昭和42年7月のリリース...この後チエミさんは咽を壊してしまいます。
すでにこの時「低音に異変」が起っており、それまでの録音より「咽の荒れ」は確かに見られますが、この曲が「ポリープ手術前」の、結果として最後の録音となりました。
手術後、いくぶん細く、また低音が出にくくなった分キィをあげファルセットも屈指した歌唱でコンサートや実演、テレビ、そしてレコード録音に臨みます。
「ご存知！チエミ節２枚組みLP」を46年にリリースします。ここでもこの新たな歌唱法を屈指して多くの曲にチャレンジしました...
それまでの自身のオリジナルに「さのさ」や、また当時これも多くの歌手が競って「他人のヒット曲」をLPに入れていたのが流行っていた時期でもあり、「長崎は今日も雨だった」「港町ブルース」「女心の歌」などの「歌謡曲カバー」も織り交ぜた意欲作でもありました。「唐獅子牡丹」や懐メロ「船頭可愛や」なども収録されています。
ここでは、思いっきりキィをあげてファルセットも屈指した「ひとり泣く夜のワルツ」を残しています。
淡々と切々と歌い上げています。
49年、チエミさんは芸能生活20年以上を経て「はじめてのオリジナルアルバムLP」を発売します。
（はじめてのオリジナルというのが江利チエミさんらしいともいえます。ジャズだけ、ラテンだけ、民謡だけ...というLPは数々リリースされたのですが...）タイトルは「チエミ・オリジナル」。
Ａ面はすべて新作をリリースします。作詞は山上路夫さん、作曲は鈴木邦彦さん。
1.酒場にて...ポップス調演歌、シングルカットされヒットしました。
2.ほおずき市...日本調歌謡、ひばり児童合唱団のコーラスとのコラボ。
3.枯葉が散る...和製シャンソンのしっとりした曲。アコーディオン伴奏の大人の歌に仕上がりました。
4.陽気なスージー...ブギのリズムの軽快なチエミさんらしい曲。ＥＰ酒場にてのＢ面に収録されました。
5.荒れ模様...ストーミーウエザーを当時流行っていたソウルにアレンジしたような楽曲です。
6.緑の谷...スケールの大きなどっしりした曲。のちにＥＰノスタルジアのB面に採用されました。
1～3の編曲は高田弘さん。4～6の編曲は前田憲男さんがあたりました。
ジャズ・ポップス、日本調・民謡...様々な顔を持つ江利チエミという歌手の魅力を引き出した素晴らしいＬＰに仕上がっています。
Ｂ面は、過去の楽曲を吹き込み直しして収録されました...
新妻に捧げる歌、旅立つ朝（これは46年ロス録音が採用）、私だけのあなた、この雨に濡れて、
そして、ひとり泣く夜のワルツ／愛する人よ の２曲を加えた計６曲です。
この２曲こそ...昭和42年7月にカップリングでＥＰで発売された曲なのです。
愛する人よ...は、新妻に捧げる歌同様、神津・メイ子夫妻の作品。スケールの大きなバラードです。
そして「ひとり泣く...」はチエミさんには珍しい「演歌」です。
どうしてこの同じEPの２曲ともをセレクトしたのか...
ひょっとすると「今の自分があのポリープ以前の楽曲をどこまで歌えるのか」...そんな「挑戦」だったのかも知れないと、これまた勝手に想像しているのです。
この３回目のレコーディングの「ひとり泣く夜のワルツ」は、一番情念を込めて歌っているように聴こえます。このLPでの歌唱がファンの間で評判となり、51年3月にシングル盤で「再発売」されました。
51年頃のテレビの歌番組で、この曲は多く歌われましたし、大ヒットとまではいきませんでしたが、有線などでもよく耳にすることが出来ました。
この「ひとり泣く夜のワルツ」の３度目の新しい歌唱法によるシングル発売は、新たな「歌謡曲カバー」のＬＰの同時発売に発展しました。
「長い夜のひとりごと」...優しくだまして ベッドで煙草を吸わないで アカシヤの雨が止む時...など、演歌中心のＬＰもリリースされました。
こぶしを屈指した「チエミ節演歌」の完成は、意外に遅いこの昭和５０年頃である！...というのも叉、私の勝手な持論であります。
※画像はＬＰ「ご存知！チエミ節」のジャケットです。
現在カラオケにある「ひとり泣く夜のワルツ」は、51年の３度目のアレンジです。
私は個人的には、２度目の「ご存知！チエミ節」のテイクが一番好きですが、この42年、46年、49年のそれぞれの「ひとりなく夜のワルツ」では、その時のベストを尽くした不屈の歌手・江利チエミに出会うことが出来ます。
※ひとり泣く夜のワルツ は、思い出が多すぎますので、次章に続きます。
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すでにこの時「低音に異変」が起っており、それまでの録音より「咽の荒れ」は確かに見られますが、この曲が「ポリープ手術前」の、結果として最後の録音となりました。
手術後、いくぶん細く、また低音が出にくくなった分キィをあげファルセットも屈指した歌唱でコンサートや実演、テレビ、そしてレコード録音に臨みます。
「ご存知！チエミ節２枚組みLP」を46年にリリースします。ここでもこの新たな歌唱法を屈指して多くの曲にチャレンジしました...
