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さび付いたネジを緩めてから現場主義を言え

2005年01月29日 | 長  野  県  政
田中知事後援会幹部の下水道会社役員が下水道公社の入札で県内業者を優先するよう県などに働き掛けたことが問題となっている。

この問題で田中知事は「県内業者を優先するのはいいこと」と言っているがチト違う。
県内の業者を優先すれば地元に金が落ちて一見いいように思えるが、下水道公社や業界関係者に聞くとそうではないと言う。
下水道設備は特殊で大掛かり。作っている会社も限られている。A社の機械が設置されているところに落札価格優先でそれまでと違うB社に管理を任せるのは問題があるーというのだ。
分かりやすく言うと、作ったときは日立の機械を設置したのに、管理は東芝がするようなことになったらいろいろ問題がでるということだ。だから、これまでは随意契約でやっていた。これはこの方が合理的で便利だからだ。悪いことをするためではない。

それぞれの設備や機械には特徴がある。慣れないものがやると壊れた部品ひとつの交換だってスムーズに行かない場合もある。極端なことをいえば、ネジ一本だって特殊なピッチのものを使うことだってあるし、逆ネジを使うということだってある。修理しようとネジを緩めているつもりが締めている場合だってある。

そんな細かいことは田中康夫やそれを妄信している世間知らずの市民派にはわかりっこない。田中知事は現場主義をいっているがどんな現場主義なのだ。田中知事を支持している人たちを見ていると、こういったネジ一本の現場は知らなさそうな人たちが多い。小奇麗な理屈の上での現場主義のように思えてならない。油や泥にまみれた現場を田中知事が知っているようには思えない。さび付いて固くなったネジを緩めるのにだって、実はコツがあり熟練が必要なことを田中知事やその支持者は知らないだろう。さび付いたネジを一本でも緩めてから現場主義なり、改革を言え。

監視は結構だが、素人のできることには限度がある。分かりもしないで、田中知事の口車に乗せられて改革を叫ぶのはおろかしいことだ。


ところでこの問題を報じる28日付の各紙の見出しだが、ナゾナゾのようで分かりにくい。
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知事 自らの問題 どう調査 働き掛け文書「不存在」  信濃毎日

県、「公文書」公開せず  朝日

知事、存在認める 情報公開請求には「不存在」通知  読売
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となっているが、
この問題は田中知事が公文書を隠蔽をしたということだろう。


「田中知事、公文書隠蔽を指示!」あるいは「田中知事公文書隠蔽に関与か?」

でいいのではないのか。
見出しの打ち方というのは重要で、その問題の意味を決定付ける。それだけに慎重になるのはわかるが、慎重すぎてナゾナゾのようになるのは本末転倒だ。行き過ぎた慎重さは事実を誤まって伝える。
こんな見出しをつけている記者たちも、ネジの緩め方なんて知らないだろうな。