つけ麺 スタメン ぼく絡めん
断言しよう。
誰よりも今岡復活を願って止まないのは、かつて同じ「7番」を背負ってプレーした真弓新監督でもなく、「7番」のナンバージャージを身にまとう今岡信者でもなく、「この給料泥棒!」と陰口叩く球団編成部の御仁でもなく、ましてや駄目な子好きを公言するりさ・ふぇるなんですさんでもない。誰あろう『関西つけ麺事業者組合』(想像上の団体)に所属するつけ麺屋の店主達なのである。
何ゆえ関東で普及しているにもかかわらず関西では浸透していない食べ物が二つある。「もんじゃ焼き」と「つけ麺」である。まあ「もんじゃ焼き」のほうはアレとして、「つけ麺」のほうはこちらでも受け入れられてもおかしくないし、ちょこちょこお店は散在しているようだが、決して普及しているとは言いがたい。
『なあなあ、お昼何食べる?麺にしょっかぁ?うどん?そば?ラーメン?冷麺でもええんちゃう……え、パスタ?女子はパスタ好っきやなぁ。どうもオッサンにはパスタは馴染めんとこがあんねんなあ、そもそもパスタ屋って“大盛り”無いやんか。え、あるって?いや、あっても何となし頼みにくい雰囲気あるやんかぁ、パスタ屋って……』
関西人同士の会話に決して「つけ麺」の名が挙がる事は無いのである。
『誠のつけ麺』
「つけ麺」のマイナー感を払拭せんと関西の「つけ麺屋」店主達の期待を一身に背負って登場した『誠のつけ麺』。今岡選手みずからが「つけ麺大使」(勝手に命名)を買って出たようなものだった。その『誠のつけ麺』が甲子園球場に新メニューとして登場したのが05年の初夏の頃。そう、あのシーツ・金本・今岡のクリーンナップとJFKが機能して、岡田タイガースを初優勝に導いた年のことである。この年、金本の後ろに控えた「五番・今岡」は見事にはまって、稼ぎに稼いだ147打点で「打点王」に輝いたのは今でもタイガースファンの記憶に鮮烈に記憶されていることだろう。
「つけ麺」の悲劇はそこから始まった。
今岡のこの勢いに便乗すれば「つけ麺」人気が関西に定着するのも時間の問題だと思われた。「つけ麺」屋の大将も、さぞや枕を高くして寝ることが出来たであろう。まさかここがピークで、一気に坂道転落の一途をたどろうとは思っても見なかった。「つけ麺」にとっての薔薇色の時代はいとも簡単に過ぎ去ってしまった。ピーク時(バブル時と置き換えても同じ)に安易に便乗したものの悲劇は大阪界隈そこいらじゅうに転がっている。「つけ麺」もそのひとつの象徴なのだろうか?「今岡」の名前と共に「つけ麺」の名前も静かにフェードアウトしていくのであろうか?
「つけ麺」にスポットライトを!
それはつまり「今岡復活」のキーワードなのだ。
タイガースファン1000万人の願いだった「ダーウィン焼そば」は日の目を見ないまま幻に終わったが、次なる選手を冠にした新メニューはないのだろうか?あれはあれで楽しみなんだけどなあ、食する食さないは別にして。
そして私は願う。いつの日かこんなメニューが世にでることを。
野原のカレーうどん
え、野原ってどっちのほうかって?そりゃもう「カレー」と「うどん」を一緒にしたらどっちも食べられるんちゃうん、という軽はずみの発想から生まれたとしか思えない安直さから云ってこちらの選手しかおりません。「軽はずみ」こそが身上ですから。実は私がこの世で一番美味しいと思っているカレーうどん屋さんがございまして、ここのお店の名前が「野原」って言うんですよ、奥さん。店の外観はごくありきたりのうどん屋さんなんですが、店に入ってみて驚くのは所狭しと飾られた有名人の色紙の数。いや、それだけのことはあるお店でして、近頃、大阪市内あちこちに店舗を広げた「得○」の甘辛こってり麺ずっしりのカレーうどんとは対極の、これぞ和風の正統派ともいえる関西風の昆布だしに京風細うどんでまとめた、至極まっとうな「The 和風カレーうどん」なのでございます。野原君がいつの日か甲子園で活躍の暁には新メニューとしてぜひ甲子園に出店してもらいたいと思っておりますです。
中央卸売市場(福島区)の斜め向かえに構えるこの小さなお店はカレーうどん専門店のため置いてるメニューは「カレーうどん」だけだが各種バリーエーションがある。先ずはカレーうどん(600円)に+100円で白ご飯、小鉢、お漬物がつくセットメニューがお薦めっす。