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梅本亜祐子~ユニテイベル~

Body Mind Balancing/心と体のバランスを整える/奈良・吉野/骨盤矯正・腰痛・小顔・レイキ

風蘭

2011-09-22 | 心のクリーニング
風欄

祖父とのはなの思い出を少し書かせてくださいね。

病院から1週間の帰宅の許可をもらって、自宅に帰っていた時
、祖父は庭の槇の木の前に連れっていってくれました。

うれしそうに、木の後ろに回ってみて。と言いました。

回ってみると、そこには風蘭が根を張っていました。

誰にも見えないところに、こっそり植えたんだ。

とても大切な花。と言います。

祖父の宝物の場所をこっそり教えてくれたのでした。

祖父には秘密基地に連れて行ってもらったり。
屋根裏に登らせてもらったり、
沼の伝説を教えてもらったり、
冒険の旅をさせてもらってきたんだな。て。
筏にのったり山で枝をうったり、

貴重な体験をさせてもらってきました。

今も祖父の家に行くと、こっそり槇の木の裏に回って
風蘭に会いに行きます。

風蘭「風に祖父の言葉をのせてきてくれる花」
です。

梅本亜祐子

はぼたん

2011-09-22 | 心のクリーニング
はぼたん


全然季節外れなのですが、
お彼岸なので、はぼたんにまつわるお話をしないと
進めないので、はぼたんになりました。


はぼたん。

毎年、年末になるとでてくるはぼたん。
どうして、この花(葉)がこんなにお正月にひつようなんだ?
縁起がいいとはいえ、わざわざ植えて飾る感覚がわからなかった。

祖父が胃がんにかかり闘病してきたが、
別れの時が来た。もう10年も前になる。

祖父は私をとても可愛がってくれた。
20歳を過ぎると、たまによばれる夕食にビールをついでくれた。
そして、猪獲りの話や昔話をしてくれた。
男どおしの感覚に似た、大人の仲間入りをさせてくれたような、
自分を認めてくれている感覚が何とも嬉しかった。

祖父は背の高い昔はもてただろうな。
と思わせる風貌とウイットに富んだ人だった。
小さい頃は川に船を浮かべて祖父が船頭になって
孫達をたのしませてくれた。
花の仕事をしているときには植えてほしい花を言っておくと
季節になると、その花をさかせてくれた。

川で魚を釣ったり山で猪や熊、鹿を獲ったり、炭を焼いたりと
しごとの合間に自分のしたいことを器用に楽しんでいた。
筆を持っても、繊細で美しい字を書いた。
花を仕事にしていた時の看板は祖父に書いてもらった。

そんな祖父との別れは夢を形にしてきた大切なパートナーとの別れだった。
二人でよく夢を語り小さいながら形にしてきた。
誰にもわからないだろう、誇らしい絆があった。

最期は2人で実現できた小さい夢達を
誇らしく背筋を伸ばして別れようと決めた。

お葬式の朝だった。
すみ渡る青い空を覚えている。

落ち着かない私は祖父との会話やぬくもりを思い出しながら庭を散歩していた。
いとこが、遠くの畑から私の名前を呼ぶ。

何かと思い急いで畑に行くと、いとこが指さしているのは
一面に植えられた「はぼたん」だった。

良く見ると、赤と白の葉牡丹が文字になっている。
「カ」「ヨ」と書かれていた。

白い「ハボタン」の中に「カヨ」と紅いハボタンの文字がうきでていた。
最期まで夢を見せてくれた。

この人の生命が流れていることを誇りに思う。

病床で頬をこすりつけて、「可愛いのお」といい大人の私に
威厳のある祖父が頬ずりしてくれた。

人は何かを残して光になる。

思いっきりの愛をそそいで表現してくれた。
どんな時もおもいっきりだった。

どの瞬間を思い出しても精一杯だった。
祖父と過ごした時間は
どの瞬間も愛にあふれている。

名前が植えられたハボタンは「自分を大切に生きる」こと
を教えてくれた。


梅本亜祐子










つゆくさ

2011-09-22 | 心のクリーニング
つゆくさ

こんなに水と風の威力をまざまざと見せられるなんて。
人が想定してきた想定って何なんだろう。
想定の意味や基準が覆される日々。

普段は美しく流れる清流吉野川が茶色の土石流となり、轟々と恐ろしく流れている。
お昼になるサイレンがダムの放流に思うようになった。
小雨でもゆるんだ土地を思うと大丈夫かと気にするようになった。
ふるさとが一瞬にして土にのまれる。
水に浸される。

今日は久しぶりに青い空が灰色の空の隙間に見えた。
ちょうど吉野大橋を渡っている時だった。
遠くに妹背山が川を挟んで見える。

灰色に広がる雲の奥の青い空だった。

さっき見た、つゆ草と同じ青だった。
つゆ草は落ち葉の中に美しく咲いていた。
その鮮やかな青に心が惹かれた。

誰に見てもらうわけではない小さなお花が可憐に咲く。

空と大地が青でつながったような感覚。

つゆ草の青。
空を手にした感覚。

遠くまで青い鳥を探しにいって、家にいた青い鳥。
幸せって、どんな時でも、どんな状況でも近くにある。

青いつゆ草が語ってくれた。

幸せはあなたの手の中にありますよ。

梅本亜祐子