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松本市長選がらみの怪文書?公文書?

2004年08月27日 | 長  野  県  政
● 松本市長選がらみの怪文書?公文書?
   菅谷松本市長の立候補前の病状などを説明
   まるでアラビア文字 独特の筆跡 誰が書いたか不明

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まずはこの文書をご覧いただきたい。
http://www.ne.jp/asahi/eiji/home/main/matumoto/fax.htm

ここにある三枚の文書は、今年3月14日に行われた松本市長選に立候補して当
選した、菅谷昭氏の立候補前の癌の病状について説明したものだ。
Web上にアップするについては作家の大石英司氏の協力を得た。
大石氏HP  http://www02.so-net.ne.jp/~eiji-oh/

菅谷氏は当選翌日に自分が癌であることを告白、その数日後に入院、手術をして
いる。癌であることを隠して市長選に出たわけで、有権者を騙したことにもなる。
普通だったら道義的に大問題となるところだが、三期12年をやり、四期目に挑
戦した72歳の有賀正前市長に対する市民の飽きと批判から、大して問題にもな
らないでいる。

このままでは小さくて読みにくいので、この文書の上にポインターを乗せ、ダブ
ルクリック、さらに、大きくなった文書の右下にポインターをずらして、拡大マ
ークが浮かび上がったらそれをクリックするともっと大きく見えるようになるは
ずである。
あと、データーを一旦パソコンに取り込んで大きくするなどいろいろやり方はあ
るようだが、取りあえず上の方法で用は足りると思う。

ただし、文字に癖があり非常に読みにくい。横書きのアラビア文字のようでもあ
る。これだけ癖があると書いた人物を特定するのは簡単かもしれない。家族、友
人など周辺の人間なら一目見ただけでわかるのではないか?

冒頭部分は特に読みにくいので補足すると、
<松本市民の皆様>
<松本市役の職員の皆さんへのお願い>
と読み取れる。

三枚目の最後に、
<担当医一同>
と書かれているから、医師が菅谷氏の病状の説明をしているということなのだろ
う。だろう、というのはその医師の名もなければ病院名もない。つまりどこの誰
が書いたか分からないからだ。非常に怪しい文書なのだ。
かりにも、市長という公職者が当選直後に癌で入院、手術までしなければならな
い程の健康状態であるのに、その病状を説明する者の名がないというのは理解に
苦しむ。本当に医師が書いたものだろうか?という疑いだって湧く。
菅谷氏周辺の人物が、医師に成りすまして書いたものではないのか?と言う人も
いる。

この文書の出どころだが、菅谷氏の後援会のようだ。細かい経緯はよく分からな
いのだが、松本市役所の幹部が菅谷後援会から市民の皆様へーと託されたのだと
いう。だから、というのも変な話だが、この文書は松本市役所で公文書として保
管され、情報公開条例の手続きを踏めば誰でも手にすることができる。つまり怪
文書なのだが、公文書として松本市役所に保管されているということでもある。

文書を見て気づくのは大きく書き直した跡がないことだ。パソコンならともかく
手書きでこれぐらいの長さのものを書けば、何度か書き直しがあってもおかしく
ない。かといって几帳面に清書した風でもない。ある程度、文章を書き慣れた人
物が、雑に書き下したーという印象がする。
筆記具はボールペンやフェルトペンではないようだ。線の太さが一定でなく、細
くなったり太くなったりしている。筆圧の高い人物が柔らかいペン先の万年筆で
書くとこのようになることがある。
ーと、書いていて思うのだが、まるで推理小説の犯人捜しをしているようだ(笑)
なんで"市民派"の"公明正大"に選ばれたはずの市長の周辺からこのような文書が
出てくるのか?

この文書を読んで分かるのは、菅谷氏がかなり前から市長選に出る意思を持って
いたことだ。そして、それを隠そうとしていたことも透けて見えてくる。
菅谷氏の癌は2003年の年末ごろに行われた健康診断で発見されたという。早
期発見早期治療ーというのが癌によらず何の病気でも治療のセオリーだと思うが、
医師である菅谷氏はそれをしなかった。

その辺の事情がこの文書には書いてある。菅谷氏は癌といっても軽いものだから、
仕事も忙しいことだし、3~4ヶ月先に治療を延ばそう、そうすれば退職して暇
もできるーと思っていたのだという。それが当選してしまったのでこの騒ぎにな
って、あいすまんーと書いてあるように読める。
もし、万一当選したら5月の連休か、夏休みにでも手術をしようとしていたとも
書いてある。癌だと分かってそんなに手術を先延ばしする人がいるのだろうか?
しかも医師で。
現に菅谷氏は当選して即座に手術をしている。
口では大したことはないと言っておきながら、当選したら慌てて手術ーなんとも
人を小馬鹿にした話ではないか。

