THE READING JOURNAL

読書日誌と雑文

「光の本質を求めて」

2006-02-16 | Weblog
「人物で語る物理学入門 (上)」 米沢 富美子 著 

第4章 光の本質を求めてーーークリスティアン・ホイヘンス

今日の部分は、光の研究で有名なクリスティアン・ホイヘンス(一六二九~一六九五)と、彼を中心に光の研究の歴史について。

ホイヘンスは、オランダのハーグの名門に生まれた、大学を卒業後、二一歳(一六五〇年)の頃から三六歳(一六六六年)まで、自宅で研究をつづけた。
彼は、卓越した技術で望遠鏡などの光学機器を作り、「土星の衛星タイタンの発見」(二五歳)などの天文学的な発見をした。
非常に多岐にわたる研究を行い。振り子の力学の研究から「柱時計の発明」をし、振り子の等時性がいつでも満たされる「サイクロイド」を数学的に研究した。(サイクロイドとは、平面内における一直線上を円がころがったとき、円周上に固定された一点が描く線のこと)
また、「衝突に関する運動量保存則」、「中心力(遠心力)」のような力学的な研究も行なった。

これらの研究で有名になったホイヘンスは、何度もパリを訪れ、ブレーズ・パスカル(一六二三~一六六二)と知り合い、またルイ一四世と謁見を賜る。

一六六六年、ルイ一四世によってフランス科学アカデミーが設立される際、ホイヘンスに高額の年金、専用の住居、実験室が贈られます。ホイヘンスはそれからの一五年、パリに在住して、これまでの仕事の仕上げをし、光の研究についても科学史上、非常に重要な発見をします。

次からホイヘンスを中心に、光の研究の歴史を概観している。

すでに古代ギリシャの哲人たちも光に興味を持ち、ユークリッドらによって紀元前四世紀頃に光学の系統的な本が書かれる。すでにこの頃「反射の法則」が知られていた。
  • 「反射の法則」・・・光の入射角と反射角が等しい
次に、屈折の法則は一六二一年、ウイルブロード・スネル(一五八〇~一六二六)により実験的に発見される。
  • 「屈折の法則(スネルの法則)」・・・入射角の正弦と屈折角の正弦との比は、媒媒質Iと媒質IIが決まれば一定である。
光の直進は、ピエール・デュ・フェルマ(一六〇一~一六六五)により発見される。(フェルマの原理)
  • 「フェルマの原理(最小時間の原理)」・・・自然は常に最短の道を歩む。
この原理により、反射や屈折の法則を導く事ができる。
また、「回折」に関してはフランシスコ・グリマンディ(一六一八~一六六三)により言及されロバート・フック(一六三五~一七〇三)により観測された。

ロバート・フックは、光の波動論を最初に提唱した、そしてホイヘンスは、それを発展拡張する。

光の波動説に関する仕事は、ホイヘンスの数ある業績の中でも、最も重要なものと位置づけられています。
ホイヘンスは一六七八年、四八歳のときに、光の波動説の基本原理として、波の伝播に関する仮説を提唱します。

この基本原理が「ホイヘンスの原理」である。彼はこれにより、光の直進、反射、屈折を説明する。またホイヘンスの原理は後にオーグスティン・ジーン・フレンネル(一七八八~一八二七)によって波動論的な立場から整理される。
  • 「ホイヘンスの原理」・・・ある時刻の波面上でのすべての点が次のステップの波源になって、それぞれ二次波を出し、これらの二次波の重なりによって次の瞬間の波面が作られる。
ホイヘンスは複屈折にも自分の原理を応用した。
複屈折は一六六九年にエラスムス・バルトリナス(一六二五~一六九八)が方解石を通して見ると向うの物が二つに見えることにより発見しました。複屈折は「物理的に等方的でない媒質」に光を入射させたとき、「二つの屈折光線が生じる現象」である。

ホイヘンスは一六七七年、非等方性の結晶では、ホイヘンスの原理に従う素元波の形の「基本的な球面波」に加えて、「もうひとつ楕円波」が発生するという仮定を用いて、複屈折の説明に成功しました。

これは、「光の伝播速度が方向により異なる」ことを仮定することと同義で、つまり「偏光」(光波の振動がある方向だけに起こる光)を発見した事になる。
彼の複屈折の研究は一九世紀にフレンネルアラゴー(一七八六~一八五三)による偏光の発見、横波説の提唱につながる。

色については、一六六六年(奇跡の二年間)二三歳のニュートンがプリズムにより光のスペクトルを取り出したことに始まる。この時ホイヘンスは三六歳でちょうどパリに移り住んだ頃であった。
この実験によりニュートンは「光の放射(粒子)説」を提唱し、力学的な原理により光の性質を説明しようと努力した。そして一七〇四年に六一歳のニュートンは『光学』を出版する。
『光学』は『プリンキピア』とならぶニュートンの不朽の名著だが、ラテン語で書かれ専門家向けの『プリンキピア』と違い一般読者を意識して書かれた。そのため、広範囲な読者を獲得する事になる。

一八世紀を通して、『光学』はほとんど専制的ともいえる権威によって、光の研究分野を 支配します。『光学』では、光の本質について粒子説のみが正しいとされ、光のさまざまは性質が力学的原理に基づいて論じられています。そういうわけで、ホ イヘンスたちの提唱した光の波動説は、その後、一世紀にわたって中断することになります。

一九世紀になると、光の波動説を支持する実験結果がいくつか出てきて光の波動説が一般に受け入れられる。
その最初のものは、トーマス・ヤング(一七七三~一八二九)による「干渉実験」である。彼は、2つの小さな穴を通る光の干渉縞を観測した。干渉は伝わる物が波動でなければ、起こらない現象で、この実験により光の波動説はゆるぎない物となる。

また、光の「回折」現象については、一八一八年にフレネルがホイヘンスの「素元波の概念」とヤングの「干渉の原理」を用い波動説の立場で説明した論文を発表した。

一八八二年にグスタフ・ロベルト・キルヒホフ(一八二四~一八八七)が波動方程式を解いて、ホイヘンスの原理に理論的な根拠を与える。

一九世紀後半に光は電磁波であることがマックスウェルの電磁理論により示され、二十世紀になると量子論により、光は波動性と粒子性の両方の性質を兼ね備えることが明らかとなった。

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「中学1年 英語の文型ワーク」

パターン7 This(That) is not ~. / It is ~. パターン8 What で始まる疑問文(1)

第1グループ、1サイクル

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「英会話・絶対音読 入門編」 國弘正雄 編 

Lesson 6 Gestures Talk TRACK 16 ジェスチャーの方が言葉よりも便利な場面があります。 TRACK 17 世界で一番使われているジェスチャーは何ですか?

サイクル1回目
  1. テキストを見ながらリピーティング(5回)
  2. 音読(15回)
  3. テキストを見ないリピーティング(5回)
  4. シャドーイング(5回)


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