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THE READING JOURNAL

読書日誌と雑文

「義務感の強すぎる人々--強迫性パーソナリティ障害」

2006-04-09 | Weblog
「パーソナリティ障害」 岡田尊司 著 (読了06)

第 II 部 パーソナリティ障害のタイプと対処 第十二章 義務感の強すぎる人々--強迫性パーソナリティ障害、 おわりに パーソナリティ障害をプラスの力に

今日のところは、「強迫性パーソナリティ障害」について、および おわりに

[特徴と背景]
このパーソナリティは、きちんとしていて、義務と責任を大切にする信頼できる人である。したがって、強迫性パーソナリティ障害は、パーソナリティ障害の中でもっともパーソナリティ障害らしくない。
しかし、努力家で完璧主義であるため、うつ病や心身症になりやすい。

また、一見善人の典型に見えるが、度が過ぎると、自分のみならず周囲にも困った影響をあたえる。他人の価値や流儀を認めるのが苦手であるため、周囲は不自由でのびのびと出来ない。

また、たえず何かをしていないといられないため、のんびりしたりリラックスしたりする事が苦手である。

強迫性パーソナリティの人は、
  1. 努力は報われるという信念
  2. 捨てられない
という特徴を持つ。
努力は報われるという信念をもち、実際に非常に努力家である。そして、自らの人生を苦行にしてしまうだけでなく、それを他人にも求めてしまう。このようなタイプの親は、子供が怠けると叱るが、頑張ってもあまり誉めない。子供は楽しみに乏しい子供時代をすごしてしまう。

また、物、人間関係、仕事、環境などすべてにおいて「捨てられない」という特徴を持つ。それは現状を変えたくないという気持ちからである。そして、環境の変化に大変弱い。

律儀で、人との関係を大切にする。このタイプの人は、余程のことがない限り、自分から他人との関係を切ったり清算することはない。配偶者がどういう状況になろうと最後まで面倒をみるのは、このタイプである。

[接し方のコツ]
このタイプの人とうまくやっていくコツは、責任の範囲や役割分担を明確に決める事。
彼らは、自分のこだわりに関して全くというほど融通が利かないため、自分の流儀をパートナーにも強制してしまう。責任範囲を決めれば彼らはその領域を完璧にすることで安心できる。
また、限界を決めておくことで際限のない完璧主義や支配要求の広がりを押さえ、どんどん仕事を抱え込むことがなくなる。それは、本人がうつ病や心身症になる事を防ぐ。

また、自分の価値観に強く囚われ一方的な見方をする傾向があるので、パートナーの人は別の視点を与える事が、強迫性パーソナリティの人に幅を与える事になる。

[克服のポイント]
このパーソナリティの人は、努力主義で完璧主義のため休む事が苦手である。やすまず走るすぎるため、うつ病や心身症、そして心筋梗塞などをおこしやすい。

休むのも仕事のうちと考え、一〇〇%頑張らないようにするのが、最後まで完走できる秘訣だ。

と考えた方がよい。

また、他人にも同じような基準で考えてしまう傾向がある。

さまざまな基準で、思い思いの試行錯誤をしながら切り開いていく、それぞれの人生があるのだ。自分と同じことを期待するよりも、その違いのほうに目を向け、それを温かい目で見てあげるようにしようしよう。必ず、そのほうがいい結果をもたらすだろう。

おわりに
最後に、パーソナリティ障害の方への著者からのメッセージがある。

パーソナリティ障害は、大きなエネルギー源ともなれる。創造的な仕事であれ、奉仕的な 仕事であれ、自らが抱える傷や歪みゆえに、パーソナリティ障害の人は、ねじりの利いたバネが強い力を発揮するように、ツボにはまれば途方もない力を生むの である。そうした力が生かされるように、現実的な適応力をみにつけ、あるいは、そうできるように周囲が支えることは、とても大切と思う。

パーソナリティ障害は、パーソナリティの度が過ぎて社会に適応して生きていくのを邪魔している部分なので、変える必要があるし、実際、変えることができる。
パーソナリティ障害を克服した人は、とても魅力的なパーソナリティとして円熟する。・・・・中略・・・・それに反して、パーソナリティ障害引きずったまま 年取った人は、周囲から煙たがられ、見せかけだけの関係で結びついた人ばかりに取り巻かれることになる。本当に信頼できる人は離れていき、次第に孤独に なっていく。

そこそこの年になれば、人はパーソナリティに対して責任があると思う。その年になれば、親や不遇な環境のせいにばかりはできないのだ。いかに生まれてきた のかが、その人のパーソナリティには、顔に刻まれた皺のように刻まれている。子供のように自分勝手に振舞い、自分を省みることもない、情けない大人になら ないように、自分のパーソナリティと生き方を磨き続けてほしい。
重いパーソナリティ障害を抱えていた人も、問題や困難にぶち当たりながらも必死に生き抜いてきた人は、三十代半ばくらいから落ち着いてくることが多い。そうすると、とてもいい持ち味を発揮するようになる。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ラム)
2006-04-10 01:01:38
やっぱり、この本読んでみたいです♪

周りに『ちょっとだけ、こんな感じ!!』って方がいっぱいデス。そういう私も、そうかもしれないけどね。

さてさて、『海外赴任』の本をお買いのようで(^_^)

いつから行くの?
返信する
10月から (ツクジー)
2006-04-10 12:14:44
ラムさん



この本、ワリト読みやすいと思います。

最初の概論のところがチョッと理屈っぽいかな?

ブログでは、カットしっちゃったけど、有名人の話も多くて、それも興味深いです。



あ・・・一応10月からです。
返信する
むむ。 (マユ)
2006-04-11 23:21:03
これも、なんだか自分かと思っちゃった…

全てが当てはまる訳じゃないですけど。。。

※特に、休憩好きなトコは違う…



義務と責任を大切にする あまりに、

期待されているんじゃないか?っていうのに

潰れちゃいそうになって、、、

結果、ヤーーーって思いながらも達成して、

自分への違和感が残る…みたいな。。。



マユは、鬱に近いカモ!!!

キャーーー!!!

その時は、気持ちだけでいいので、

救ってください~~~m(_ _)m
返信する
いい奥さんに! (ツクジー)
2006-04-12 22:07:37
マユさん



ほ~~ このタイプのパーソナリティも持っているんですね~



なんでもこのタイプは、義理堅く面倒もよくみてくれるので。

「最後まで添い遂げたいと思うなら、このタイプのパートナーを選ぶとよい。」

と書いてあります!



(ともさん・・いいな~~www)
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