うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

DDD 1  奈須きのこ   うな∈(゜◎゜)∋

2009年05月16日 | 読書感想
DDD 1 (講談社BOX)
奈須 きのこ
講談社

このアイテムの詳細を見る




アゴニスト症候群という奇病により、奇妙な能力を獲得する病人<悪魔憑き>が跋扈する現代。
悪魔憑きの妹に片腕を喰われて脳にも軽く障害を負った主人公・石杖所在は、貯水庫の地価に隠れ住む謎の金持ちで四肢欠損の美少年・迦遼カイエから給料もらって世話をしながら、定期的に悪魔憑きの事件に巻き込まれていろいろするのであった。

珍しく主人公が無味無臭な善人じゃない。
それだけでずいぶんと読みやすくなった。
「ハイハイ、特殊能力バトルですね」
と思っていたら、ちゃんと叙述トリックがあったりして、案外ミステリーとしても楽しめる。意外な展開。

基本、異常者の視点で話が進むのでスリリングだし、奈須先生いつものノリでキモウトも出てくるし、いつも搭載されていた無駄エロシーンがないのでぐったりすることもなく、最初から最後までテンション高く読み終えることが出来た。
なにより奈須先生にしては無駄に長くない。初期設定を説明するだけで一時間も二時間もかかったりしない。これは素晴らしい。妙に迂遠な言い回しで煙に巻きながら焦らす手法はそのままに、単純な文量でぐったりすることがなくなった。
プレイ時間を稼がなきゃいけない、というゲームの制約を抜けたのが功を奏したのかな?

能力バトルっぽいホラー風ミステリーというよくわからないジャンルとして、なかなか楽しませてくれる感じ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