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梅本亜祐子~ユニテイベル~

Body Mind Balancing/心と体のバランスを整える/奈良・吉野/骨盤矯正・腰痛・小顔・レイキ

ネモフイラ

2011-09-23 | 心のクリーニング
ネモフイラ

ピンクの薄い薄いシフオンのような花弁を優しく広げる。
真中の黄色い花芯が色鉛筆でかいたような可愛い形をしている。

花すきの祖父と花すきの祖母。

このお花は祖母との思い出。

祖母もお花が好きだった。
名前も「花子」と言った。
家に行くと真っ先に花畑に連れて行ってくれた。
いつもいつも、行くとまずは花畑だった。
花が咲いていなくても、虫に葉を食べられた。と葉を一緒に見たり、種をまきたての
こんもりした今にも出てきそうな土をみたり、猪に掘り起こされたと言っては、
掘られた球根を拾ったり。
時にはトマトやスイカを獲ってくれてその場でポーンと割って食べさせてくれた。
石垣に足をほおりだしてブラブラさせながら、大切に育てて咲かせた花が目の前に広がり
青く高い空を眺めながらスイカの種を
畑に飛ばすのが、自分に帰れるひと時たっだ。
祖母は膝が悪かったので少し後ろに祖父が作った木の椅子に腰かけていた。
少し、後ろから色んな話をきいてくれた。
泣きながらスイカを食べた夏もあった。
好きな人ができて照れながら相談をしたこともあった。
祖母の祖父との恋愛してきた話や祖父が浮気した話も聞かせてくれた。
一般的に苦労と言われる苦労以上の苦労やつらいことを体験してきた祖母なのに
どんな話を聞いてもシアワセそうに話してくれた。
祖母が泣いたことをみたことがない。
母が6歳の時には家も全焼した。
祖母は小さい時に両親を亡くして、おばさんに育ててもらったらしい。
自分のことを「みなしごハッチ」やってん。
といっていた。
だから、今ほどのシアワセはない。といつも言っていた。

戦時中も本を暗い中で良く読んでんと話してくれた。
祖母は本が好きだった。
きっと、もっと学びたかったんだろう。と
ふとした時に感じていた。
祖母から勉強しなさい。と言われたことは一度もなかった。

いつも正直な人だった。
そして楽しい人だった。
祖母と言うより年の離れた大親友だった。

祖母は「畑しとっても、外人さん通ったら英語で案内できるような人がかっこいいと思うね」
と子供のころの母に言っていたらしく、母もそれを私に何度となく聞かせてくれた。

母と私にとって、自然とその姿が世界中で一番格好いい象徴になっている。
そして、英語を選択していくきっかけとなった。
田舎者で畑を耕し続けた祖母だけど、田舎のおばあちゃん。と感じたことはなかった。

そんな、祖母が祖父が他界した後、私と隠居で話をしていた時。

祖母が自分が他界するときに棺に入れてほしい、思い出の品々を説明しながら準備し始めた。
冗談かと思いながら、集めてきた品々が本当に思い出の品々だったので
真剣にきいた。ちょっと気持ちが重くて冗談を交えた。
その日、たまたま持っていたノートに祖母の生い立ちを聞いてメモした。

子供には言えないことを孫の私が伝えるお役目をいただいた。

その6年後、祖母の旅立ちの時がきた。
まさか、あの袋があの場所にあるのか?と
私は外孫なので内孫の従兄に当時のことを打ち明けた。

従兄は快く開けてくれた。
その戸袋を開けてみると、
いっしょに入れた思い出の品々が当時のままの場所に入っていた。

みんなで袋を開けて思い出に涙した。
生い立ちメモもそのまま読んだ。

子供の知らない祖母の人生や思いも書かれていた。
みなしごハッチからはじまった、祖母の幸せな人生が詰まっていた。
6年前に今日のこの日を見ていたんだ。

祖母が畑一面に種をまいたピンクの優しい花があった。
集金にきたK電の人が花すきの祖母を思って種を持ってきてくれたいう。
久しぶりに祖母を訪れた日のことだった。

学生だった私は結婚をし、祖母も祖父と別れ
環境の変化が心の距離を作っていた。
何がこんなに冷たくしてしまったのか。
会うたびにさみしい気持ちになり、
あんなに、通っていた祖母の処に足を運べなくなっていた。