それまでの自身のオリジナルに「さのさ」や、また当時これも多くの歌手が競って「他人のヒット曲」をLPに入れていたのが流行っていた時期でもあり、「長崎は今日も雨だった」「港町ブルース」「女心の歌」などの「歌謡曲カバー」も織り交ぜた意欲作でもありました。「唐獅子牡丹」や懐メロ「船頭可愛や」なども収録されています。
ここでは、思いっきりキィをあげてファルセットも屈指した「ひとり泣く夜のワルツ」を残しています。
淡々と切々と歌い上げています。
49年、チエミさんは芸能生活20年以上を経て「はじめてのオリジナルアルバムLP」を発売します。
（はじめてのオリジナルというのが江利チエミさんらしいともいえます。ジャズだけ、ラテンだけ、民謡だけ...というLPは数々リリースされたのですが...）タイトルは「チエミ・オリジナル」。
Ａ面はすべて新作をリリースします。作詞は山上路夫さん、作曲は鈴木邦彦さん。
1.酒場にて...ポップス調演歌、シングルカットされヒットしました。
2.ほおずき市...日本調歌謡、ひばり児童合唱団のコーラスとのコラボ。
3.枯葉が散る...和製シャンソンのしっとりした曲。アコーディオン伴奏の大人の歌に仕上がりました。
4.陽気なスージー...ブギのリズムの軽快なチエミさんらしい曲。ＥＰ酒場にてのＢ面に収録されました。
5.荒れ模様...ストーミーウエザーを当時流行っていたソウルにアレンジしたような楽曲です。
6.緑の谷...スケールの大きなどっしりした曲。のちにＥＰノスタルジアのB面に採用されました。
1～3の編曲は高田弘さん。4～6の編曲は前田憲男さんがあたりました。
ジャズ・ポップス、日本調・民謡...様々な顔を持つ江利チエミという歌手の魅力を引き出した素晴らしいＬＰに仕上がっています。
Ｂ面は、過去の楽曲を吹き込み直しして収録されました...
新妻に捧げる歌、旅立つ朝（これは46年ロス録音が採用）、私だけのあなた、この雨に濡れて、
そして、ひとり泣く夜のワルツ／愛する人よ の２曲を加えた計６曲です。
この２曲こそ...昭和42年7月にカップリングでＥＰで発売された曲なのです。
愛する人よ...は、新妻に捧げる歌同様、神津・メイ子夫妻の作品。スケールの大きなバラードです。
そして「ひとり泣く...」はチエミさんには珍しい「演歌」です。
どうしてこの同じEPの２曲ともをセレクトしたのか...
ひょっとすると「今の自分があのポリープ以前の楽曲をどこまで歌えるのか」...そんな「挑戦」だったのかも知れないと、これまた勝手に想像しているのです。
この３回目のレコーディングの「ひとり泣く夜のワルツ」は、一番情念を込めて歌っているように聴こえます。このLPでの歌唱がファンの間で評判となり、51年3月にシングル盤で「再発売」されました。
51年頃のテレビの歌番組で、この曲は多く歌われましたし、大ヒットとまではいきませんでしたが、有線などでもよく耳にすることが出来ました。
この「ひとり泣く夜のワルツ」の３度目の新しい歌唱法によるシングル発売は、新たな「歌謡曲カバー」のＬＰの同時発売に発展しました。
「長い夜のひとりごと」...優しくだまして ベッドで煙草を吸わないで アカシヤの雨が止む時...など、演歌中心のＬＰもリリースされました。
こぶしを屈指した「チエミ節演歌」の完成は、意外に遅いこの昭和５０年頃である！...というのも叉、私の勝手な持論であります。
※画像はＬＰ「ご存知！チエミ節」のジャケットです。
現在カラオケにある「ひとり泣く夜のワルツ」は、51年の３度目のアレンジです。
私は個人的には、２度目の「ご存知！チエミ節」のテイクが一番好きですが、この42年、46年、49年のそれぞれの「ひとりなく夜のワルツ」では、その時のベストを尽くした不屈の歌手・江利チエミに出会うことが出来ます。
※ひとり泣く夜のワルツ は、思い出が多すぎますので、次章に続きます。
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