135） 江利チエミ・最後のテレビ出演

昭和57年2月11日、 フジテレビ・ドラマ「暁蘭之介」～母子鳥いつの日～主演/杉良太郎に、江利チエミさんはゲスト出演をしました。母親役は清川虹子さん。
女巾着切り...スリの役です。
2月11日...そうです、チエミさんの訃報が報道される直前でした。ゆえにあの2月13日の報道は信じられないものでした。

この物語の終わり...
江戸処払いになったお染（江利チエミ）が、夫と幼い息子を連れて、蘭之介（杉）と母親お重（清川）に見送られる品川の宿の場面。
チエミさんは脚本にない演技をしたのだとか...

台本では橋の上での別れの場面は、　
　橋を渡った後、一度振り向く...というものだったのを、チエミさんは一度も振り返ることなく立ち去ってしまったのだとか。
杉良太郎さんも清川虹子さんも「アレ？」と思ったものの、チエミさんなりの解釈...と思ったとか...（後ろ髪をひかれながら...振り向きかけてまた思い直し振り向かない...横顔だけをチラっと向けて...という演技だったかとも私は思うのですが）

そのままの別れの場面がオンエアーされました。

ひょっとしてあの時...と、清川さんも杉さんは後にインタビューで応えていましたが、真意を計るすべはありません。

　一度も後を振り向かないまま...
　　　　　　　　チエミさんは立ち去ってしまいました。

※画像は冒頭、番所にしょっ引かれたところのシーン。