苦楽の彼岸 山あるき 森あるき

こんにちは!umebocです。
主に近畿の山々をうめ子と2人で歩いています。

道の駅と鮒ずし。

2011-05-29 | ヒダルがみ
道の駅が好きで通りかかるとついフラフラと入っていってしまう。
地元の香りのする特産品や野菜は、スーパーのものよりなぜかしら美味しそうである。
レジに居る地元の特産おばさんなども、なかなか良い顔をしている。
旅先の地域のものということで、多少甘めの判断で品物を見てしまうということもあるだろう。

近江方面の山へ行くようになって、あちらの道の駅にもちらほらと入ることが多くなった。
そこでよく目にするのが鮒ずしである。
1匹20センチほどのものが2000円くらいで売られている。
ん?フナズシってこんなに安いものだったのか?
と、手に取り原材料を見てみるのだが「フナ」としか書かれていない。
鮒ずしは通常4~5月頃の卵(腹子)を抱えたニゴロブナが使われるそうだ。
以前なにかの本で、
産卵場所の減少、ブラックバスなどの外来魚の捕食によって数を減らしており、
そのためフナズシは幻の珍味、高価な珍味になってしまっていると書かれていたのを目にした気がする。
確かその本の中では1匹1万円くらいだったような。
大昔の話なので今では環境も改善されて価格も安くなってきているのかな?
とネットでいろいろと調べてみた。
まず、ニゴロブナを初めて鮒ずしとして販売したとされる坂本屋さんのホームページを見てみた。
18センチほどのものが3,150円、21センチで5,250円、24センチで7,350円、
29センチくらいで10,500円となっている。
なるほど、ここの鮒ずしは天然のニゴロブナを使っていると表記されているのでこの価格で正しいのだろう。
やっぱり高いのだなあ。
でも、小さいサイズになると、手に入らないほど高いとも感じないのは確かだ。
それにしても道の駅の鮒ずしはニゴロブナとはどこにも書いていなかったなと、
さらに他の鮒ずしメーカーのホームページを探して読んでいくと、
「当店はニゴロブナ以外のフナも厳選し使用しています」
とか書かれていることを発見した。
確かに、ニゴロブナ以外のフナでも美味しい鮒ずしができるのであれば、
それでかまわないとは思うのだけれど、
それは外部の人間からすれば、鮒ずしであって鮒ずしではないのではないだろうか。
地元の方々はおおらかにどの魚で作っても鮒ずしだよと言うかもしれないけれど、
ニゴロブナで作られた鮒ずしは全体の20パーセント以下という話であり、
それならそれでゲンゴロウブナ、ギンブナ、ニゴロブナと表記するべきだと思う。


そんなわけで、未だに不信感から鮒ずしに手を出していないのだけれど、
調べているうちにどうしても食べてみたくなった。
次の機会には、道の駅か、もしくは元祖坂本屋の鮒ずしを手に入れてみたいものである。
なんてつらつら書いてしまったけれど、道の駅の有用性は、
こうやってその地域について何か考えるきっかけとなることもあるのだ。
と気付かされてしまったというお話し。
いずれニゴロブナの養殖、稚魚の放流の現状などもこの目で確認してみたいものなのだ。