ロードバイクde通勤日誌

我慢しないで自転車通勤。

クライマーズ・ハイ

2006-07-27 | Weblog
先日、「クライマーズ・ハイ」という小説を読んだ。
横山 秀夫作。

小説を買う時のお買い上げまでの流れ。私の場合。
①新聞・TVなどの新刊案内などで目に留まったモノを指名買い。
②気に入った著者の新刊を見つけてお買い上げ。
③何気なーく書店をウロツキ、まずタイトルに引かれ、次にあらすじを読み、最後に冒頭の書き出しを確認して購入。

今回は③。
「クライマーズ・ハイ」登山中に興奮状態が極限にまで達し、恐怖感が麻痺すること。

クライム・山登り?→ヒルクライム?→ヒルクライムレース?→自転車?

あらすじに目を通すと1985年8月12日に起こった御巣鷹山日航ジャンボ機墜落事故の報道に携わった新聞社・全権デスクの苦悩の1週間を綴った内容。

小説に限らず、読み物全般に言えることだが、著者の文章の綴り方?流れ?と言うのだろうか、スッと入り込めるモノとそうでないモノが有る。今回はグイっと引き込まれた。

1985年といえば私は15歳。中学3年生の夏休みである。
正直、この大事故をキチンと記憶していない。事故があった事は虚ろに記憶しているが、本を読んでみて中3の夏に、このような大事故が起こったっけ?程度であった。

〆切りというギロチンが降りるまで精一杯、特ダネ記事を発信しようとする執念。
社内での様々な人間関係に、右往左往しながら自分の居場所を探し出す振る舞い。
思春期の子供とどう向き合っていいのか解らない。苦悩。
植物状態になってしまった同僚、その家族に対する思い。
仕事上の事故で部下を死なせてしまった事に対する後悔。
そして、この大事故により親族を一瞬で無くしてしまった遺族の想い。当人の無念。
主人公のみならず登場人物全員の生き方が凄まじい。

生命の尊さに大きさとか重さとかは無い。
しかし同じ人類でありながら、その生死の扱いに大小は確かに存在し、その事を当たり前に受け止めている自分がいる。

大切な人がいる。死んだら泣いてくれる人がいる。
毎日、元気に仕事が出来る。大好きな自転車に乗れる。

35歳。まだまだ若輩もんである。


横山 秀夫
以前読んだ「半落ち」もこの人の著書であった。その事にこの本を読んだ後、気付いた。ファンになった。昨日「出口のない海」を買ってみた。

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