下高井戸シネマで鑑賞
ドロンにブロンソンにミフネ夢の競演
三船敏郎、2人に全然負けてないカッコよさ
最後に生き残ったのはブロンソンだった
う〜んマンダム(わかる?笑)

伊丹十三映画祭4作目、『マルサの女2』(1988)。
個人的意見として、伊丹作品の絶頂期はデビューからの3作で、その後はだんだん落ちていくような気がする。
もっとも最後のほうは見ていないので何とも言えないのだが。
とにかく最初の3つは文句なしに面白かった。
『マルサの女2』も面白いけれども、途中ダレる部分があって、やはり1作目の方がよかったと思う。
ちょうどバブル期の地上げ全盛の頃に新宿で勤務していたため、地上げの実態をけっこう目の当たりにした。
またオウム真理教が選挙に出て、新宿のあちらこちらで演説しているのも、このころだった。
地上げと宗教法人を描こうというあたり、伊丹監督はやっぱり目の付けどころが違う。
それにしても、笠智衆さんが画面に出てくると、とたんに癒されますな
神保町シアターの「没後10年 原節子をめぐる16人の映画監督」で『河内山宗俊』(1936)を見てきた。
天才と言われる映画監督・山中貞雄の作品で、現在見ることができるのは3つしかない。
3作とも配信やDVDで見てはいるのだが、映画館では今回初めてだ。
たとえ画質が悪くても、セリフがよく聴きとれなくても、映画館でフィルムで見るということに意義がある、ような気がする今日この頃。
この映画は昭和11年のだから、うちの母が4歳の時だ。
ということは、もしかしたら、うちの祖父母なんかが公開時に見に行ったのかも知れない。
そういうことを祖父母と話したことがないので、今となってはわからないが。
ともかく時代を超えて、昔の人々が見たのと同じものを、今自分が見ているのだなーと思うと、フィルムや映写機が今でも存在する幸せを感じずにいられない。
たぶん近い将来、フィルムで映画を見ることはできなくなるのだろう。
映写機が壊れたら、もう修理できないらしいから(本当にそうなのかは知らないが)。
天才山中監督の映画を映画館で見られる喜びを感じながら、他の2つも早いうちに見ておかなくてはならないと思った。
伊丹作品3作目『マルサの女』(1987)。
映画としてもちろん面白いしよくできている上、ごく個人的な思い出もあって、とても好きな作品である。
『タンポポ』と同じくらい好き。
数十年ぶりに見て、懐かしくてたまらなかった。
この映画に関しては、けっこう細かいこともよく憶えているんだなー。
宮本信子さんは役柄によって全然違うキャラになっているのが素晴らしい(特にこの映画のキャラ)。
何度も見て知っているのに、2時間7分、全く集中が切れることなく見ていた。
伊丹十三映画祭は大盛況で、土日と平日の夜はかなり席が埋まっている。
昨日はいち早くプレミアムシートをゲットしたので、たいへん快適に鑑賞できた。
1000円追加となるが、一度この席で見てしまうと病みつきになりますな。
みんなそう考えるらしく、プレミアムシートから先に売れるのだ。
昨日は大喜びで劇場に入ったら、私の席に派手目なオジサンが座っていて、靴も脱いですっかりくつろいでいるではないか
確認したら隣りの席と間違って座っていたのだが、私は一番端の席を取ったんだから、間違えにくいと思うんだがなー
伊丹十三映画祭は第二作目の『タンポポ』(1985)。
伊丹映画の中で一番好き。というか日本映画の中でもベスト10に入るくらい好き。
土曜日でファーストデイなこともあって、映画館はとても混んでいた。『タンポポ』も満席だった。
追加料金でプレミアムシートで見ようと思ったのに、販売後すぐに売り切れていた。
両隣りがポップコーン族じゃなくてよかったよ(映画館で食べるの嫌い)。
過去に3回は見ているが、今回久しぶりに見て、やっぱりとんでもなく面白かったし、とんでもない人だな伊丹十三。
今見直すと、公開当時にはあまり興味がなかった日本映画の大御所がたくさん出ていて感動する。
『お葬式』には大好きな笠智衆さんと藤原鎌足さんが出ていたが、これには大友さん加藤さんに小津映画の定番、中村伸郎さん。そして伊丹組常連の大滝秀治さん。
この人達の演技を見ているだけで嬉し過ぎてゾクゾクしてくる笑。
とにかくみんな上手いよ。それにキャスティング素晴らしい。
食べ物をテーマに、どうしてこんな映画ができるのか。伊丹十三やっぱりヘンな人かも笑。
公開時に買ったプログラムには、俳優のインタビューが載っている。
大友柳太朗さんは「出演させて頂いて、本当に嬉しいと思います」と言っている。
インタビュー後「これは後に残るものだからキチンとしないとね」と一字一字丁寧にチェックしていたそうだ。
そしてこの翌日に大友さんは亡くなったのだ。こんな悲しいことがあるとは
ラーメンの先生のシーンを見るたびに、笑うけど同時に胸が痛んでしまう。
劇場には若い人もたくさんいた。
「めちゃくちゃ面白かった~」と話しているのが聞こえて、自分に関係ないんだけど、なんだか嬉しかった。