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2013-01-21 | 取調可視化
刑事司法改革 冤罪防止と捜査力向上を図れ(読売新聞) - goo ニュース

※引用

刑事司法改革 冤罪防止と捜査力向上を図れ

 検察や警察の信頼を取り戻すには、 冤罪(えんざい)を防ぐとともに、捜査力を向上させる仕組みを確立する必要がある。

 一連の検察不祥事を契機に、刑事司法制度の見直しを検討してきた法制審議会の部会が、基本構想案をまとめた。これをたたき台に制度作りを進める。

 焦点となっていた取り調べの録音・録画(可視化)について、導入の方向性を明確に打ち出したのは妥当と言える。

 捜査官による供述の誘導を招きやすい密室での取り調べが、冤罪の要因になっている。無実の人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件では、身に覚えのない犯行を認めた供述調書まで作られた。

 可視化が制度化されれば、取り調べの様子を再生して検証できるようになる。強引な捜査を抑止する効果があるだろう。

 今後の論点は、取り調べのどこまでを録音・録画するかという可視化の範囲だ。チェック機能を高めるには、可能な限り広い範囲とすることが望ましい。

 一方で、録音・録画されていると、組織犯罪の容疑者が報復を恐れて供述を渋り、犯罪を解明できなくなる恐れもある。

 構想案が、「捜査に支障が生じるような場面を、可視化の対象から除外できる制度が必要」と指摘したのは理解できる。どのような場合に除外すべきか、検察や警察が取り組んでいる可視化の試行結果を分析することが大切だ。

 取り調べに偏らない証拠収集の方策も提示されている。

 その一つが、電話などの通信傍受の拡大だ。現行法では対象が薬物や銃器による犯罪などに限定され、実施件数が極めて少ない。

 構想案は、振り込め詐欺など急増する新種の組織犯罪に対象を広げることを提案した。国民生活の安全を確保する上で適切だ。

 欧米で広く行われている司法取引も検討課題と位置づけた。

 司法取引は、容疑者が共犯者の犯罪などを進んで明らかにした場合、検察が求刑を軽くしたり、訴追を見送ったりする仕組みだ。

 捜査協力を促す効果が期待される反面、罪に見合う刑罰が科されないとして被害者の理解が得られない可能性がある。

 導入の是非について、議論を尽くしてもらいたい。

 否認した被告を保釈しない「人質司法」の見直しは急務である。長期間、自由を奪うことが、自白を迫る圧力となり、冤罪を招く一因になっている。適正な身柄拘束のルール作りを検討すべきだ。


いろいろな方向の話が色々語られている印象である。


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