THE READING JOURNAL

読書日誌と雑文

「パソコンにカスタマイズされる脳」

2008-08-25 | Weblog
「フリーズする脳」 築山 節 著

第三章 パソコンにカスタマイズされる脳

ボケの進んでいる患者に特徴的なのは、目をあまり動かさないことである。それは脳の外界に対する注意が狭窄(きょうさく)的になっていて、周囲の変化に気が付きにくくなっていることが原因である。治療が進みボケの状態が良くなっている患者さんは、目がよく動くようになってくる。
もう一つボケが良くなった患者さんに共通の変化として声が大きくなり、はっきり話をするようになることである。
脳のレーダー機能が復活し、そして、情報を処理し意志を表出するという一連の機能がつながってくる。

これは逆のことも言えます。つまり、目を動かせない、言葉を話せない環境に強制的に置かれていたら、その人はボケてしまうということです。

その典型的な例は、足腰が弱り部屋に引きこもってしまったお年寄りですが、著者がもっと問題だと思っている環境は「強制的にパソコンに向かわされているような仕事」である。このように強制的に脳の入力と出力を制限されているような環境で何年も仕事を続けていると脳はボケてしまう。
画面上の細かい作業に集中していると脳の使い方は相当小さくなっている。それはしばらく切り替わらずに、横から話しかけられた時などにパッと注意を向けることができなかったりする(一種のフリーズ)。もっともこれは当然起こるフリーズであるので、特に問題ではないが、大切なのは脳を一度そう言う状態にしたら、必ず時間をかけて戻しておかなければならないということである。
よく「パソコンを一時間したら十五分はお休みしなさい」と言われるがこれは目のためだけでなく脳のためにも必要である。そしてその時に目を良く動かし、周囲の情報をバランスよくとられる活動をすることが大切である。その活動として著者が勧めているのは散歩である。散歩により目のフォーカス機能が使われ周囲の情報もバランスよく脳に入力される。
また、パソコンを使う業務には出力面でも会話がないという問題がある。メールなどのコミュニケーションとちがい面と向かっての会話は出力機能だけでなく入力機能もフルに使っている。著者は会話が少なくなっている人にはせめて文章を音読することを勧めている。

散歩と音読というのが、システムエンジニアやプログラマーの人たちをはじめ、パソコンを長時間使っている人たちの有効な活動です。



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