すっかり緑になった庭の桜。
雨だったので霧が出ていました。
多分この日は満開だったでしょう。
桜が咲き始めてから7日間雨でした。
その後4日間旅行に出たので、さくらを楽しんだのは短い瞬間でした。
道沿いの桜。
母が最期に病院から家に帰ってきた日、桜吹雪でした。
我が家の坂道は白いじゅうたんでしたが、止むこともなく花弁は散り続けました。
「やめて!」「今は花のままで」「そんなに急いで散らないで」
祈る思いで桜を見上げていると、母が「花弁を拾って」といいました、
これが最後の花見であることも、桜とともに旅立つことも母はわかっていました。
私は一番きれいなまだ地上に落ちていない花びらを掌に掬いました。
(母はその花びらを手に取ることはなく、病院に着くと疲れたのでしょうすぐ寝てしまいました。)
花弁は今も手帳に挟んだままに。
あんなにきれいな桜吹雪を見たのは母も私も初めてでした。
サクラが散るのをあんなに悲しんだのも後にも先にもありません。
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