旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

普通列車で往復する東京の旅3~盛岡駅から仙台駅まで

2014-12-24 03:41:01 | 普通列車の旅
 電車に乗って時計を見たら9時4分20秒。
 盛岡からは、9時6分発東北本線一ノ関行き普通列車。通勤電車と同じロングシートの701系1000番台2両編成、ワンマン運転。
荷物を網棚に載せ、腰を下ろしたら電車は出発。乗客はほぼ座席が埋まる程度で、立っている人はいません。
 仙北町の手前でとうとう雨が降り出しました。
仙北町を過ぎると、進行方向左側に新幹線の高架が日詰の手前までほぼ直線で平行しました。


 日詰を過ぎた頃には雨も上がり、乗客も半減しました。
 花巻空港駅といっても、空港と隣り合っているわけではありません。私が大学生で名古屋と野辺地をよく往復していた昭和の時代は、二枚橋という名前の駅でした。
 駅の手前にある空港に着陸しようとしていた飛行機を見つけて撮った写真ですが、飛行機は写っていませんでした。やっぱり飛行機は速い。


 花巻。乗ってきました「鉄ちゃん」。男です。一般的には、「鉄道マニア」「鉄道オタク」「鉄道ファン」と言われますが、「鉄道マニア」「鉄道オタク」は蔑称とされ、このように呼ばれることを好まないようです。漫画『鉄子の旅』の影響で、女性の鉄道ファンを「鉄子」と呼びます。
 「鉄ちゃん」は、荷物を置くと前の車両に行ってなにやら観察。戻ってくとるとなぜか「関東・中部自動車地図」を出して、それに挟んである紙を取り出し、今度はその紙になにやら書き始めました。 
真向かいに座っていたので、はっきりは見えないのですが、下のような図を書いていたようです。


 つまり、いろいろな列車に乗ってその編成を記録する趣味でしょうね。そういう人を「乗り鉄」とも呼びます。
 さて目の前の「鉄ちゃん」。一通り書いた後はスケジュールの確認をしていました。どこまで行くのかな。
 一ノ関到着2番線。10時33分。
 4番目となる今度の列車は、一ノ関発10時54分。乗り継ぎに時間があるので急ぐ必要はありません。
 1番線からの発車という案内を聞いて、ゆっくり跨線橋を渡っていきました。
 一ノ関は新幹線が停まる駅ですが、新幹線側でない在来線の改札口がある西口は、昔の面影が残っていました。


 まだ、次の電車は入っていません。
 そこで、今回のおめあての一つ。想い出の「三陸かにめし」を探しました。
 ありました。ホームのそば屋さんに。でも、名前は「かにめし」にかわっていました…。上野駅まであと、8時間37分。


 一ノ関10時54分発東北本線仙台行き普通列車。通勤電車と同じ系統のロングシートの701系1500番台2両編成、ワンマン運転。
 10時36分に着く仙台からの普通列車の折り返し運転。


 ロングシートの向かいに座ったのは男の人。八戸から乗った年齢不詳の青年でした。
 話を聞けば、千葉まで行くために昨夜10時札幌発の急行はまなすの自由席に乗って出発。早朝、青森で特急つがる2号に乗り換え、なんと、野辺地から同じ電車に乗っていたとのこと。
 花巻から乗ってきた「鉄ちゃん」は、同じ車両の半ばに座ってなにやらメモをしています。
 発車間際に、隣に「ギャル」という言葉がぴったり合いそうな女の子が座り、座ったと思ったら、おきまりの化粧を始めました。
 途中花泉から、友達と思われる女の子1人が乗ってきて、2人で化粧をする。結局、松島の手前まで約1時間。揺れる電車の中で化粧を続けました。あのまつ毛に塗るのもやっているのです。これはすごい集中力というか、根気強さだと思いました。仙台まで乗っていきましたが、残念ながら2人は隣に並んで座っているので、出来栄えというか完成度というか、仕上がりを見ることが出来なかったのが残念でした。
 さて電車は、清水原まで山越えをするため大きくカーブして進みます。そのため次の駅、有壁で一度宮城県に入りました。油島を過ぎた頃から青空がのぞき始めました。油島を出て、石越の手前でそんなに大きくはない夏川を渡りました。ここが岩手と宮城の県境です。
 石越を過ぎると、白鳥の飛来地としてよくテレビで紹介される伊豆沼を右手に見て、線路は右左にカーブしながら瀬峰を通って、小牛田に着きました。
 小牛田では前に2両増結するとのことで、ゆっくりホームに入り、いったん停まった後、ゆっくりそして、ゴッツン。増結した後、ドアが開きました。小牛田では7分間の停車です。
 ホームに降りてみると、端っこの線路には陸羽東線の気動車やいろいろな車両がとまっていました。小牛田は、石巻線と陸羽東線に分かれる駅。石巻からは小牛田で陸羽東線に乗り換え、新庄で陸羽西線に乗り換えることによって、日本海側の余目・酒田に行くことが出来ます。つまり、本州横断鉄道の交差点なのです。


 小牛田からは、車掌さんが2人乗ってきてワンマン運転ではなくなりました。
仙台まで45分。仙台の生活圏ということもあって、降りる人はなく、乗ってくる人ばかりで、松島では立っている人も見られるようになりました。 野辺地を出てから、奥羽山脈に沿うように南下してきて、初めてというか、一度だけ海が見えるのが松島を過ぎ、塩釜トンネルに入るまでの2分ほど。左手に松島湾が見えてきました。
塩釜の次の、国府多賀城駅は平成13年にできた比較的新しい駅。駅に隣接して東北歴史博物館がありました。


まもなく仙台。12時38分、4番線に到着。

 つづく


コメントを投稿