苦楽の彼岸 山あるき 森あるき

こんにちは!umebocです。
主に近畿の山々をうめ子と2人で歩いています。

2010年12月12日(日)【貴船山・魚谷山】 其の二 完

2010-12-24 | 京都周辺エリア

往路:緑色、復路:黄色






10時07分、貴船山山頂に到達した我々は、長居することなく樋ノ水峠へと下り、
北西へと進みました。
道はなだらかな下り、だんだんと湿り気を帯びてきて、ついには沢へと変化していきました。
このルートが樋ノ水谷なのでしょう。
やや健脚者向きといえるような、ゴロゴロとした岩の多い歩きにくいルートです。




実は我々は、このあまりにも歩きにくいルートから、道を間違ったかなと考えていました。
やや険悪なムードの中、とりあえず前へと進みます。















10時40分

水量の多い沢に突き当たりました。
前方には林道が見えていて、これは確実に間違ったなと、加速する絶望感。
なにせ5万分の1の高原地図には林道など示されていないんですから。
















このまま面白みの無い舗装路歩きを続け、
どこかわからないまま帰ることになるのかと足取り重く歩いていました。


























あ、途中で見かけたイノシシの足跡です。












雑木林の上の方に落下傘がひっかかっていました。
謎です。















あたりの景色に気をまぎらわせつつ歩いていると、前方に建物が見えてきました。

















11時00分 麗杉荘

どうやらここが麗杉荘のようです(REIZANSOUと書かれていました)。
よかった、我々の来た道は間違っておらずルート通りだったんです。

麗杉荘の名前が書かれた札のみが新しく、存在感を持ってかけられていました。
でも、小屋そのものは廃墟のように朽ちています。
壊れた窓から中へと入ることができるようですが、中は薄暗く、
誰かが使っているような形跡はありました。猟に来た人などでしょうかね。












精神的ダメージが蓄積されていたので、雰囲気の良い場所を探しきれないまま、
適当な広場でお昼休憩としました。



出町柳駅で買っておいたサンドイッチ。あっさりしています。








同じお店で買ったパン。チーズとハムを挟んだフランスパンの味です。


11時10分~11時37分、昼休憩。






















11時42分 分岐

麗杉荘から15分ほど歩くと、左手に砂防ダムが見え、
そこに柳谷峠と指示した札が掛けられていました。
林道からダムの方へと進みます。












ダムに貯まった水はよく澄んでいて、暖かい季節ならテナガエビなど見ることが出来るのかもしれません。














ここもゴロゴロとして歩きにくいルートとなります。
こういった道をうめ子は嫌います。





















この辺りの雰囲気、ボクはとても好きです。
しっとりと落ち着きのある風情、森に気品を感じます。

そして、左前方には今西錦司のレリーフが見えてきました。
残念ながら黙々と先へと進んでしまったうめ子は、このレリーフを見ることができませんでした。










今西錦司レリーフ

今西錦司は、日本の霊長類研究の創始者といわれる人で、とても偉い人のようですが、
若い頃から登山を好み、良い山があるから岐阜大学の学長職を承諾したという逸話があるほどの山好きです。
京都出身の偉人で登山家の氏を偲び作られたもののようです。
















魚谷山・柳谷峠への道標がぽつんと立っていました。























クリンソウが至る所でへたっています。
腐った白菜が放棄・散乱しているのかと思いました。

開花時期は4~6月頃のようなので、その時期に来るとよいのかもしれません。
ただ、昔はこの辺りにクリンソウは無かった、
誰かが持ち込んだんだろうと後に出会ったおとーさんから聞かされました。





















12時15分 柳谷峠










落ち葉に埋もれた斜面を西南西へ登ると、前方に魚谷山山頂が見えてきました。
木々の間に、派手な服を着たハイカーの姿が見えかくれしていました。




魚谷山(いおだにやま)山頂(816.2m)

休憩をしていた派手な服のハイカーの方に軽く挨拶して記念写真です。

撮影終了後、ハイカーのおとーさんが「どこから来たの?」と話しかけてきたので、
いろいろとお話しました。
そうしているとうめ子が、

「もしかしてこの前(12月5日、白倉岳)、坊村バス停から乗って朽木栃生で降りませんでした?」

「ああ、行ってたな」

「やっぱり!そのバックが印象的で覚えてたんですよ!凄い偶然ですね!」

なんということでしょう、まさかこんな辺鄙なコースで、たまたま記憶にとどめていた人と再会するなんて。
言われてみれば、ボクもなんとなく思い出しました。
朽木栃生辺りにしても、この魚谷山にしても、1人や2人の人にしか出会わないような場所です。
こんな奇跡的な出会いもあるんですね。




「よし、それじゃあとっておきのルートを教えてあげよう」

と、おとーさんに連れられ、予定していなかったルートへと進み、帰路に着くことになりました。
なお、話に夢中で時間のメモなどを忘れ、しばらく詳細を書くことができません。




いざ出発!!

おとーさん派手。












この緑を残す木々はアセビです。
これもおとーさんが教えてくれました。
「こういう事に興味を持って調べるっていうのも、山を面白くする方法だよ」





そうそう、この辺りで、年配の集団と遭遇しました。
当初、我々が下から近付いていくとガヤガヤとしており、何かこちらへ話しかけている様子です。
もしかしておとーさんの仲間が待っているのかな、と思ったのですが、
どうやら道に迷っているようです。
でも、そのわりに滅茶苦茶テンションが高く元気だったので、とても迷っているようには見えません。
そのせいか、おとーさんは内心ご立腹の様子です。
確かに、こんなわかりにくいルートにどうやって来たのかがまず疑問だし、
このまま魚谷山を目指すとしても、とてもたどり着けそうもないです。
しかたなくおとーさんは怒りつつも、心配そうにルートを教えていました。

ただ、教えられながらも10人ほどいたメンバー、誰も地図を広げていませんでした。
そりゃ迷いますよ。






あっちは○○山、あっちが・・・・

おとーさんは遠くに見える山の同定も的確です。
関西の山の標高なども、聞けばスラスラ出てきます。
こういう方と山を歩いていると、とても勉強になります。

そして、とても話し好きな方で、時間もコースもあっというまに過ぎてしまいます。
おとーさんの教えてくれたルートは、なだらかなアップダウンの続く気持ち良い稜線歩きで、
うめ子は、
「あの岩ゴロゴロした道を帰ると思うと気が重かったから、連れてきてもらえて良かった」
と喜んでいました。






右奥、魚谷山

柳谷峠から芹生峠方向(東)へと歩き、途中南へ。
ぐるりと歩いてきた所で、魚谷山がだいぶ後ろに見えていました。




























13時48分 小休止

おとーさんの勇姿、本当にありがとうございました。

















途中でおとーさんと別れ、滝谷峠へと下りました。



















稜線から南西へと下ると、滝谷峠が見えてきました。












14時13分 滝谷峠


ここからは貴船山の東側のルートを二ノ瀬を目指し進みます。
















14時42分 分岐

二ノ瀬ユリコースにも分岐があり、どうせならと「二ノ瀬尾根」コースへと進みました。












進んだものの、たいして良い道ではなく、ユリ道でも良かった気がします。
しばらく歩いてユリ道が右下に見えてきて、じきに合流しました。




























15時10分 分岐























ようやく富士神社まで帰ってきました。
往路は神社を挟んだ反対側の道を進んだんですね。


15時43分、二ノ瀬駅到着。


おとーさんに連れられて楽しい山歩きが出来ました。
ボクはかなりお気に入りのコースです。それじゃ、メリークリスマス!まったねー。



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