神保町シアターの「没後10年 原節子をめぐる16人の映画監督」で『河内山宗俊』(1936)を見てきた。
天才と言われる映画監督・山中貞雄の作品で、現在見ることができるのは3つしかない。
3作とも配信やDVDで見てはいるのだが、映画館では今回初めてだ。
たとえ画質が悪くても、セリフがよく聴きとれなくても、映画館でフィルムで見るということに意義がある、ような気がする今日この頃。
この映画は昭和11年のだから、うちの母が4歳の時だ。
ということは、もしかしたら、うちの祖父母なんかが公開時に見に行ったのかも知れない。
そういうことを祖父母と話したことがないので、今となってはわからないが。
ともかく時代を超えて、昔の人々が見たのと同じものを、今自分が見ているのだなーと思うと、フィルムや映写機が今でも存在する幸せを感じずにいられない。
たぶん近い将来、フィルムで映画を見ることはできなくなるのだろう。
映写機が壊れたら、もう修理できないらしいから(本当にそうなのかは知らないが)。
天才山中監督の映画を映画館で見られる喜びを感じながら、他の2つも早いうちに見ておかなくてはならないと思った。
私の祖父母や両親も行ったのかなあと思いますが、田舎だからあまり行けなかったのかも。
江戸っ子は映画や芝居を頻繫に見ていたようで、池波さんもそういう祖父母や親の影響で芝居、映画好きになったようです。
私も子供の頃、映画に連れて行ってもらいたかったなあ。