2隻は現地に派遣しておかなければならない、と言われている。
だが米国にそんな余裕はないので、
間隙を突いて中国はせっせと人工島に滑走路を建設してしまった。
◆かつての日本がそうだった
ヤクザに法の順守を説教しても始まらないのと同じように、
中国に「法を守れ」と叫んでみても何も変わらない。
相手の考え方、信じている生存の原理が根本的に違うからだ。
習政権が信じているのは、法規範ではない。文字通り「力」に他ならない。
思い起こせば、かつての日本もそうだった。
満州事変の後、
日本は国際連盟が派遣した現地調査委員会(リットン調査団)の報告に同意できず
1933年9月、国際連盟を脱退した。
ー中略ー
国際連盟は各国に法の支配に従わせる力を欠いているので、
いずれ世界戦争は不可避である。
そうだとすれば、中国はいずれ列強の草刈り場になるから、
日本も次期大戦に備えなければならない。
そういう考え方が満州事変後の連盟脱退、2.26事件、
さらに盧溝橋事件から日中の全面戦争へと発展していったのだ。
これは、まさにいまの中国ではないか。
法の支配などといっても、
中国を国際法に従わせる強制力や権威は仲裁裁にはもちろん、
日米欧にもない。そうであれば、やはり力がモノをいう。
習政権はそう信じているのだ。
いまや中国は自国も批准した国際海洋法条約などどうでもいい、
紙くず程度にしか考えていないのではないか。
そうであれば、一方的に条約の枠組みから脱退する可能性だってありえなくはない。
そうなれば、まさにかつて国際連盟から脱退した日本と同じである。
その先にあるのは何だったか。
最初は小さな武力衝突がやがて本格的な戦争に発展したのだ。
日本の新聞やテレビはおずおずとして、
はっきり言わないから、私がこのコラムで言おう。
いま中国は戦争への道を走り始めたのではないか。
まさに「歴史は繰り返す」である。
そうならなければいいが、ならない保証はどこにもない。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49175
-現代ビジネス 2016年07月15日(金) 長谷川 幸洋-
ニュースソースの原稿が長かったので途中
何か所か省略した。
私は何度か対中国のコラムを日記にアップしているが、
長谷川 幸洋氏の意見と一致しているので、この記事も
敢えて取り上げてみた。
自分と全く同じ見方をする人をみつけると嬉しくなる。
内容が内容だけに、手放しで喜べる訳もないが、
日本人全体が同じ危機感を共有し、
事の大きさに対し、真剣に対処すべきと思う。
私の言いたいことは、すでに日記で何度も紹介している。
更にこの記事でも、余すことなく伝えられているので
敢えてまた繰り返すことも無いだろう。
要するに中国と云う国家は『ヤクザ』であり
正論による説得など無意味だ。
かつて日本も同じ道を歩んでいる。
ただし日本は『ヤクザ』と云うより
当時の列強からの脅迫感が招いた暴走と理解すべきだろう。
歴史の教訓が年表に残した事実を
中国は盛んに批判し、反日を貫いている。
しかし現状の中国の姿勢と行動は、かつて日本がたどった
戦争に繋がる危険な道を
今度は中国自身がが再現しようとしている点で
愚かさを丸出しにしたヤクザ国家の本質を
全世界に晒しているではないか。
日本は戦後、戦争を引き起こし、
周辺国に多大な迷惑をかけたことを反省し
生まれ変わった。
そして憲法前文が謳った
「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、
名誉ある地位を占めたいと思ふ。」との言葉通り、
世界中に名誉ある地位を築きあげてきた。
それは、ただひたすら日本人が努力したからだけではなく、
日本人の素養・民度が成せるワザでもあった。
しかし中国人にはそれが無い。
戦争の恐怖と危険性の他、
戦後の中国人の扱いを考えても、いつまでも、いつまでも
ただ手を焼かせるだけのチンピラ界から抜け出せぬ
低素養の民族を、世界は持て余すことだろう。
中国の2チャンネル、百度(パイドゥ)や微博(ウェイボー)で
日本人の素養に対し、「学ぶべきである」とのコメントを度々見るが、
一向に向上している様子が見られない。
多分、いくら真似ようとしても無理だろうと思うオヤジが一句。
元々の 素養無くして 真似は無理
お粗末。