もし、癌だということが世間に知れたら市長に当選どころか、出馬もなかったに
違いない。いくらもの好きでも癌患者を担ぐ人はいないし、投票しようという人
だっていないだろう。初期の癌で簡単に治療できるといっても世間はそれでは納
得しないーということは他ならぬ菅谷氏自身が一番よく知っていたはずだ。だか
ら治療を先延ばししたのだろう。入院や手術ということになれば癌だということ
は隠しようがない。また、その時点で隠したとすれば悪質で、大きな世論の怒り
を買ったことは想像に難くない。


菅谷氏は多くの人の関心をよそに、直前まで市長選への出馬を曖昧にしていた。
その当時は県の衛生部長職だったが、県庁内では
「まさか出ないだろう、そんな馬鹿なことをする人ではない」というのが一般的
声だった。菅谷氏は県庁職員も騙していたーのか県庁職員がお人好しなのか。
癌であることを隠してまで松本市長選に出馬した菅谷氏の執念に驚く。県庁内の
評判では何事にも恬淡として、欲などない人だと聞いていた。

県庁の衛生部長席で、出るのか出ないのかーという私の問いに、
「私にはチェルノブイリがある、NPO活動をしなければー」
と伏目がちに答えていた菅谷氏だったが、権力が人を変えるのか、そういう人が
権力に引かれるのか。いずれにしろ凡夫には分からぬ世界だ。

市長選の際、菅谷氏を応援し選挙事務所にもよく行ったある松本市議に話を聞い
たが、癌どころか、病気だということの素振りも見せなかったーと後に真実を知
って驚いていた。敵を欺くにはまず味方からということか。


今は治まっているが、こんな菅谷氏を許せないと糾弾している市民グループが複
数ある。菅谷市長に、事情を詳らかにするようにと松本市役所で面会もしている。
一気にリコールをーとの意気込みだったが、リコールは法律で当選後一年以内は
できないことになっている。で、今は休眠状態だが、来年3月になれば騒ぎが起
きるのは間違いない。
リコールがすぐできないのは考えてみれば当然のことで、当選したばかりの人に
辞めろというのでは、何のために選挙をしたのかということになる。菅谷氏のし
たことは、法律も想定し得ない異常なことだったのだ。

ところが、何人かの松本市民に聞いてみると菅谷氏を非難する声は少ない。その
寛容さの裏には有賀前市長の長期政権に対する批判がある。前政権に対する批判
から、現政権に対する批判は控えようということのようで、県政と同じような問
題の構図が松本市もある。

政治とは、よりベターなものを追求するものであるのだからそれで仕方ないし、
いいのかもしれないが、しかしーと思わざるを得ない。いくら過去の政権に問題
があるからといって、現在の問題に目をつむっていいわけはない。それでは同じ
ことの繰り返しではないのか?臆せず言えばそれは未熟な民主主義ではないのか。
改革は正しくされなければ単なる権力闘争でしかない。

菅谷市長は当選後半年たたないが、賞賛より落胆の声のほうが大きいようだ。
有賀前市長を批判する市民に支持されたはずだが、やっていることは有賀市政の
継承の色合いが濃い。行政に素人の菅谷氏では頼りにならないのか、市幹部は大
事な所では有賀前市長に相談に行くという話もある。

関連過去号

松本市長選前の追撃メルマガ過去号 3/14配信号
http://www.melma.com/mag/68/m00060168/a00000137.html
菅谷氏当選後の追撃メルマガ過去号 3/17配信号
http://www.melma.com/mag/68/m00060168/a00000138.html

 * 発行人の言い訳 *
普通、記事を書く者とそれをチェックする者は別にいる。同じ人間がチェックし
たのでは漏れがあるからだ。前者を取材記者といい、後者を校閲記者という。
それぞれ違った視点で記事を見ている。だからチェックの用が立つ。書くのとチ
ェックするのとでは違った脳みそを使うようだ。一人が同じことをやってもうま
くいかない。それを私は一人でやっている。だからよくチェック漏れがある。前
号では「聴衆」を「聴取」とやってしまった。あとで分かって、あちゃー、と思
うことはよくある。しかし、配信してしまったあとではどうしようもないーと諦
めをつけている。これはまだいい。入力ミスだということがすぐ分かるからだ。
これは自己弁護。問題なのは勘違いを誘うようなミスだ。これはまだないーと思
う。
何度もチェックしているのだがそれでも見逃す。元々ずぼらな性格だから間違い
探しは苦手でもある。一晩置いてチェックすると間違いは少なくなる。だが、そ
うもしていられない。
見出しだが、これも本来は別の者が付ける。脳みその使い方が違うからだ。書い
ていた頭で見出しはうまく付けられない。それに、素質といったものもあるよう
だ。職人技ともされている。見出しで記事は大きく変わる。売れ行きもだ。週刊
誌や夕刊紙では、それ専門の人がいる。活字の大きさや色などで工夫している。
メルマガはその点制約がある。言い訳でした。

怪しい文書