【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
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社会保険料の仕訳(内訳は必要か?)

2016-06-18 12:30:00 | 勘定科目と仕訳
■社会保険料を支払った

年金事務所から送付されてくる「保険料納入告知額・領収済額通知書」の社会保険料の金額は次の内訳に区分されています。

健康勘定/健康保険料
厚生年金勘定/厚生年金保険料
子ども・子育て支援勘定/子ども・子育て拠出金

経理上の仕訳をするにあたってこの区分が必要であるかについての質問を受けることがありますが、敢えて必要はありません。仕訳の金額は合計額でかまいません。法定福利費勘定で処理します。

≪借方≫法定福利費(通知書の合計額)
≪貸方≫普通預金

各内訳とも経理的な意味は同じです。従業員の病気、老後、子育てに備えるための法律で定められた福利厚生を目的とした出費です。ですから、区分する必要はないのです。どれも法定福利費です。

■給料と賞与から社会保険料を徴収した

給料と賞与から徴収する社会保険料(従業員負担額)の額も次の要素に分かれます。

健康保険料(厳密には健康保険料+介護保険料)
厚生年金保険料

この場合の仕訳も区分は不要です。性質が同じであるからです。給料や賞与を支払う仕訳の際に合計して預り金勘定を計上します。

≪借方≫給料
≪貸方≫普通預金+預り金(社会保険料・従業員負担額)+預り金(所得税、住民税、雇用保険)

■社会保険料を会社負担と従業員負担に区分する

社会保険料は会社と従業員で折半しますので、法定福利費として費用処理した社会保険料の合計額から従業員の給料から徴収した分を次の仕訳により差し引かなければなりません。

≪借方≫預り金≪貸方≫法定福利費

この仕訳は社会保険料を支払う際にしますので、次のようにして支払いの仕訳と一括してします。

≪借方≫法定福利費+預り金(社会保険料・従業員負担額)
≪貸方≫普通預金(通知書の合計額)

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★給与明細や給与台帳では区分しなければなりません
給料や賞与から徴収する社会保険料は「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」の別に徴収額の計算方法が定められています。ですから、それぞれの計算根拠を明確にするためにも内訳としての区分が必須となります。ご注意ください!