「一口馬主掲示板」閉鎖についてまじめに考えたこと。

　「一口馬主掲示板」、というネット上の掲示板がある。
　一口馬主会員を中心とした競馬ファンには、絶大な人気を誇る匿名掲示板で、毎日なんと１万人以上のアクセスを集めていた。自分もこの１年くらいは、毎日日課のようにここを訪れ、社台・サンデーを中心としたクラブ情報を覗き見て楽しませてもらっていた。
　
　ここはとにかく情報が早く、募集馬リストや募集価格、人気状況や当落ラインなど、関係者しか分からないような情報でもいち早く流れていた。中にはガセもあったが、自分の知る限り、圧倒的に正確な情報の方が多かった。
　匿名ではあっても同じ会員同士、その会話は非常に興味深いもので、また書き込みの中には、悪意のあるものもけっこうあり、時には腹の立つこともあったが、それも含め楽しい掲示板だった。

　その「一口馬主掲示板」が、急遽閉鎖されることになった。「9日に閉鎖」と5日の発表だから事態は急だ。詳しくは【重要】掲示板閉鎖のお知らせ
　理由は、詳しいことはよく分からないが、書き込みの内容について某クラブからクレームがあったらしい。差別的な発言やクラブへの脅迫まがいな発言、その他根拠の乏しいクラブ批判などがその中身とのこと。そのような発言はもちろん許されるものではなく、紆余曲折もあったようだが、結果的にこの掲示板のすべてが閉鎖、という結論に至ったようだ。
　
　この一連の騒動、一番損をしたのは間違いなく、その某クラブだろう。
　そのクラブの取った対応についての是非をここで問うつもりは無いが、結果的に「一口馬主掲示板」を閉鎖に追い込んだ悪者、のレッテルが貼られてしまっている。その意味では被害者と言ってもいいのかもしれない。
　そこを訪れる者には「このクラブのせいで」「ここのクラブ、ちょっとおかしいのでは？」という悪印象を植え付けることになってしまっている。しかも一般に、ではなく一口に興味を持つ数万人に対し、ピンポイントに悪い広告を流してしまったようなものだ。

　
　
　では、この騒動、一番得をした人は誰なのだろう。
　
　結果的には、この「一口馬主掲示板」は閉鎖されることになったが、後継掲示板を名乗り出る者が複数出てきており（今後も増えそうだが）、すでに運用が始まっている。そこでは、「副管理人を置いた方が良いのでは？」「ＩＤは必要？」「ＡＡはＯＫ？」「社台とサンデーを分ける？」など運営に関しての多くの書き込みを元に、作られ初めている。まさに住人が板を作っている状況だ。
　おそらく今後、多数ある掲示板同士が競争し、淘汰され、ユーザーが選んだものが主流派となるのだろう。使い勝手という面では元祖を越え、やがて元祖に劣らない支持を集める掲示板となるだろう。
　
　結局、「一口馬主掲示板」を閉鎖に追い込むことが出来ても、会員同士の交流の場を望む「住人」がそこにいる以上、その自由な発言までをも閉鎖させることは、所詮出来ないことだった。

　皮肉にも、「閉鎖」の危機に直面して、自分を含めた住人たちが初めてこの板の重要性を感じたのではないだろうか。嵐のような管理人への感謝の言葉がその証拠だ。
　この一連の騒動を経て、自分も含め住人たちは大きくステップアップ出来たと思う。管理人への感謝の気持ち、運営への理解、みんなで新しい板を作ろう！と全クラブ会員が結束して協力する動きまで出てきた。そして、この危機を体験した住人たちは、今後、挑発的な発言や迂闊な発言を控えるようになるのではないだろうか。また各クラブもより透明性を求められるようになることだろう。

　管理人との別れと、一時の寂しさはあるが、結果的に一番得をしたのは、色んな面でハードルを越えた、我々「住人たち」なのかもしれない。

　
　・・・そして最後になったけど、「管理人」さん今までありがとう