ゆ~たん音楽堂

ドキドキ&ハートフルな音楽と仲間を探して
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音楽ディレクター ゆ~たんの日常。

【児童養護施設「子供の町」での音楽活動@春日部市】

2019年03月15日 09時25分47秒 | Daily Life
児童養護施設というのは保護者のいない児童で、環境上養護を必要とする児童を児童相談所からの委託によって養育して自立支援と退所後のサポートをする施設をいう。かつては孤児院と呼んでいた。僕と同世代の人にとっては「タイガーマスク」での記憶が鮮明だろう。そんな児童養護施設のひとつ、春日部市にある「子供の町」で2年前くらいから月に一回の音楽活動を行っている。実際に子どもたちと活動をしているのは音楽療法士の井上勢津氏。資料によると「子供の町」の開設は戦後間もない1949年、戦災孤児の収容施設として誕生した。同じ時期に沢田美喜さんが神奈川県大磯町に設立したエリザベスサンダースホームがある。現在では幼児から高校生まで約150人がここで生活をしている。設立当初、両親のいない児童が入る施設であった児童養護施設も時代の変遷とともに、その様相が変化してきたという。1980年代の高度経済成長による社会的な「歪み」による家庭崩壊、2000年代になると児童に対する虐待が社会的な問題となり、両親がいても家庭生活を営むことができない子どもたちが親から逃れ、児童養護施設で保護されることになる。実際に「子供の町」では入所している子どもたちの60%強には親がいるが、入所後に交流ができるのは30%強という状況らしい。そして入所時の児童の約70%は虐待被害体験を持っていて心身を傷つけているという。このような子どもたちに対して月一回の音楽活動がどれほど役に立つのか、そこにはなかなか難しい問題もあるが、それでも2年にわたって活動を続けていると子どもたちから「もっとやりたい」「発表の場があったらいいのに」という言葉が出て来るようになったことは嬉しい限りだ。今年も卒業の季節を迎え、何人かの子どもたちがここを巣立つことだろう。このセーフティネットが完備されていない社会に飛び出すことがどれほど大変なことか、今僕には想像することしかできないが、僕たちが参加させてもらっているこの活動が、どこか心の支えとして残ってもらえたらと思っている。

◇子供の町のHPはこちら
 https://kodomonomachi.jp/