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ただいま冷温停止中! d( ̄ ̄;)

新春いわほかるた (ね)

2009-02-14 12:15:35 | いわほかるた
ねこにまたたび01

猫にまたたび 虎にメタボリ


「相撲部屋」と揶揄されたのはその昔、ベンチには江夏が田渕がカークランドが、そして遠井の吾郎ちゃんが社長、部長の如くソファー座りしたものだった。その締め上げたベルトに抗うかのようにせりだした腹には「貫禄」が自己主張していた。だが、彼等が身に付けた「貫禄」の実体は怠惰・不摂生・無自覚以外の何物でもなかった。その「貫禄」がプレーの質を落としているとは彼等も思っていなかった。事実、彼等は円熟味を蓄積することでその代償を埋め合わせていた。そんな彼等をファンの誰もがシニカルな愛情で容認していた、そんな時代だった。

今、タイガースを見回して、あの頃の怠惰・不摂生・無自覚を見た目で体現する選手は見当たらない。それは多分、怠惰・不摂生・無自覚とは真逆の鍛錬・摂生・自覚に満ち溢れた不惑のアラフォートリオの存在がそれを許さないからだろう。良き時代である。プロ野球選手といえどもアスリートの自覚をもってすれば当たり前のことだろうけど。
でも、江夏も田渕も21、22歳の頃は若さに任せて一様に細かった。そう思うと公称187cm、105kgで今年、育成枠入団を果した吉岡興志は入団時にして、すでに十分「貫禄」が出来上がっている点で異例ともいえる。外国人選手枠以外で3桁体重の選手はあまり記憶にない。あの久保田が新人合同自主トレ初日に4kgオーバーで罰金80万円を科せられた時が99kg。かろうじて2桁に収まっていたくらいだから。

でも、江夏、田渕と吉岡を同一レベルで論じてやるのは可哀相だ。江夏、田渕のそれは不摂生以外の何物でもないけど、吉岡は持って生まれた体質だと信じたい。体質だけはどうしょうもない。よく体質改善なんて容易く云うけれど、DNAに刷り込まれた性質までは変えられない。「走れるデブ」呼ばわりされた新人自主トレでの持久走二位のエピソードにも期待感を抱かせる。全身のバネ力で「速い球」を投げ込む投手はいくらでもいるが、全体重を乗せた「重い球」を投げ込む投手は絶滅危惧種だ。吉岡には一日も早く支配下選手の座について、かつて広島カープで重い速球を低めにビシビシきめていた福士投手や剛速球の伝説を生んだ現タイガース二軍投手コーチの山口高志のような「ヘビー球」を投げ込むピッチャーになってもらいたいものだ。福士投手が見せたキャッチャーミットにめり込む剛球に惚れ惚れした記憶が懐かしい。