そんな時にそのピンクの花が心の距離をもとに戻してくれた。

さみしい。
祖母が花を見てさみしそうに感じたのは初めてだった。

2人はお互いさみしかったんだと気がついた。

心の距離を教えてくれた薄いピンクの花びらの「ネモフイラ」
今も分けてもらった種が芽を出し、花を咲かせてくれる。

この花だけは、見るとさみしい気持ちになる。

祖母との思い出「ネモフイラ」


梅本亜祐子










風蘭

2011-09-22 | 心のクリーニング
風欄

祖父とのはなの思い出を少し書かせてくださいね。

病院から1週間の帰宅の許可をもらって、自宅に帰っていた時
、祖父は庭の槇の木の前に連れっていってくれました。

うれしそうに、木の後ろに回ってみて。と言いました。

回ってみると、そこには風蘭が根を張っていました。

誰にも見えないところに、こっそり植えたんだ。

とても大切な花。と言います。

祖父の宝物の場所をこっそり教えてくれたのでした。

祖父には秘密基地に連れて行ってもらったり。
屋根裏に登らせてもらったり、
沼の伝説を教えてもらったり、
冒険の旅をさせてもらってきたんだな。て。
筏にのったり山で枝をうったり、

貴重な体験をさせてもらってきました。

今も祖父の家に行くと、こっそり槇の木の裏に回って
風蘭に会いに行きます。

風蘭「風に祖父の言葉をのせてきてくれる花」
です。

梅本亜祐子

はぼたん

2011-09-22 | 心のクリーニング
はぼたん


全然季節外れなのですが、
お彼岸なので、はぼたんにまつわるお話をしないと
進めないので、はぼたんになりました。


はぼたん。

毎年、年末になるとでてくるはぼたん。
どうして、この花(葉)がこんなにお正月にひつようなんだ?
縁起がいいとはいえ、わざわざ植えて飾る感覚がわからなかった。

祖父が胃がんにかかり闘病してきたが、
別れの時が来た。もう10年も前になる。

祖父は私をとても可愛がってくれた。
20歳を過ぎると、たまによばれる夕食にビールをついでくれた。
そして、猪獲りの話や昔話をしてくれた。
男どおしの感覚に似た、大人の仲間入りをさせてくれたような、
自分を認めてくれている感覚が何とも嬉しかった。

祖父は背の高い昔はもてただろうな。
と思わせる風貌とウイットに富んだ人だった。
小さい頃は川に船を浮かべて祖父が船頭になって
孫達をたのしませてくれた。
花の仕事をしているときには植えてほしい花を言っておくと
季節になると、その花をさかせてくれた。

川で魚を釣ったり山で猪や熊、鹿を獲ったり、炭を焼いたりと
しごとの合間に自分のしたいことを器用に楽しんでいた。
筆を持っても、繊細で美しい字を書いた。
花を仕事にしていた時の看板は祖父に書いてもらった。

そんな祖父との別れは夢を形にしてきた大切なパートナーとの別れだった。
二人でよく夢を語り小さいながら形にしてきた。
誰にもわからないだろう、誇らしい絆があった。

最期は2人で実現できた小さい夢達を
誇らしく背筋を伸ばして別れようと決めた。

お葬式の朝だった。
すみ渡る青い空を覚えている。

落ち着かない私は祖父との会話やぬくもりを思い出しながら庭を散歩していた。
いとこが、遠くの畑から私の名前を呼ぶ。

何かと思い急いで畑に行くと、いとこが指さしているのは
一面に植えられた「はぼたん」だった。

良く見ると、赤と白の葉牡丹が文字になっている。
「カ」「ヨ」と書かれていた。

白い「ハボタン」の中に「カヨ」と紅いハボタンの文字がうきでていた。
最期まで夢を見せてくれた。

この人の生命が流れていることを誇りに思う。

病床で頬をこすりつけて、「可愛いのお」といい大人の私に
威厳のある祖父が頬ずりしてくれた。

人は何かを残して光になる。

思いっきりの愛をそそいで表現してくれた。
どんな時もおもいっきりだった。

どの瞬間を思い出しても精一杯だった。
祖父と過ごした時間は
どの瞬間も愛にあふれている。

名前が植えられたハボタンは「自分を大切に生きる」こと
を教えてくれた。


梅本亜祐子










つゆくさ

2011-09-22 | 心のクリーニング
つゆくさ

こんなに水と風の威力をまざまざと見せられるなんて。
人が想定してきた想定って何なんだろう。
想定の意味や基準が覆される日々。

普段は美しく流れる清流吉野川が茶色の土石流となり、轟々と恐ろしく流れている。
お昼になるサイレンがダムの放流に思うようになった。
小雨でもゆるんだ土地を思うと大丈夫かと気にするようになった。
ふるさとが一瞬にして土にのまれる。
水に浸される。

