サンボマスター / サンボマスターは君に語りかける



サンボマスターですよ。

もはや「電車男」のおかげで一気に今を代表するバンドとなった感がありますが、僕はちゃんと聞いたことがありませんでした。ときどきPVの一部などをランキング番組でみかけると、「なんだこのヴィジュアルは?」と思っていたぐらいでした。あ、サンボマスターっていうバンド名はユニークで気になってましたけど。サンボって、たしか昔はまった「空手バカ一代」で後半にサンボの達人が出てくるんですよ。

で、友人の松崎がロック・イン・ジャパン・フェス(だったかな?)で見たということで、その直後に抑えきれない熱い感動メールをもらったんですよ。ふ~ん、と思いましたよ。ちょっとねぇ、うらやましかったわけですけどね、そういう本当に今まさに歴史が作られている、というような瞬間に立ち会えた友人が。で、「お前も聴け!」と言われていたわけですが、なんとなく買わずにいたわけです。

で、買いましたよ、聴きましたよ。いいんですよ、これが。もうね、なんていうんですかねぇ、僕はいわゆる「ロック」っていうのは得意分野じゃないのでえらそうなことは言えませんが、正当な、真っ当な、正しいロックなんですよ。

松崎も言ってましたけど、ちゃんと良い音楽を聴いてきた人達なんだと思うんですよ。なんつーか、もう、正しいんですよ。いわゆる「タメ」とか、歌の節回しとか、ギターのカッティングの仕方とか、もうですね、まぁ編曲全般に言えるわけですけど、気持ちいいんですよね。なんかですね、友達とレコードとかCDとか持ち寄って、「このサビのメロディーかっこよすぎだよなぁ。」とか、「ううっ、このイントロの入り方しびれるぜ」とか、「ここで一瞬ブレークするところがもうたまらんなぁ。」とか言うじゃないですか、音楽聴きながら。そういう気持ちよい、かっこいいのが、次から次へと出てくるわけです。1曲目、2曲目(この曲イントロかっこよすぎ)、3曲目、とですね、「あ、こういうバンドね。」なんてあなどって聴いてると、次の曲でまたちがうテイストのカッコイイ曲が始まってですね、そんでまた次の曲は、みたいな感じですよね。パンクっぽいのもあるし、ソウルっぽいのもあるし、ねぇ。でも真ん中にはぶっといロッケンロールって感じでねぇ。いやぁ、引き出し色々持ってるねぇ。いい音楽聴いてるねぇ。と。

で、ですが、ですね。
前にもここで書いたんですけど、かつてのかっこいい曲を「再現」したような音楽には、この30代なかばの耳の肥えたおじさんはもはや感動しないんですよ。で、このサンボマスター何が良いのかと言えばですね、声と詞、ですね。この声(歌い方も含めて)とこの詞がなければ僕はまた、「ふ~ん、かっこいいけど、どっかで聴いたことあるよねぇ。」なんてまた斜に構えてしまっていたとおもうんですけども。いいですよねぇ、ヴォーカルの声。声だけ聴いてると(失礼ながら)超カッコイイっすよね。魅力的な声ですねぇ。歌い方はちょっとスーパーバタードッグの人(今は、ハナレグミの人と言ったほうがよいのか?)に似てるように感じます。2曲目、スーパーバタードッグみたいだし。まぁ、とにかく声いいですよ。好きですこの声。

で、さらに「詞」ですよ。この詞が乗ってなければどんなに曲のアレンジがかっこよくてもこのバンドがこんなに売れるとは思えない。というか僕がこんな感動してないですよ。この詞たまりませんね。

僕はこのブログで何度も「はずかしながら青春映画が大好き」と言ってますけども、ほんとにねぇ、サンボマスターの詞って青春映画みたいなんですよねぇ。青春真っ只中。恋、悩み、いら立ち、とかとか。たまりません。で、それがまた正しくロックだなぁと思うわけです。ロックってさ、やっぱなんかそういう青春のグダグダしたものを代弁して解放するための音楽だったはずで。正しいんですよ、サンボマスター。

この詞のリアリティーは一体なんなんでしょうねぇ。ぐっと来ますよ、とにかく、1曲目の彼自身の歌詞にいみじくも出てくるわけですが、「本当のことを話してほしいだけ」なんですよ。嘘くさい歌詞で「俺達ロックだぜ」なんて言われても全然かっこよくないわけで。みじめできたなくてずるくて清らかで真っ直ぐで恥ずかしい本当の自分を出してほしいんですよ、そんな歌が聴きたいんですよ、若者は。で、サンボマスターの詞はまさにリアルなんですよ。

ずるくてね、そんなずるい自分を情けないと思う自分と開き直る自分とか、自由になりたくて、でも何をやっても結局自由になんてなれてなかったりね、失望と落胆と諦めと、でもそうやってもがいている自分はやっぱり少し自由になっているのかな、なんてね。女の子の嘘に舞い上がったりね、嘘と気づいてもそれを正当化してしまう自分とか、無理やり美化してみたりして、そうまでする情けない自分に内心気づいているのに、とかね。あ゛~、なにを書いてるのかわからなくなってきたけども。ま、とにかく、青春という時代をもがきながら過ごす男にとっては、すごいリアルなんですよねぇ。いやぁ、グッと来ましたよ、マジで。

心配なのは、このリアルさをいつまで持ち続けていられるかってことですね。こんなに売れちゃって。

とにかく気に入りましたです。
最高です。
イェー、ベイベッ、カモン!!
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (ビアンコ)
2005-10-30 16:04:08
お久しぶりです。

ご復活(と言っていいのでしょうか?)おめでとうございます。

ずーっとお留守だったので、何かあったのかな?もしや、私が意味不明なコメントをしつこく入れるので、イヤになって雲隠れしたのか?などど思っておりました。。。と、言いつつまたコメントしてますけど。もしそうなら、そーっと消しといてください。



サンボマスター。最初聴いたときは「暑苦しい」と思ってしまいましたが...想像以上に人気出ちゃいましたね。今、人はこの「熱さ」に飢えているんじゃないかと感じます。
 
 
 
いえいえ (uenooo)
2005-11-28 23:27:24
このブログ、なんだかすっかり放置状態になってしまいましたが、見に来ていただきありがとうございます。今頃コメントの返事、本当にすみません。



夏の終わりぐらいから別件が非常に忙しく、それが片付くまでは、のんびり時間のある時にだけ投稿しようと考えています。今年は、肝臓悪くしたり肺炎になったり、厄年かと思うような病気続きですし。



ということで、あたたかく見守ってくださいませ。



かしこ。
 
 
 
Unknown (オズ)
2010-12-17 20:06:33
あんた最高だっ!!!!
 
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