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丸子実業生自殺 《希死念慮》の診断書無視する県教委

2005年12月13日 | 長  野  県  政

《希死念慮》という言葉をご存知だろうか。知らなくてもこの字を見れば大体の
意味はお分かりいただけると思う。そう、平たく言えば自殺願望で、うつの症状
として現れる。

自殺した高山裕太君の診断書に書いてある医学用語だ。佐久市内の精神科医師が
診断し、作成したものだ。ここにある。
http://blog.livedoor.jp/tuigeki/
9月15日、27日、そして11月6日に治療に行った際、作成されている。そ
れぞれ、その日に学校・県教委にメールやFAXで送られている。

私がこの診断書を見たのは裕太君が亡くなった後、先週末のことだった。裕太君
のおかさんのかおるさんから送られてきた沢山のメールの中にあった。かおるさ
んからはいろいろなメールが来るが、玉石混交だ。私にとって、という意味だが
価値のあるものもあれば、あまりないものもある。かおるさんにはそれは分から
ないようだ。

(青字はメルマガに書き忘れた部分)
診断書は最初一通だけ私の所に送られてきた。これは大事なものですよーとかお
るさんに話しているうちに、他にもあることが分かり、ブログに載せられるよう
にサイズや形式を変換して残りの二通も送って貰った。

気持ちが先走って、客観的状況を第三者に知らせる上での優先順位は二の次にな
っているようだ。子供が自殺の瀬戸際にいるのだ。混乱しているのだろう。
こういった気持ちや事情を汲み取ることが大事だと思うが、学校・県教委は逆に
それを変な人扱いした。

もっと早くこの診断書を見ていたなら、私は違った対応をしていただろう。
「最悪のケースは心配していないー」と米澤修一教育次長が11月10日に言っ
た際、そのまま引き下がることはなかったはずだ。

県教委にも確認したが、この診断書のメールは見ているそうだ。それにしては切
迫感がなかった。どうしてかと聞くと、医師がおかあさんに影響されてこのよう
な診断書を書いたのではないかと思ったらしい。いくら高山さんへの不信感があ
っても、そんな話しが通用するだろうか。診断書は違う日付で三通もある。

医師は「君は声を出そうとすれば出るんだ!」と裕太君を強く叱ったことがある。
そんな医師が母親の言うとおりの診断書を三通も書くものだろうか。


おかあさんの騒ぎ方が大げさだーというのは見る人の主観による。しかし、医師
の診断書は客観的状況を指し示すものだ。医師が自殺願望があると診断している
ものを、いかに次長とはいえ、県教委が無視していいのだろうか。
県教委ぐるみで医師の診断書まで無視して、裕太君を自殺に追いやったーと言っ
たら言い過ぎになるのだろうか。

県教委に聞くと子供の自殺の報告は過去三年ほどで、年に2~3件だ。自殺自体
が少ないし、親がいじめが原因と訴えたケースはまれだ。診断書まで送ってくる
のはさらに少ないーというかないことだ。最大のSOSだと思うが、それを
変り者扱いされたのでは当事者はなす術がない。

かおるさんは自殺が心配で、裕太君の部屋のドアを外すようなことまでしていた。
夜中に裕太君が外に出て行ってしまわないように、出口の気配が分かるような所
に寝ていた。外でのことばかり心配していて、まさか家の中でーとは思わなかった。

自殺する4日前の12月2日、裕太君がかおるさんに親子丼を作ってくれた。
料理が得意なわけではない。かおるさんが作ろうと思って、鳥肉などの材料を台
所に出していた。かおるさんは書かなければならない書類があって作る間がなか
った。それを見て僕が作ると言い出し、作り方をかおるさんに聞きながら作った。
ところが、作ったもののかおるさんは忙しくて食べる間がなかった。裕太君に食
べるように言ったが、裕太君はお弁当にして持って行くようにーとまでおかあさ
んに言った。
今になって思い返して見ると、あの時から・・・とかおるさんは言う。

4日、日曜日に家族で外食に行った。何がいい?と聞かれるといつもは、
「弟の食べたいものでいい」などと自分の好みを言わない裕太君が珍しく
「喜多方ラーメンが食べたい」と言った。中学校の卒業アルバムには
「好きなものはラーメン」と書いてあったそうだ。
あの時気付いていればーと後悔は尽きない。

県教委は高山さん親子がコミュニケーションがうまく取れていないようなことを
言う。裕太君は自分の思ったことが言えないようなことをいう。そんなことはな
い。
県教委の職員に何回裕太君と会ったのかと聞くと、「会わせて貰えない」と注釈
は付くが会ったことは一回もなく、話したのは全部電話だという。
県教委の話を信ずれば、
裕太君は一面識もない赤の他人には本心を明かすが、母親には話せないというこ
とか?

親子のほうがコミュニケーションは深い。裕太君はうまく声が出ない。かおるさ
んとはゆっくりだが沢山話している。人前でうまく話せないので、それをメモや
手紙にしている。

病院で沢山の薬を出されて飲んでいた。そのためなのか心理的なものなのか、
髪の毛が抜けるほどだったという。
そんなことは県教委は知らないだろう。彼らに反省はない。そもそも十分な情報
もない。情報がなくては反省のしようがないだろう。ただ、困惑だけがある。

12日夜、前島章良こども支援課長が辞職するーという情報が流れた。前島さんに
確認したら「どこからそんな情報が出てるんでしょうか。今はそんなことを考える
状況ではなく、問題を検証することが先だ」とちょっときつい口調で言っていた。