今日は久しぶりに青い空が灰色の空の隙間に見えた。
ちょうど吉野大橋を渡っている時だった。
遠くに妹背山が川を挟んで見える。

灰色に広がる雲の奥の青い空だった。

さっき見た、つゆ草と同じ青だった。
つゆ草は落ち葉の中に美しく咲いていた。
その鮮やかな青に心が惹かれた。

誰に見てもらうわけではない小さなお花が可憐に咲く。

空と大地が青でつながったような感覚。

つゆ草の青。
空を手にした感覚。

遠くまで青い鳥を探しにいって、家にいた青い鳥。
幸せって、どんな時でも、どんな状況でも近くにある。

青いつゆ草が語ってくれた。

幸せはあなたの手の中にありますよ。

梅本亜祐子

チューリップ

2011-09-20 | 心のクリーニング
季節はずれなのですが、
チューリップを思い出しました。

お花が好きな祖父母は花が咲くと花畑に連れて行ってくれました。
20歳のときにNFDの資格を取得した私は、奈良県内でお花のお仕事をさせていただくことに
なりました。
そのごとに、祖父母の畑に足を運んで珍しいお花をいただきアレンジしたものでした。

ある年の春。
とてもかわいらしいチューリップが咲きました。
親指姫にでてくるような。

みたことのない小さい小さいお花でした。

どうしたのか?
と尋ねると、
ネズミが球根をかじったというのです。

小指ほどに咲いている可愛いお花はテーブルを可愛く飾ってくれました。

チューリップを見つけた時の感動と
祖父母との温かい会話を思い出します。

祖父母とはたくさんのお花を植えてきました。
ああでもない。こうでもない。と言いながら、
新しい品種がでれば、それを植えては咲く季節を楽しみに
30分離れた祖父母の家に通いました。

花を見に行くのは
祖父母と話をしたかったからだと今思えば思います。
チューリップ。

咲いた咲いたチューリップの花が、並んだ並んだ赤白黄色。どの花見てもきれいだな。

美しく咲くように孫たちを分け隔てなく咲かせてくれた気がします。

感謝のはな。チューリップ

ほたるぶくろ

2011-09-17 | 心のクリーニング
ほたるぶくろ

夏のはじまりを私に教えてくれてきた。
ホタルブクロ。

ベルのような姿は時のはじまりを告げてくれる。
夏は過ぎたけど、
時をつげてくれるのは、
ホタルブクロのベルの音

はじまりの時。
ベルが鳴る。

ホタルブクロ
はじまりを告げる花

梅本亜祐子

あじさい

2011-09-16 | 心のクリーニング
あじさい

うまれて初めて東北の大地にたった。
心地よい北上川の流れ。

なんともいえない、やわらかいやさしい風。

ダイナミックな大地。
根っこの張った木々。

街路樹の足元に葉を広げて、どういうわけか
咲いているアジサイを見つけた。

アジサイは私にとって誕生の花。
アジサイの咲く季節。私は生まれた。

盛岡にきて体のなかの流れが大きく変わった。
そんな気持ちをアジサイは祝福してくれている。

盛岡の風にこのまま、ずっと吹かれていたい。
そんなかぜだった。

新しい時のはじまり。
誕生の喜び。

誕生の花。

あじさい


やはずすすき

2011-09-14 | 心のクリーニング
今年ほどススキを見て秋を感じたことがない。

満月に映える美しいススキ。

しなやかに揺れる。

満月の夜に野ウサギが運転している車に向かってきた。
急ブレーキを踏んだ。
長い耳の大きな目をしたウサギだった。
自然の鼓動とシンクロしていることこ確信する。

中秋の名月。
すすき。
ウサギ。

まんまるお月さまを見上げて風に揺れるススキを
見ながら、日本の国旗を思う。。。


すすき
日本の秋。
中秋の名月。
ウサギ。

時、場、そして役者がそろう

梅本亜祐子




ひがんばな

2011-09-14 | 心のクリーニング
今年も花が咲き始めた。
お彼岸がちかずくと鮮やかに開く。

葉のないお花。
その姿は花火のよう。

子供のころは、なんだか怖くて近づけなかった。
あるころから、お花が咲くと他界した祖父母を近くに感じる季節となった。

ある方が、ぼそっとつぶやいた。
第2次世界大戦を経験して多くの戦友を目の前で失った方。
「こんな、日本にするために戦ってきたんじゃない」

この日本を子孫に残そうと命をかけて守ってきてくださった先人、
東日本大震災で尊い生命をうばわれた方々に
心より祈りをささげ

今日から盛岡へ。


梅本亜祐子